活動テーマ:身体表現活動コミュニティ
産学連携先:社会福祉法人 聖徳会


 光安ゼミ(3年生)は、2019年11月30日(土)に大阪老人ホームで、高齢者(70代〜80代)を対象に「阪南大学の学生と一緒に健康リズムダンス」のイベントを開催しました。定員20名としておりましたが、当日は25名以上の参加者の方にお集まり頂き、動けるスペースの確保が少し難しくなるなどのハプニングもありました。しかし、連携先の方のご協力や運動プログラムの内容を一部変更するなど臨機応変に対応し、そんなハプニングも乗り越え、大成功に終える事ができました。

学生活動状況報告

 今回のイベントでは、自分が教える立場で高齢者の方の前へ出た。今まで自分が教える立場で前に立つといった機械が少なかったため、リハーサルの時から緊張して、どのように進めたらよいか不安であった。その中で仲間や先生からの助言もあり、私は少し自信を持てるようになっていった。
 活動に取り組んでいく中で、当日のイメージをしながら練習をしていたが、いざ当日に進めているとある問題が生じた。それは相手が高齢者ということもあり、自分のテンポについてこられない方も何人かいたことだ。
 どのようにしてその問題を解決しようか考えてみるが、既に高齢者の前に立ち、指導が進んでいる状況な為、瞬時の判断が必要であった。まず考えられることは、自分の声が相手に届いていないということであった。私は解決手段とし、声のボリュームを大きくすることを心掛けた。次に考えられることは、自分の話すペースが高齢者の方にとって、少し早かった可能性があったので、繰り返し動きの内容を説明することで対応した。
 躓いている方への配慮を丁寧に行ったことで、高齢者の方も安心して、楽しそうに取り組んでいた様子があり、嬉しかった。また、今回の経験から、相手に物事を上手く伝える自信が少しついた。
 就職すると人前に立ち、相手に教える立場につくことが多くなるかもしれない。そのような場合には、今回の活動で学んだ「相手への配慮」を忘れずに取り組んでいきたい。

経営情報学部 中村 海

 私は、これまで地域交流やボランティア活動などに参加したことがなかった。参加しなかった理由は、うまくコミュニケーションが取れるか不安だったからである。しかし、光安ゼミでは老人ホームで高齢者の方との交流を始め様々な年代と活動に取り組んできた。
 光安ゼミでの活動で、特に印象に残っていることが老人ホームでの身体活動による交流である。主な内容は、運動不足を改善するダンスをおこなった。ダンスの仕方を教え、また休憩中にも高齢者の方と会話する機会があった。その際に感じたことは、友人と会話をする感覚とは違う感覚の体験ができ、世代を超えての会話を展開することができた。
 ある1人の高齢者の方のお孫さんに私は似ているらしく、その話題が出た。普段高齢者の方と話す機会が少なく、自分とは違う世代の方と上手くコミュニケーションが取れるか不安であったが、相手が楽しそうだったので安心した。
 高齢者に限らず、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の方と会話や一緒に何か活動に取り組む事は、自身のコミュニケーション能力の向上に繋がるのではないかと感じた。ゼミ活動の取り組みを通して、普段、友人としている会話と内容や言葉遣い、仕草なども含め、違う世代の方の交流は学びも多く大変貴重な経験となった。

経営情報学部 林 貴昭

参加者一覧

伊藤 連、岩崎 竜也、児玉 悠輔、佐々木 滉太、田中 貴大、CHEN XINYI、辻 虎之介、刀祢 翔一、中村 海、中本 亘、八野 怜玖人、林 貴昭、原口 侑大、東尾 智皓、保坂 優輔、松田 功樹、八木澤 翼、和田 知樹

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

社会福祉法人 聖徳会
まつばらケアプランセンター介護支援専門員・まつばら在宅介護支援センター相談員
係長 杉原 圭祐 様

 昨年から始まった、大学生と地域住民の交流会。学生さんが一生懸命、体操を教えてくれる姿に、地域の皆様も大変感動されていました。
 学生の皆さんも、会場に到着された時は、普段過ごされている時よりも緊張されているように感じましたが、地域の皆様が到着された時からは、どう関わっていいのだろうかという不安な表情に変化されていました。祖父母と一緒に暮らしている学生さんも数人ということもあり、普段から高齢者と関わることもほとんどない中、ただ話すことさえも不安だったと思います。
 しかし、地域の皆さんから声をかけてもらうことで、徐々に緊張もほぐれて笑顔も出てきました。友人たちと話している時のように「普通」に話せばいいのだという気づきがあったのではないかと感じています。
 また、会話だけでなく、手をつないだり、タッチをしたり、目を合わせたり、そのような会話以外のコミュニケーションをする体操も多かったので、お互いの距離感がどんどん近づいていっている感じがしました。
 学生さんたちも、皆さんのことを楽しませよう、笑ってもらおうと一生懸命な気持ちも地域の皆さんの心に届いたと思います。
 世代を超えて、お互い理解し合うためには、大変意義のある活動だと思います。エンターテイメントやダンス、体操を通じて、ともに楽しむ機会をこれからも一緒に作っていきましょう。

教員のコメント

経営情報学部
光安知佳子 先生

 光安ゼミ(3年生)では、昨年から高齢者を対象としたコミュニケーションを取り入れたリズムダンス及びリズム体操の考案と実践を行っております。
 今回も社会福祉法人 聖徳会杉原様のご協力を頂き、高齢者を対象としたイベント活動を無事に終えることができました。社会福祉法人 聖徳会杉原様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 現代ではダンスが多くのメディアに取り上げられ、人々の身近な存在となりつつありますが、”ダンスはカッコよく踊らないといけない”、”ダンスはリズム感がないと難しい”などといった固定概念を捨て、もっと自由にコミュニケーションを取りながら楽しく踊る方法もあるということをゼミ学生含め、この活動を通して多くの方にアプローチしていきたいと考えております。
 また、学生たちはイベントを開催するまでに、ダンスとは何か、コミュニケーションとは何か、チームワークとは何か、人との繋がりとは何かを探りながら、学生同士切磋琢磨して学ぶ事ができたのではないかと思います。
 一つの組織(チーム)として活動に取り組む際、自分の役割は何なのか…自分は何を必要とされ、どう動くべきなのか…これらは、自分の立場だけを考えていたら答えはなかなか出てきません。
 しかし、目標(ゴール)を組織(チーム)全体で統一し、それぞれの視点を持っていたとしても、最終的に同じ方向を目指し、同じ方向を向くことではじめて、自分の役割を理解することができます。
 光安ゼミでは、ゼミ活動を通して就職活動が始まる前に組織(チーム)としての自分の役割を理解できる力を身につけることを目標としています。それは、考える力や行動する力、コミュニケーション能力などを含めた社会人基礎力とも呼ばれる力です。
 今後、ゼミ学生達がこの活動での気づきを大切に残りの学生生活を送ってくれることを願います。