2017.1.23

連載講座「インターネットと経営」強いチームは儲(もう)かるチーム? ~Jリーグのデータ分析~

Jリーグチームは儲(もう)けなくてはならない!?

Jリーグのリーグ戦が始まったのは、1993年。プロとして活動し始めて長いのですが、2012年から「Jリーグクラブライセンス制度」が運用され始め、経営状態によっては、下部リーグへの降格処分を受けることになりました。

具体的には、(1)3期連続の赤字と(2)債務超過に陥(おちい)っているクラブは、戦績が良くても降格なのです。

単純に考えると、「強いチームがなぜ降格?」と思うのではないでしょうか。しかし、上の制度が開始。そこで、「強くて経営も良いチームはどこか」という視点で調べてみましょう。

強さと収入の関係を図で描いてみる

この場合、数字で比較するのが客観的でしょう。まず「強さ」については、順位より「勝ち点」の方がより適当ですね。次に「経営状態」の数字はいくつか考えられますが、最初に、売上を取り上げてみましょう。そして勝ち点を横軸(x軸)に、売上を縦軸(y軸)にとって、J1リーグ18チームの2011年〜2015年の5年間のデータ(90個の点)を入力します。例えば、下のグラフの中に記したように、浦和レッズの2015年の勝ち点は72(x座標)、売上は60.9億円(y座標)で、座標軸の該当箇所(72,60.9)に点を記します。
上のグラフ(散布図といいます)だと、例えば下のグラフ「時速50Km走行での進行状況」のように、はっきりとしたことはわかりません。つまり、時間(x座標)と距離(y座標)のグラフの点は一直線上に並びますが、上のJ1リーグのグラフでは、こうはなりません。誤差を承知の上で「当てはまりの良い直線」を引いてみても、かなりズレがあるように見えます。

相関係数で検討

ここで登場するのが、有名なデータ分析ツールである「相関係数」です(高校の数学でも扱われています)。これは、例えば「収入が増えれば、支出も増える」と言った、2つの量の関係を示したもので、0から最大1までの値になります(一方が増えると他方が減る関係のときは、0から−1まで)。

そして、相関係数が0.5以上で相関関係があると言われていまして、0.7以上あれば「強い」相関関係がある、とされます(0.3以上で「弱い」相関関係があると言われます)。

さて、J1リーグの5年間の勝ち点と売上の相関係数を計算すると0.572でした(パソコンで簡単に算出できます)。勝ち点と売上の間には相関関係がある、と言えますね。

Jリーグのデータ分析をしよう!

そこで、売上の中身である広告料収入と入場料収入について、それぞれ勝ち点との相関係数を求めると、順に0.449、0.408となります。少し小さくなりました。

そこで、有名選手がいるチーム、選手に高い報酬を払っているチームは強いのではないかと推測して、「勝ち点と人件費」の関係を検討しました。すると、相関係数は0.601になりました。売上よりやや強い関係がありそうです。参考までに、年度別に勝ち点と、売上と人件費それぞれの相関係数を下のグラフで示します。
以上、いかがでしたか。データは全てJリーグのホームページにあります。チームの強さと、売上や選手報酬との関係にとどまらず、Jリーグのデータでいろいろ調べてみましょう。

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