経営情報学部の松田研究室では、海洋ゴミをテーマに卒業研究に取り組んでいる学生がいます。
ところで、以下の画像は海洋ゴミの一部ですが、皆さんご存知でしょうか?
これはシーグラスと呼ばれているもので、シーグラスを利用したアクセサリーは販売されており、地域によってはアクセサリー作り体験が体験できるところもあります。

この夏休みに研究室の学生6名で兵庫県美方郡新温泉町の東藤田邸にお邪魔させて頂き、近くの海岸沿いの海洋ゴミ調査を実施しました。東藤田邸は、日本構成文化財に指定されており、当日は東藤田邸のご夫婦に大変お世話になりました。今後も様々な形で連携して活動していきたいと考えております。

さて、海洋ゴミは、毎年およそ800万トンもの量が海に放出されていることが指摘されていますが、このような数値はあくまで推測によるものであり、正確な数値について人類は知る余地もありません。

しかしながら、統計的推測の知見を適切に利用することで、様々な推定が可能です。このようなことを実感してもらうために、今回は海水浴場の砂浜に打ち上げられたシーグラスを実際に何個くらい見つけられるかということを、実際に現地に行って調べてみました。

はじめに、シーグラスが落ちていそうな場所を数分調べます。その情報を用いて、何分以内に特定の範囲で何個くらいシーグラスが見つけられるか推定して、「推定した個数を実際に見つけよう」と目標を決めて調査しました。

具体的な方法はこちらでは紹介しませんが、推定した通りの個数を見つけ出すことができ、学生たちは統計的推測の手法に驚いていました。(画像では9個しかありませんが、残り1個は行方知らずです。もう少し粘り強く見つければ、推定した個数以上のものを探せたと思います。)

この統計的推測については、その場所の地形や直近の気象情報など様々な要因を検討することが必要ではあります。

「海洋ゴミでこのようなことを学んで何の意味があるのか?」と考える人もいるでしょう。今回は,シーグラスに着目しましたが、今回の調査場所だけでなく、どこの海にもマイクロプラスチックや魚釣りによるゴミが浮遊しているものです。

そのような小さな浮遊ゴミを小さな子供が飲み込むことは無いのでしょうか?

「変化盲」という言葉は一般生活ではなかなか耳にすることがないかと思いますが、これは心理学に関する用語であって、人間は「特に興味関心のないことについては、気づきが得られない」という意味があります。

こんなことを勉強して何になるのか?ということについて「変化盲」を意識してみることで何か新たな発見に繋がるかもしれません。

最後に、今回参加した学生はみんな口を揃えて同じ感想を言いました。
「調べたもの、思ってたものと違う」

皆さんも、松田研究室で新たな気づきを見つけませんか?
[参加学生]
小林 享太
片岡 洸貴
加藤 盛也
竹本 賢
瀧川 英寿
木村 良太