2016.6.15

【eビジネス論】山岸ロハン氏(「インフォキュービック・ジャパン」社長)をお迎えしました

【eビジネス論】山岸ロハン氏(「インフォキュービック・ジャパン」社長)をお迎えしました

 こんにちは。経営情報学部の伊田昌弘(国際ビジネス論、eビジネス論担当)です。

 2016年6月3日(金)、経営情報学部「eビジネス論」(受講生215名)の講義では、特別講師として、東京から「インフォキュービック・ジャパン」 代表取締役社長 山岸ロハン氏をお招きし、「訪日外国人向けインバウントと 越境ECについて 」というテーマで特別講義が開講されました。

 山岸氏は、米国で最初に起業し、その後日本法人「インフォキュービック・ジャパン」を設立した、いわば「ブーメラン企業」の創業者です。現在までに、国内外の企業300社を越える多言語によるWEBマーケティングの実績を持ち、日本のSEO/SEM企業 第1位と称される高い実績と信用力を誇っている会社の社長さんです。

 SEOとは・・・「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、GoogleやYahooなどの検索結果の上位に自らのWebサイトが表示されるように工夫すること。検索上位に表示させることで、ユーザーがそのサイトを訪問する機会が増えることになり。企業にとっては売上を増やすチャンスとなる。検索上位に入らなければ、そのサイトは存在しないことと同じとさえ言われている。

 SEMとは・・・「Search Engine Marketing(検索エンジンマーケティング)」の略で、サーチエンジンの検索から特定のサイトへ導くマーケティング手法のすべてをいう。IT時代のビジネスとして、検索上位に表示させる技術や、検索ワードと連動して表示されるリスティング広告への誘導などが進んでおり、各企業のサイトを支援するノウハウの蓄積が進んでいる。

講義内容

 内容は、最初に山岸氏の自己紹介から始まり、以下の4つ順番にわかりやすくお話ししていただきました。
 1.検索エンジンマーケティングとは?
 2.訪日外国人向けインバウンド
 3.越境ECについて
 4.質問タイム

 1については、世界のインターネット利用者が33億人以上いること、特にアジア地域で伸びが著しいことに触れられ、アジアでのビジネスチャンスについて述べられました。またインターネット利用者が最初に訪れるポータルサイト(Google、Yahoo、Baidu、Neverなど)についてそれぞれの特徴を述べられました。特に中国のBaiduが世界第2位であること、韓国第1位のNeverについて普段聞き慣れないことから受講生にとっては大いに刺激的だったと思います。そして、これら検索エンジンを利用したマーケティング手法にリスティング広告があること、世界のオンライン広告の50%が検索エンジンマーケティングであり、小額予算で世界に進出できること、 最短3日で世界配信が可能なこと、 最も効果の高いオンライン広告であること、 PC、モバイル両方で出稿可能であることなどが次々に述べられました。またSNSについて、facebook、Linked in、LINE、Whatsup、Wechatなど最新型の紹介がありました。
 2については、近年の訪日外国人の推移から2,000万人という急激な増加を概観した後、海外からの日本の「観光地」「和食」の検索結果を紹介し、英語検索によって「Akita」が観光と秋田犬とが混在している問題など興味深いことに触れられました。ここでのメインは、こうした訪日外国人が、インターネット検索で事前に情報を入手することから関連キーワードでのリスティング広告への誘導、口コミ情報での比較、訪日後のモバイル検索、日本でのSNS発信、おみやげ、帰国後のブログ配信など、あらゆる段階でビジネスチャンスが広がっているという、まさに実際のビジネスの現場感覚をわかりやすく解説したものでした。とりわけ、スマホ対応のウェブサイトが日本の宿泊施設の場合、ずば抜けて遅れており、急務であることが指摘されました。
 3については、「日本にいながらオンラインショップを立ち上げて世界中にモノを売ること」という越境ECの側面が語られ、 市場規模の各種拡大予測、サイトの選択基準、消費者が感じる不安点について丁寧に解説されました。さらに売れる商品の事例として日本のお弁当箱、キャラ弁のレシピ、けん玉が挙げられ、多くの受講生たちから注目されました。
 続いて、海外から日本へのインバウンド効果を上げるため、インフォキュービックの顧客事例の中から、ホテルの多言語WEB、リスティング広告、SEO、語学学校での海外への訴求効果の工夫、日本の化粧品を海外で買ってもらうための工夫、などを紹介していただきました。
 4については、質問タイムが設けられ、ハンドマイクを利用しながら、実際に3名ほどの学生から山岸氏と質疑応答がなされました。阪南大学の学生は適格な質問をしてくれ、とても充実した時間となりました。
 最後に、「これから社会人になる皆様へ−グローバル社会で成功するために」というメッセージが受講生に送られ、感動的な授業となりました。

インフォキュービック・ジャパンの紹介

設立:2007年 米国で2002年に創業した後、日本法人設立
本社:〒160-0023東京都新宿区西新宿7-7-29 西新宿ビル7F
日本では熊本市に展開。海外では米国の他、中国にも展開。

「100年続くグローバルインターネット企業を目指して」2002年に創業された。
これまでに、「JTB」「三越伊勢丹」「東急百貨店」「インターコンチネンタルホテル」などの有名企業の他、多数の中小企業による海外展開の支援を手掛けてきた。多言語サイト制作、海外検索エンジンマーケティング、海外SNSの活用などな場広く展開しており、最近では越境ECシステム、インバウンド集客支援などが注目される。

山岸ロハン氏の著書

また、山岸社長自身の著書は、自身の米国留学から起業に至る歴史にも触れ、IT時代をどうみるのか、世界で何が問題なのか、詳しく書かれている。グローバル時代に活躍することをめざす学生たちにとって、刺激を受け勉強させられ、大いに励みになると思われる。是非、一読を薦めたい好著である。

書籍名:海外SEO SEM 著者名:山岸ロハン ISBN:4798131989
販売価格:¥2,310(税込) 発売日:2013年3月15日 出版社:翔泳社

受講生の感想

2回生男子

今日の話を聞いて、近年の外国人旅行者の増加がビジネスにとって大きなチャンスだということがわかりました。最初に検索エンジンで行きたい所を調べ、その場所に行かなくても雰囲気を味わい、実際に行ってみようとなって旅行が実現します。そして旅行のことをFacebookに載せて、それを読んだ人がまた行きたくなるサイクルができる。SNSの効果は絶大なあと思いました。それと日本の商品が外国向けサイトが増えると旅行以上のビジネスになると思いました。

2回生女子

山岸ロハンさんのお話しを聞き、とても勉強になりました。今の時代は海外へのビジネスをしなければならないと思いました。検索エンジンマーケティングでは、世界はインターネットで繋がっていて、検索上位のところに世界中から人が来ます。海外に居ても興味がある広告をクリックします。私はそういうふうに考えたことがなかったので、世界と日本をもっと考えて行きたいと思いました。

3回生女子

越境ECはとても優れていると感じました。自国内向けだけだと海外からの消費者に目に留まることもないし、内容も理解できなくて、チャンスを逃してしまう。しかし、越境ECだと海外にリアル店舗を出さなくてもよいので、リスク・コストを軽減し、事実上の海外出店ができて、商圏が大幅に広くなる。初期投資を抑えつつ、海外への進出が可能になるので、まだまだ越境ECの規模は大きくなると感じました。これからのグローバル社会で勝つために自分の勝つ場所を探さなければいけないと思いました。

2回生女子

世界の人が日本をもっと知り、好きになってくれると、私は嬉しいです。そのためには、インターネットはとても重要なツールだと思いました。私が驚いたのは、海外の人向けにスマホのホテル案内を上手に紹介すれば、実際に海外からお客さんが来て、SNSやブログで発信してくれて、観光やお土産はもちろん、越境ECでもっと広く日本の商品が売れるということです。山岸さん、ありがとうございました。

3回生男子

今日の講義を受け、グローバル社会で成功するために必要なことを多く学ぶことができた。海外では当然のように使われているSNSサイトがあるのに、日本では遅れていることがわかった。海外の人の日本の検索ランキングを見て、私たちが驚くようなワードがあること、海外の人のニーズを日本人が完全に理解していないことが理解できた。

4回生男子

今回の講義では、海外から日本はどのようにみられているか、また日本の企業がグローバルマーケティングをどう展開している(いく)のか、その取り組みを細かく学習できました。今、ネット社会が進んでいる中で情報を上手く収集し、海外の人が求めていることを知り、それにマッチしたものを提供することが重要であると感じました。自分自身が就職活動の最中であることから、日本にとどまらず、海外にも視点を向けられる企業に就きたいと思いました。