2015.3.26

実学シリーズ2014 「第11回キャンパスベンチャーグランプリ全国大会」に出場

実学シリーズ2014 「第11回キャンパスベンチャーグランプリ全国大会」に出場

--- 2015年3月6日(金)に、学生による新事業提案コンテスト「第11回キャンパスベンチャーグランプリ全国大会」(主催 日刊工業新聞社)が、東京・霞山会館で開催された。この大会は、全国から選りすぐられた「学生による新事業の提案」が集結し、名だたる審査員がそれら企画を評価するもので、言わば、学生発信の新事業の甲子園のようなコンテスト。その全国大会に、関西代表として頂点を目指すべく参加したのが、「第16回キャンパスベンチャーグランプリ大阪」(共催 北おおさか信用金庫・日刊工業新聞社)で最優秀賞を獲得した、阪南大学大学院企業情報研究科1年生の梶遊大さんと経営情報学部3年生花川研究室の峯林寿嗣さんだ。

日本の次代を担うアイデアを引っ提げ、全国を勝ち抜いた15校が参加。

コンテストを通じて、日本の次代を担う若者の人材育成と新産業の創造を目的とし、起業家精神を養い、問題・課題解決型の人材を育成する教育事業プロジェクトとして位置づけている「キャンパスベンチャーグランプリ」。これまでも、この大会をキッカケに新規事業が実現し、現在もビジネスとして成功を収めている事例も数多く、起業を目指す学生にとっての登竜門ともなっている。
今回で16回を迎えたこの大会にも、新鮮な発想やユニークなアイデアを引っ提げて、阪南大学をはじめ全国を勝ち抜いた15校が参加した。

阪南大学の学びの観点に根差した、「快適な日常」を視点にしたプランで挑む。

関西大会を勝ち抜いた梶さんと峯林さんのプランは、「PASS-ERASER〜人は顔じゃない、パスワードは顔だ〜」。これは、スマートフォンアプリやWebサイトにおいて、昨今、急増しているパスワードの流出事件*に着目。アカウントが乗っ取られる被害を防ぐために、タイトル通り人の顔と手を利用した生体認証システムによるパスワード生成アプリ開発した。

このアプリの開発のスタート地点は、花川研究室はもちろん、阪南大学の学びの観点に強く根差している。それは「日常のNeedsに応える価値観」だ。大学の研究から派生したアイデアはついつい専門性に特化しやすいが、その方向に流れずにあくまでも普段我々が不便と感じていることや安心に繋がるモノを創造することにある…。花川教授曰く「日常生活を快適にする提案に意義があり、その観点からビジネスを構築していくことに価値がある」と言う。その基本的な考えは、第1回大阪大会に参加したときから変わらないものだ。
*この大会が終わった2週間後の3月19日(金)に、警察庁が他人のIDやパスワードを盗んでコンピューターに侵入する不正アクセス禁止法違反事件が2014年1年間で3,545件と、法律が施行された2000年以降、最多になったことを発表。

全国大会へ向けて、より分かりやすいプレゼンを意識して。

この「キャンパスベンチャーグランプリ全国大会」の参加者に与えられる時間は、審査員からの質疑応答を含めて10分。この短い時間で自分たちの発案を伝え理解してもらうためには、プラン内容はもちろんプレゼン技術も求められる。もしかしたら、学生にとってこのプレゼンは大きなハードルなのかもしれない。しかも、大阪大会で最優秀賞を受賞した時に審査員から「情報を詰め込みすぎて分かりにくいプレゼンだった」という指摘を受けていた。そこで、2人は、大阪大会から全国大会までの約1カ月半の間、どうしたら伝わるプレゼンができるのかを精査。そして、最終的にたどり着いた答えが「共感」というキーワードだった。

「大阪大会では、多くを伝えたいという気持ちが先走って、早口になり分かりづらいプレゼンになってしまって…。いろいろ悩んだ結果、共感していただくことが大事だと気が付きました。それからは、まず審査員の方はどんな年齢層なのか、どんな仕事に就いている人なのかなど、徹底的に調べ、その人たちの心に届くプレゼンをするための準備を進めました」と語ってくれたのはメインプレゼンターを担当する峯林さん。自己満足に終わらないよう、リハーサルを重ね花川教授のアドバイスを受けながら、シンプルかつ分かりやすくプレゼンを目指したのだ。

絶妙のコンビネーションで、無駄のない充実した10分を完走。

さて、全国大会当日、2人はどんなプレゼンを行ったのだろうか…。結論から言うと、全体のプランを峯林さん、技術的なことを梶さんとそれぞれの役割に徹したことから生まれた絶妙なコンビネーションで、スマートで分かりやすいプレゼンとなった。 まず、プランの概要などを峯林さんがプレゼン。彼が話すスピードと内容はプラン内容のポイントを抑え、PowerPointの情報はとても見やすく、このプランを初めて知る人でも十分にアプリの利点を理解できるレベルにまで整理されていた。また、審査員からの質疑では、全体のプランに関する質問には峯林さん、技術的な質問には梶さんがスムーズに応答するなど、大阪大会から全国大会までの短い時間の中で、修正すべき所は十分修正され、伝わるプレゼンとなった。例えどんなにプランが素晴らしくても伝わらなければ意味をなさない…2人はこの全国大会までの道程で伝えることの大切さを学び、もうひとつ上のステージへ上ったようだ。

全国の応募総数約700校から最終選考15校まで残ったことを誇りに。

12時過ぎからスタートしたプレゼンがすべての終了したのは、15時半。さらに、パネルディスカッションを挟み、17時過ぎにさまざまな賞が発表された。梶さんと峯林さんのプラン「PASS-ERASER〜人は顔じゃない、パスワードは顔だ〜」は惜しくも受賞を逃してしまったが、この全国大会への参加は彼らにとって大きな財産となったようだ。

「大阪大会で有名大学と競い合った中で最優秀賞を受賞したことは、僕にとって大きな自信になりました」と語ってくれたのは、このプランの発案者である梶さんだ。さらに「全国大会でいろんな大学のプレゼンを見ることができたのは財産になったと感じています。大学内にいるとなかなか他の発表と出会うことがないですから。プランはもちろんですが、各学校のプレゼンの仕方も多様でとても勉強になりました」と振り返ってくれた。

また、峯林さんは大きな達成感を感じているようだった。「僕は、梶さんに誘われてこのプロジェクトに参加したので、準備期間から今日まで心のどこかに『梶さんの期待に応えられているかな?』という気持ちを持っていました。結果は残念でしたが、すべてが終わった今、自分なりにベストを尽くしたぞ!という晴れ晴れした気持ちでいます」。

そして、叱咤激励をしながら2人のプランを見守りアドバイスを送ってきた花川教授は、全国大会が終わった今、感慨深げに総評を話してくれた。「まずは、全国で約700もの応募から15校に残ったことを誇りに思ってほしい。また、彼らは私が出すダメだしにもしっかり食らいついてプランを発展させたことは、素晴らしいことだと思います。私のゼミはプログラミングですが、プログラミングは社会を良くするための手段であって目的ではありません。そういう意味では、身近な機器がアイデア1つで便利になるということを追求した彼らの提案は、手前味噌に聞こえるかもしれませんが、とても評価できると思います」

次のステップへ向けて、確かで大きな一歩を踏み出す。

大学院1年生の梶さんも経営情報学部3年生の峯林さんも、この春から就職戦線に挑むことになる。そんな2人にとって、大阪大会から全国大会に至る約半年間は、次のステップ、就職活動、さらには社会人として仕事に携わる上で、大きなアドバンテージとなることだろう。
また、第1回大会から参加し第16回大会で初めて全国大会まで進んだことは、今後、花川研究室の後輩たちにとっても「次は自分たちで全国の頂点に立つ」という明確な指針になったはずだ。来年以降、日常生活を快適にするという観点と学生ならではの瑞々しいアイデアで、誰もが感動するプランに期待したい。