活動のテーマ:プロジェクションマッピング企画・開発・運営による学生の情報技術と社会人基礎力の育成
連携先:株式会社クオリティソフト、和歌山マリーナシティ株式会社


 プロジェクションマッピングを、5回のオープンキャンパス、和歌山マリーナシティホテル、阪南大学大学祭等で実施しました。

 まず、初心者ばかりのチームでしたので、合同ゼミの田上ゼミより講師を招き、映像作成についてのご助言をいただきました。次に、5回のオープンキャンパスでは、著作権フリーの音楽や素材を使い、プロジェクションマッピングデモを実施することで、機材の扱い方や本番の映像投影方法等を実践的に学ぶことができると同時に、高校生に対してマッピング体験を実施しました。これによって、プロジェクションマッピングにおける映像の建物へのマッピングとはどういうことなのかを理解してもらうことができました。

 次に、本格的なプロジェクションマッピングでは歌山マリーナシティホテルでは9月22日(土)に本番を実施しました。ゼミとしては最初のプロジェクションマッピングの実施であり、その準備には4月より開始しました。同時に11月の阪南大学大学祭でも本格的なプロジェクションマッピングを実施しました。これらは、本格的な10分程度の映像と音楽を作成し、全体を構成しながらの顧客のテーマや要望に沿った内容としました。これらの顧客との交渉するための打ち合わせや資料作成は社会人としての基本的な能力を培うことができました。マリーナシティでは、海や宇宙をテーマに壮大にイメージでの映像であり、大学祭ではテーマの「結び」をメインに街の夜景や都会をイメージして映像を作りました。特にラストでは「感謝のメッセージ」を大きな映像に投影することで、大学祭実行委員会の要望をうまくとらえることができました。

 以降、大和郡山市の大和郡山城のプロジェクションマッピングに向けての準備等を2018年度には実施しました。

活動写真

学生活動状況報告

 初心者ばかりが4月に集合して、少しずつ基礎から学びました。まず、プロジェクターの使い方、その周りの機器との接続方法、投影の仕方等、映像作成よりももっと手前の準備段階の作業からの勉強でした。その後、映像作成においても、全体のストーリ設定、映像素材の収集や撮影、オリジナル画像の生成や映像の作成、さらに作成された映像の効果の追加等、技術的な知識と技能を多く学びました。同時に顧客との打ち合わせを通じて、顧客の要望の的確な把握や交渉方法、さらに技術的問題に直面した際の顧客との調整方法を学び、社会人としての基本的な姿勢を身に着けることができました。一番、苦労したところはプロジェクションマッピングチームは2、3、4回生すべてを含めると10人以上のチームであり、その進捗や品質管理、さらに様々な技術的な問題に関する解決を一人ずつ管理しなくてはならないところでした。これらをしっかりと実施することで、プロジェクトで大きなシステムを開発することの重要性や難しさを実体験し、それを少しずつ解決する能力も身に着けることができました。
なによりもプロジェクションマッピングを実施して、顧客や観客の皆さんに喜んでいただいたという体験をしたことが一番の成長であったと思います。

経営情報学部 米田 政道

連携団体担当者からのコメント

和歌山マリーナシティホテル
宿泊課 福間 豪志氏

 ホテルの中庭にてプロジェクションマッピングを実施していただきました.ちょうど,レストランから参照できる位置であり,ディナーを楽しんでいるお客様たちにも観覧していただきました.中庭ですので,ホテルの各部屋のベランダからも観覧でき,ベランダにも多くの宿泊客がご覧になっていただきました.このようなイベントを組み込むことはホテルとしてもよい体験であったと思います.

教員のコメント

経営情報学部 花川典子教授

 初心者ばかりが集まって始めたプロジェクションマッピング事業ですが、当初は機材の扱い方から始まり、不足する機器やソフト、PCの性能不足等非常に困難な問題ばかりに直面しました。映像を作るという段階よりはるか手前で足踏みばかりを繰り返していました。さらに、10人以上の複数学年によるチーム開発でしたので、チーム運営にも問題が多く、分担作業の徹底や遵守すべき規則の設定、さらにそれの管理等、多くの映像作成以外の作業が発生しました。もちろん、映像を開発するという技術的なことにチャレンジする活動でしたが、本番を成功させるために多くのコンピュータや機器関係の知識、さらにソフトに対する知識のみならず、マネージメント力も必要とされた難しい活動でした。その分、本番が終了した時は観客や顧客からの大きな拍手をもらって、通常のコンピュータシステム開発よりもわかりやすい達成感を感じることができたことは学生にとって重要な体験であったと思います。社会人一歩手前の4回生たちがとても頼もしく、教員の片腕以上になってきたことは教員としてもとてもうれしいことでした。卒業後のますますの活躍も願っております。