活動テーマ:日本の伝統文化・伝統技術の理解と発信に関する実践研究
産学連携先:株式会社マルヒサ


 私たちはキャリアゼミとして、日本の伝統文化や知られざる伝統スポーツが持つ魅力について理解し、それを発信する活動を行いました。特に、古来から受け継がれてきた日本の民族衣装でもある「着物」に力を入れました。
 着物は1000年以上続く、世界で一番長く続いている民族衣装です。日本の染織技術で織り上げられ、世界中の方々から尊敬される着物ですが、日常で着る機会はほとんどなくなりました。金額は高額化して、簡単には手の出せない高級品というイメージが浸透しました。そうしたことから、次第に着物に対する知識が乏しくなり、今では着るのも手入れも面倒といった印象を持っている人が多いと思います。
 そこで私たちは、「Enjoy!! KIMONO」を理念に掲げ、国内・海外を問わず、毎日着物を着て生活していらっしゃる株式会社マルヒサの村井社長やスタッフの皆様にご協力していただきながら、「KIMONO」の楽しさを発信するための企画を立案し、ヒアリング調査、京都小ネタ探しのフィールドワーク、発表会などを行いました。
 また、着物の他にも、食文化の変化と主食の多様化で消費量が激減した「お米」の研究や、意外と知られていない日本発祥の伝統スポーツである男子新体操の研究にも取り組みました。

学生活動状況報告

 私たちは、着物やお米の魅力を広めるために、「Enjoy!!YUKATA」、「ミニチュア帯結び制作」、「着物の歴史を学んでフォトフレームを制作」、「さあ、学ぶで!お米」、「ほな行くで!お米」など、様々なイベント企画を立案して、フィールドワークや発表会、ヒアリング調査などを行いました。着物のイベントに関するヒアリングでは、「浴衣を着ながら気に入ったものを購入できるようにしてはどうか?」、「作品は持ち帰れるものが良い」、「親子の会話のネタになるので親子でイベントに参加したい」などのご意見をいただきました。また、お米のイベントに関するヒアリングでは、「クッキング教室とかをしてみてもおもしろいと思う」、「収穫・加工・調理・食事の一連の流れを子どもに体験させたい」、「食育として需要はあると思う」、「虫が苦手な人は多いので参加者が集まるのか不安」などのご意見をいただきました。たくさんの方からいろんなご意見やご質問をいただくことができたので、それらを生かして、今後も魅力を発信するのための活動を続けていきたいと思います。
経営情報学部 池田 梨紗子

参加者一覧

池田 篤弥、池田 裕登、小村 彩貴、津田 昌毅、道籏 竜也、岸 和磨、白石 侑大、中根 智哉、池田 梨紗子、勝本 秀哉、角野 裕一、木戸 大翔、熊谷 渚、高原 翔、中野 豪士、長尾 勇希、橋本 征歩、松尾 太貴、浅野 龍太郎、猪俣 一馬、岩上 政樹、尾崎 創、西谷 満里菜、堀内 悠登、松瀬 睦実、本川 直、吉田 祐之介

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

株式会社マルヒサ
きもの京小町 斉藤 亜耶 様

 学生さんたちが一生懸命に企画を考えられて、実現に向けて頑張っている姿を目の当たりにさせて頂き、刺激がありました。イベント企画案は最終的に2案できましたが、どちらの案でも、まずは自分たちの「やりたい」を優先するべきです。その上で、出てきた課題に対してどのようにクリアするかが重要だと思います。そして、1番は「実際に着てもらうこと」ですね。これからも「KIMONO」で新しい世界を作ることを応援します。『Enjoy!!KIMONO』、全ての瞬間を着物で笑顔に!

教員のコメント

経営情報学部
福重八恵 教授

 着物やお米のように、日本で広く知られている伝統文化だけにとどまらず、男子新体操のように、あまり知られてはいないけれど、長い伝統があり、素晴らしい魅力をもったスポーツの世界まで、多様な領域を精力的に調査したと思います。
 こうして皆さんが活動できたのも、多方面の皆様によるご支援があったからです。学んだ知識や修得したスキルだけでなく、人とのつながりこそが宝物です。今年度は予測できない出来事が起こったため、「発信」の部分では、せっかく準備した取り組みができなくなり、悔しい思いをしたことと思います。しかし、次年度以降、再度挑戦し、さらに発展した取り組みを行うことで、お世話になった方々に恩返ししていきましょう。
 株式会社マルヒサの皆様、株式会社八代目儀兵衛様の皆様、青森大学新体操部の皆様、花園大学新体操部の皆様、尼崎西高等学校新体操部の皆様、清風高等学校新体操部の皆様、他、多くの関係者の皆様、学生たちの活動に惜しみないご支援と親身なご指導を賜り、ありがとうございました。この場をお借りして心からお礼申し上げます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。