2016.4.7

連載講座「インターネットと経営」嘘とまこと,そしてその中間

注目される会計不正

インターネットを活用することで,われわれは会社経営をめぐるいろんなニュースにアクセスすることができます。わたしが専門とする会計学では,「不正」が大きな話題となっていますが,Googleで「会計不正」をキーワードに検索すると,何と約774万件の記事がヒットします。キーワードが「会計情報」だとおよそ99万件ですので,不正の問題がいかに注目を集めているかがわかります。

どこからが不正=大きな嘘なのか

とはいえ,何が嘘で何がまことかは,正直判断が問われるところです。たとえば,天気予報があしたの天気を間違えたとしても,それを嘘だと咎める人は少ないでしょう。あるいは,身長が169センチの男性が,女性に「身長170センチくらい」と言うのは,正確でないだけで嘘とまでは言えないでしょう。しかし,潔癖な人からすれば,わずかな天気の変化も1センチの身長差も,大嘘と受けとめられるかもしれません。

ノイズとバイアスの違い

天気予報のように偶然の要素に左右される情報には,100%の正確性を求めることができません。情報を不確実にする偶然の要素は,ノイズとよばれます。それに対して,身長のように伝え方によってニュアンスが変わるとき,情報にバイアスがあると言います。たとえば,Yes/Noアンケートで授業が「詰まらなかった?」と尋ねるより,「楽しかった?」ときいたほうがよい結果になるのも,バイアスのなせる業なのです。

バイアスすなわち悪ではない

実は,利益のように一見操作不可能な情報にも,一定の範囲でバイアスを加えることが認められています。もちろん,売れもしない商品を売れたことにするような不実な操作は,厳重に禁じられています。そうではなく,将来の損失を今年前倒し計上することで,来年以降の利益を嵩上げするといった調整は,ある程度許容されています。そのほうが,会社の実力を効果的に知らせることができると考えられたからです。

正直は最善の策

そのようななか,有名な投資家ウォーレン・バフェット氏は,経営する会社の利益が前年比5倍になった年に,それは自身の能力でなく幸運によるとコメントして周囲を驚かせました。成功につけ失敗につけ,その原因と結果を誠実に物語ることは,最終的にその人に対するリスペクトを高めます。身長を1センチ水増しするのではなく,余人のおよばない長所を宣伝したほうが,あなたの魅力がよりよく伝わると思いませんか?


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