杉田ゼミ(経営学部)では、ファッション・アパレル業界を中心に、企業や地域がどのようにブランド価値を築き、発信しているのかを研究しています。
2025年12月2日、杉田ゼミ2回生の一行は、国産デニムジーンズの「聖地」として知られる岡山県児島に立地する株式会社ベティスミスと株式会社ジャパンブルーを訪問しました。

ベティスミスの縫製工場。ここで実際にデニムジーンズがつくられています。

今回のフィールドリサーチの目的は、なぜ児島という一地方都市が国産デニムジーンズの「聖地」と呼ばれるようになったのか、その秘密を探ることです。
一行は、まず株式会社ベティスミスを訪問しました。

  
ジーンズ作り体験の説明を受ける杉田ゼミ生

ベティスミスでは、製品を購入するだけでなく、自分だけのオンリーワンのデニムジーンズを自らの手で作り上げる「ジーンズ作り体験」に参加しました。
  
ジーンズ作り体験では、さまざまな色やデザインのボタンやリベットなどを自由に選ぶことができます。

単に製品を作って販売するだけでなく、自分の好みに合わせてカスタマイズし、世界に一着だけのデニムジーンズを手に入れることができる——
そのような体験ができること自体が、「デニムジーンズの聖地」ならではの魅力であると感じました。
  


リベットを取り付ける作業も自分で行うことができます。

自分だけのデニムジーンズが完成しました!




一行は、次に株式会社ジャパンブルーを訪問しました。
 広報担当の室山さんから説明を受けるゼミ生

ジャパンブルーでは、生地を製造している工場と高級ジーンズを縫製している工場を見学させていただきました。
  
織布工場の様子。敢えて50年以上前の古い機械を使うことで、独特の風合いを生み出しています。

工場見学の後、事前に用意していた質問をジャパンブルー広報の室山さんに答えていただきました。

質疑応答の様子

学生活動報告

今回の質疑応答では、これからも良質なデニムを作り続けていくために、若い職人をどのように増やし、育成しているのかについて質問しました。すると、常に人材募集は行っているものの、桃太郎ジーンズの製造には非常に特殊で高度な技術が多く、若い人材を育てることは簡単ではないというお話を伺いました。技術を一つひとつ丁寧に教えるには長い時間が必要であり、若手職人の育成が大きな課題になっているそうです。特に藍染めや工場の現場では、若い職人が少ないとのことでした。一方で、縫製の仕事には比較的若い人も働いており、その多くが将来自分のブランドを立ち上げるという目標を持っていると聞き、とても印象に残りました。また、桃太郎ジーンズで今後挑戦してみたいことについて伺うと、テクノロジーの活用や新しい素材の開発に取り組んでみたいというお話がありました。例えば、魚網などを糸として再利用し、それを用いてデニムを作ることで、これまでにない新しいデニムを生み出す可能性があるとのことでした。
実際に工場や縫製の現場を見学して感じたのは、職人の方々が機械を長時間動かしながら作業を続けていることや、縫製の工程では細かな手作業や高度な技術が必要とされていることでした。
その様子を目の当たりにして、製品が完成するまでには多くの手間と時間がかかっているのだと強く感じました。
経営学部2年 濱 遥斗

連携先コメント

株式会社ジャパンブルー 広報担当
室山 麻実 様

今回の訪問を通じて、学生の皆さんが熱心に見学や質疑に取り組む姿が大変印象的でした。
特に、ものづくりの現場や職人の技術に強い関心を持ち、将来の課題である人材育成や新素材の可能性についても積極的に考えている点に感心しました。
今回の学びを今後の研究や将来に活かしていただけることを期待しています。

教員コメント

経営学部 経営学科
杉田 宗聴 教授

今回のフィールドリサーチは、「デニムジーンズの聖地」と呼ばれる児島の魅力を、実際の体験と企業訪問を通して多面的に理解する非常に有意義な機会となりました。
ベティスミスにおけるカスタマイズ体験は、単なる製品販売にとどまらず、「体験そのもの」を価値として提供するブランディングの重要性を示しており、学生たちにとって大きな学びとなったはずです。また、ジャパンブルーでの工場見学や質疑応答を通じて、伝統的な技術の継承や人材育成の難しさ、さらにSDGsの追求と新素材やテクノロジーへの挑戦といった、ものづくり企業が直面する課題と可能性を具体的に理解することができました。
今回の経験を通じて得た「現場から学ぶ視点」を今後の研究に活かしていくことを期待しています。