学生活動状況報告

流通学部3年 佐藤 穂乃果

和田メリヤスさんを訪問する前にゼミの時間で事前学習を行いましたが、その時は丈夫に織ることができても、効率が悪い吊り編み機を使い続けるメリットがどれ程あるのかが理解しきれていませんでした。でも今回訪問したときに、吊り編み機を使えば他の工場が編むことを諦めたような難しい糸でも編めなかったことは無いと聞き、これこそが吊り編み機の最大の魅力ではないかと感じました。

丸和ニットさんはコンピュータの導入で、他のニット工場よりも生産できるニット自体の幅をとても広げていると感じました。他にも、TGCのグッズなど若者がニットに興味が惹くような取り組みも行っており、和歌山のニット全体を盛り上げようとしているのを感じました。

丸和ニットさんの自社ブランドは、バランサーキュラーの縦にも横にもバランス良く伸びる特徴を全面に活かしていましたが、生地の委託製造(=OEM事業)と比較した販売比率はOEMの方が自社ブランド製造販売よりも高いことがわかりました。しかし、あくまで小売よりも製造に力を入れるべきであり、自社ブランドを極端に拡大しようとは思わないが消費者の声を直接聞ける場所は必要であるとお聞きしました。その事から、消費者側は製品は良いが自社ブランドに辿り着くまでに手間がかかる分、リピート欲は強くなるのではないかと感じた反面、どの工場でも自社ブランドを有名にするのは壁の高いことなのだと感じました。

ゼミ集合写真

参加学生名簿

井上 圭汰、 幸藤 楓、 酒井 柚季、 佐々木 美羽、 佐藤 穂乃果、 清水 星矢、 高木 優衣、 竹下 然、 中村 琴音、 長尾 澪、 西 風奈、 屋納 翔

連携先コメント

丸和ニット株式会社
辻 雄策 様

今回は弊社にお越しいただき、ありがとうございました。 私が方々、好き勝手に工場案内と設備や生地の説明をしてしまったために、学生さんも情報を整理するのが大変だったのでは?と感じましたが、弊社の工場をご覧戴いたことで学生さんに「日本でのものづくり」の大切さが少しでも伝わりましたら幸いです。 今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

教員コメント

流通学部
杉田 宗聴 教授

和歌山はニット生地・製品の産地として実は国際的にも有名なのですが、まだ和歌山発のファクトリーブランドは有名とはいいきれません。

そのような中で、今回訪問させていただいた2社は、世界的に見ても他社にはなかなか見られない設備や技術を有しているだけでなく、それを起点に自社ブランドを展開しようと積極的に活動している企業です。

今回のキャリアゼミでは、すでに「ブランド」として一般に与える印象・イメージと知名度確立した企業ではなく、これからブランドを確立しようという企業にスポットを当てさせていただきました。

今回訪問させていただいた2社のように、これから自社ブランドを育てたいと考えている企業は国内外に数多くありますが、それを成功させるための一般的・普遍的な方法論というものは見当たりません。しかし、それを実現させようとする様々な具体的な取り組み事例を学ぶことは、既に名声を確立したブランドの歴史を学ぶ際に大きな興味・関心を与えることになるはずです。また、本学卒業後に就職する企業で自社ブランドをつくる・育てるという任務を与えられたときに、今回のキャリアゼミ活動は大きなヒントを与えてくれるはずです。