経営情報学部今井ゼミが、NPO団体のベーサーファウンデーションの認知向上を目的としたデジタル広告によるマーケティング活動に取り組みました。これはNPO団体の支援と学生のデジタルマーケティング力の育成を目的としてGoogleが提供しているNonprofit Marketing Immersionというプログラムにて、NPO団体がGoogleから提供されている1か月あたり最大1万ドル分の広告掲載枠の運用を学生が担当するもので、今回今井ゼミでは検索連動型広告の分析と改善に約4か月にわたって取り組みました。
 今回我々が取り組ませていただいたベーサーファウンデーションは、CMS(コンテンツ管理システム)というWebサイトのコンテンツを簡単に変更・管理するときに用いるシステムを中小企業が活用することで、外部のweb開発者やデザイナーに依存せずにWebサイトの運用を行うことによるコスト削減とビジネスの成長に貢献することを目的とした団体です。
 ベーサーファウンデーションにはCMSのダウンロード数を上げること、認知度につなげるためコミュニティをいかに構築するかという課題がありました。今回、私たちはベーサーファウンデーションのご担当者と相談の上、課題の中の前者についてGoogle広告を通じたCMSの認知とダウンロード数向上にフォーカスし、広告のパフォーマンス改善に努めました。
 具体的には、目標達成のため我々は二つの側面からアプローチしました。まず、キーワードを新たに追加しデータを見てその中でもあまり検索されていない物を削除していく方法で広告の効率を重視した編集をしました。また我々が分析をする中で、検索はされているものの、ベーサーファウンデーションの広告表示回数が伸びていないキーワードがあることが明らかになりました。そこでその理由を効率性を重視した結果広告表示の入札単価が低すぎるために広告表示回数が抑制されているという仮説を立て、入札単価を引き上げるという変更を加えました。これにより広告のクリック数を向上させることに成功しました。
 今回担当させていただいたベーサーファウンデーションのCMSは主に企業向けのソリューションであることから、消費者向けの製品と異なり必ずしも普段から使っているような製品ではないため、難しい面もありましたが、約4か月の期間を経て、無事にダウンロード数向上や広告のクリック数向上に成功し、通常平均の月間の伸び率がメルマガの月間登録者数約4倍、CMSの月間ダウンロードで約2倍を達成したことで、大きく貢献することが出来ました。
 ベーサーファウンデーション広報担当宮地 陽子様のコメント
 「これまで年次での総会開催などで認知やコミュニティの拡大を図ってきたのですが、参加される方は既存のメンバーの方が多く、新しいユーザーの獲得に苦戦していました。今回今井ゼミの学生さんにGoogle広告の運用を担当していただいたことから、新しい気付きを得ることができました。ツールを使った分析結果から、 CMSに対する認識は我々と外部の方々の間で必ずしも同じでないことを知ることができました。またこれまでは、CMSのダウンロードに対する最適化を進めていたのですが、その前段階にある認知拡大を目的にする場合、ダウンロードとは異なる入札戦略が有効な場合もあることが分かりました。今回、広告運用の改善を図っていただいたことで、CMSの新規ダウンロード獲得に加え、メルマガの読者登録数が毎月の増加量の4倍を達成し、結果的にコミュニティの拡大にもつながったので、今回のご提案内容を今後の運用に活かしていきたいと考えています。」