さまざまな観光資源を調査し、その魅力を探りました

 森重ゼミでは毎年、フィールドワークの調査対象地をゼミ生の話し合いによって決めています。ゼミ生それぞれが地域の課題を見つけ、観光によってどのように解決できるかを提案し、その中から1つの調査対象地を決めていきます。今年度は佐賀県の魅力を発掘するというテーマに決まり、その中から唐津市にフォーカスして調査を行うことにしました。
 3年前期の授業で唐津市の現状や観光資源を調べたほか、SNS映えする動画の特徴などを整理し、現地調査に臨みました。そして、9月17日から3日間、現地調査を実施しました。当日はグループに分かれて、旧唐津銀行本店や唐津神社、唐津城といった唐津駅周辺の観光資源のほか、からつバーガー、呼子のイカなどのグルメ、虹の松原や見帰りの滝、七ツ釜などの自然資源を調査しました。今回は1~2日目に行った調査を中心に、当日の現地調査の様子をゼミ生が報告します。(森重昌之)

当日の現地調査の様子

  • からつバーガー

  • からつバーガーでの調査の様子

  • 見帰りの滝での調査の様子

  • 呼子朝市通りでの調査の様子

  • 和田津美神社での調査の様子

  • いろは島展望台から見た雲海の様子

参加したゼミ生の報告

最下位からの挑戦-唐津市の魅力をSNSで発信する取り組み
 国際観光学部3年 生駒晃成

 9月17~19日に行った佐賀県唐津市のフィールドワークの目的は、2024年の魅力度ランキングにおいて、佐賀県が最下位であったため、全国からの観光客の増加を狙って、佐賀県の魅力を見つけに行くことでした。ただ、佐賀県では範囲が広すぎるため、唐津市に対象を絞ることにしました。
 今回の現地調査のために準備してきたこととして、SNSを使って見つけた観光地やゼミ生みんなで協力して見つけた観光地を3日間の調査期間に予定に割り振りました。他にも、TikTokやInstagramなどを使って、魅力を発信するためのさまざまな動画の撮影方法についてみんなで調べ、それぞれの観光地でどのように動画を撮るかについて話し合ってきました。
 当日のフィールドワークの行程は、9月17日昼に旧唐津銀行本店に行き、その後虹ノ松原でからつバーガーを食べ、夜にライトアップされた見帰りの滝に行くという行程でした。その中で特に印象に残ったことは、虹ノ松原と見返りの滝です。虹ノ松原は日本三大松原の1つであり、全長約4.5km、幅500mほどの細長い松林です。その中を自動車で通った時には、左右にいっぱいの松が植えられていて、当日は曇りでしたが幻想的でした。その松林の途中に、唐津市で有名なからつバーガーが売られていました。キッチンカーで売られていて、私たちも購入しましたが、とてもおいしかったです。私たちが行った時には複数のお客さんがいて、賑わっていました。
 その日の夜に見帰りの滝に行きました。道中がとても暗く、本当に滝があるのかなと思うような道程でした。途中から山道を歩いて行き、滝を見つけました。観光客は1人もいませんでしたが、ライトアップされた見帰りの滝はとてもきれいでした。幻想的な雰囲気で、マイナスイオンを感じることもできました。
 今後ゼミ活動として取り組んでいくことは、佐賀県の魅力度をあげるために動画を作成し、SNSなどで発信していくことです。ただ、SNSだけで発信しても、実際に佐賀県に行くかどうかを決めるのは観光客ですので、若者に関心を持ってもらえる「映え」を意識した写真や動画をもとに、唐津市の魅力を地道に広めていくことが大事だと考えます。そのためにも、後期の授業では私たちが現地調査で集めた写真や動画をまとめ、若者をターゲットにしながら、SNS映えを意識した動画を作成することが課題です。このたびは唐津市でのフィールドワークに際し、唐津市の魅力や歴史を学ぶ貴重な機会となり、調査にご協力いただいた方々に心より感謝申し上げます。

実際に行ってみないとわからない唐津市の魅力
 国際観光学部3年 吉田光佑

 9月17~19日までの3日間、佐賀県唐津市へ行ってきました。唐津市のある佐賀県は現状“何もない”というイメージを持たれがちで、2024年の都道府県魅力度ランキングでは佐賀県は47都道府県中最下位でした。私も唐津市の調査を行うまでは、佐賀県に何があるかと聞かれてもすぐには答えられなかったです。そこで、今回の現地調査では佐賀県に足を運び、魅力を発掘した後にSNSを活用し、動画制作を行い、唐津市の魅力を少しでも向上させる狙いで行いました。現地調査に行くまでの時間で唐津市の観光資源を調べ、どうしたら映える写真や動画を撮れるのか、SNSで動画を観てもらうにはどのような撮影方法が適しているのかについて話し合いを行った上で、唐津市へ向かいました。
 呼子朝市は日本三大朝市と言われており、呼子の名物はイカで、その中でもケンサキイカが有名です。呼子の朝市では名物のイカを使った食べ歩きが多数あり、イカフライ・魚と野菜を混ぜ合わせてコロッケのような味わいが楽しめる魚ロッケ(ぎょろっけ)、イカの海鮮焼き、イカしゅうまいなど、さまざまな食べ歩きができる場所でした。私もイカフライとイカの海鮮焼きを現地で食べたのですが、歯ごたえが良くてとてもおいしかったです。呼子の朝市では、特にイカしゅうまいが多く販売している印象がありました。イカしゅうまいは唐津市呼子地区の郷土料理でもあり、呼子地区以外にもJR唐津駅のお土産屋さんでも販売されていました。
 その後、和田津美神社に行きました。和田津美神社では、鳥居の前に海があるので、天候が良ければ絶景写真を撮ることができます。私たちが行った日は天候が悪かったので、映え写真を撮ることはできませんでしたが、天候が良く青空が出ているような日なら、綺麗でインスタ映えするような写真が撮れるような場所だと思いました。和田津美神社の周辺には棚田もありました。夕日の見える時間帯に行くと、夕日と棚田のセットで映え写真が撮れそうだと思いました。
 唐津の街を調査して、唐津市は観光資源が豊富で、佐賀県は“何もない”イメージがありますが、唐津市は“何もない”わけではないということに気づきました。呼子朝市や和田津美神社以外にもインスタ映えしそうな場所もたくさんあるほか、呼子のイカなど美味しい特産品もあり、とても魅力のある街だと思いました。九州の玄関口でもある福岡空港、博多駅から乗換なしで唐津駅まで行ける時間帯もあり、交通アクセスも悪くはないので、今後唐津市、そして佐賀県の観光客が増加し、魅力度が上がることを期待します。この唐津市での現地調査で得たものを動画にまとめて、佐賀県や唐津市の魅力を周囲に発信・共有したいです。

隠れた唐津の魅力
 国際観光学部3年 古元拓

 本レポートでは、あまり知られていない唐津市の魅力について述べていきます。はじめに、あまり知名度のない佐賀県で観光客が集まるような観光地を探し、その観光地をPRする動画を作成し、佐賀県唐津市の魅力を多くの人に認知してもらおうというのが、今回の調査目的です。そして、現地調査のためにゼミでは毎週、唐津市にはどのような観光地があるのか、PR動画の取り方の工夫、天候を考慮した日程など、どうすれば多くの人に見てもらえるようなPR動画を作ることができるか、唐津市の魅力について伝えることができるかを試行錯誤しました。現地調査の2日目は、午前8時に開かれる朝市に向けて7時頃に宿を出発し、8時から朝市を周り、その後11時頃にいろは島展望台に到着するという行程でした。その中で、多くの動画、写真を撮影しました。
 特に印象に残っているのは、朝市といろは島展望台です。まず朝市では、海が近くにあるからこそ獲ることができる新鮮な食材を、すぐに調理した状態で食べることができました。食べたものの中で特に印象に残っているのは、「いか」です。いかは唐津市の特徴でもあり、呼子で水揚げされることから「呼子のいか」と呼ばれています。実際食べた印象としては、柔らかい触感と甘みが印象に残っています。当日は天候が悪かったこともあり、多くの店が出ていたわけではありませんが、その中でもいかを中心に扱う店が多かったのが印象に残っています。
 次に、いろは島展望台についてです。いろは島とは、佐賀県唐津市肥前町と長崎県松浦市福島の間の海域に浮かぶ多数の無人島の総称です。島の数は48にもなり、名前の由来は島の形や配置がいろは歌の順に似ていることからといわれています。実際に展望台から見た景色は海が美しく、島々が連なる景色が壮大で非常に印象的でした。唐津市には他にも数々の観光地があり、自然に恵まれ、食事もおいしい魅力的な場所です。
 今後取り組むこととしては、唐津市の魅力、特徴をより多くの人に伝えるために、現地調査で撮影した写真、動画を用いて、PR動画を作成し、実際現地に調査に行き知ることのできた情報を活かして、動画の内容や表現も工夫していく予定です。今回の現地調査を通して、唐津市の自然や文化、観光資源の魅力を実感することができました。実際現地に足を運ぶことでインターネット上では知ることのできない情報、その場所の価値についても知ることができました。今後はゼミでの話し合いを通じて意見を深め、地域の魅力を広く伝える方法や自分自身の学びをさらに発展させ、ゼミでの活動を今まで以上に価値あるものにしていきたいと考えています。