オーストラリア・ケアンズで魅力を発信する動画制作に向けた素材を収集しました

 今年度の「プロジェクト型国際実習/観光実習4(海外)」の授業は、ツアーの魅力を発信するための動画制作に取り組むことを目的に、オーストラリア・ケアンズで実習を行いました。受講生は4年生5名、3年生1名、2年生2名の計8名ですが、全員が初めてオーストラリアを訪問するということでしたので、まず8月30日からオーストラリア最大の都市・シドニーを訪ねました。世界文化遺産に登録されているオペラハウスやハーバーブリッジ、ハイドパーク、QVB(Queens Victoria Building)などを巡った後、9月1日にケアンズに入りました(シドニーでの現地調査の様子は省略させていただきます)。
 ケアンズはオーストラリア北東部に位置し、冬でも温暖な気候であることから、多くの日本人観光客が訪れています。しかし、より多くの日本人若年観光客に魅力を伝えるため、ケアンズで日本人向けツアーを展開している「ジェイさんツアー」の協力を得て、動画制作に必要な素材を収集しました。調査期間中はさまざまなツアーに参加し、多くの体験をさせていただいたのですが、今回はシュノーケリングやグラスボートを体験するフィッツロイ島ツアーと、さまざまな動物や自然に親しむ動物探検ツアーの様子について、現地調査に参加した受講生が報告します。(森重昌之)
  • フィッツロイ島にて

  • フィッツロイ島

  • ワラビーへの餌付け体験の様子

  • カーテンフィグツリーの見学の様子

  • 野生のカモノハシを撮影する受講生

  • みんなで見つけたカモノハシ

参加した学生の報告

フィッツロイ島ならではの海
 国際観光学科2年 南田芽依

 今回、海外実習の現地調査でオーストラリア・クイーンズランド州ケアンズの沖合約30㎞にあるフィッツロイ島に行ってきました。フィッツロイ島は、熱帯雨林と白砂のビーチが共存し、気軽にサンゴ礁が体験できる場所です。そこで、実際にツアーに参加し、シュノーケリングなどを行いました。
 まず、今回の調査の目的ですが、ケアンズを旅行で訪れる日本人観光客の若者が少ないという現状があります。そこで、私たちがケアンズに行き、実際にツアーに参加して動画を作成し、作成した動画をあげてSNSで魅力を発信します。SNSを使って動画を発信することで、若者の日本人観光客の集客を増やすことが今回の調査の目的です。
 そこで、動画を作成するにあたって何をコンテンツに用いるか、どのような構成にするか、動画を通して何を伝えたいかを考えるところから始めました。構成が決まったら、どのように撮影したら伝わるか、魅力的に見えるかについて話し合い、まとめました。それらをもとに当日の撮影に臨みました。
 当日は、まず船に乗ってケアンズを出港しました。そして、船内でシュノーケル、マスク、フィンを借りたほか、昼食のランチボックスも受け取りました。約45分でフィッツロイ島に到着しました。その後、しばらく歩いてシュノーケリングをする海岸に到着しました。海岸でランチボックスを食べた後、シュノーケリングをしました。その後、グラスボートに乗り、サンゴ礁やさまざまな種類の魚やウミガメを見ました。ビーチに戻ってきた後も自由にシュノーケルやサップを楽しみました。そして、船に乗りケアンズに戻りました。
 今回のフィールドワークを通して特に印象に残ったことは、シュノーケリングをしたことです。ビーチから数メートル進むだけで色鮮やかなサンゴ礁が広がり、大きさがさまざまなたくさんの魚を間近で見ることができたことは、とても印象に残っています。写真や映像で見たことがあっても、自分自身が海に入り、魚を間近で見た時の感情は、実際に現地に行かないと味わうことのできないものだと感じました。ケアンズならではの南国の雰囲気を感じることができました。また、船に乗って島に向かうことにもワクワクし、非日常を味わえたのも印象に残っています。
 今後は、現地で撮影した写真や動画を使用し、フィッツロイ島の魅力をより多くの人に知っていただくために、動画を作成します。そして、作成した動画をSNSで発信していきます。

フィッツロイ島での非日常体験
 国際観光学部4年 岩間日和

 私たちは観光実習の一環として、オーストラリアのケアンズで現地実習を行いました。実習の目的は、現地の日本人向けのツアーに参加し、ケアンズの魅力を知るとともに、SNSを活用してツアー参加中の動画や風景を発信することで、より多くの日本人、特に若者にケアンズのことを知ってもらうことです。私はその中でもグレートバリアリーフツアーを担当し、シュノーケリングや海中での映像を記録し、臨場感や楽しさが伝わるように工夫し、視聴者が参加をイメージできる動画を制作することを意識しました。
 当日はまず、船に乗ってフィッツロイ島へ向かいました。船内には多くの外国人観光客がいましたが、日本人の姿も少なくなく、ケアンズが日本人からも人気の高い場所であることを実感しました。45分ほど船に乗り、目的地のフィッツロイ島に着いて船から降りると、きれいな海が広がっており、その海を見てとてもわくわくしました。
 私たちの先輩でもある、ガイドの藤田さんに案内していただき、おすすめのビーチをめざして歩きました。道中には植物がたくさん生い茂り、大自然を肌で感じることができました。海だけでなく緑も楽しむことができるところも、このツアーの魅力の一つだと感じました。そして、森を抜けるとエメラルドグリーンの海が広がっており、島に着いたときよりも感動を覚えました。私自身、海で泳いだ経験は一度きりで、シュノーケリングも初めてでしたが、少し怖さを感じつつ海へ入りました。初めは水中マスクで呼吸することが難しく、苦戦しましたが、次第に慣れて潜れるようになり、魚を見ながら泳ぐというとても楽しい経験ができました。これは今までにない貴重な体験であり、自然の豊かさを体感できる時間となりました。海で泳ぐだけでなく、ビーチでのんびりするだけでもとても気持ちがよく、広大な海や自然が広がっている景色を見ることで非日常を味わうことができました。
 また、SUPというボードの上に立って水面を進むアクティビティ体験や、グラスボトムボートツアーという、船の底がガラス張りになっている船に乗り、海中の魚やサンゴ礁などを観賞できるツアーにも参加しました。シュノーケリング中には見ることができなかったサンゴ礁や多くの魚を観賞することができ、海の中をリアルにのぞいている感覚で、とても印象に残っています。また、船の上で安全に観賞ができるので、泳げない人でも海の中の景色を楽しむことができ、子どもや高齢の方でも気軽に参加できる良いアクティビティだと考えました。
 今回のツアーではシュノーケリング、SUP、グラスボートツアーなど、さまざまな体験ができ、海や緑あふれる自然を見て心が癒され、大満足のツアーであったと感じます。また、自由時間が多く、海で泳ぐ、浜辺でのんびりする、島を散策するなど、それぞれ自分に合った楽しみ方ができる点も、このツアーの魅力であると考えました。泳げる人も泳げない人も海を楽しむことができるため、幅広い世代の方におすすめしたいツアーであると考えます。
 今後は、今回撮影した水中の映像や魚の様子、グラスボートツアーの映像などを活用し、多くの人びとにこのツアーの魅力を発信できるよう工夫していきたいです。そして、ケアンズの自然の美しさやアクティビティの楽しさが、より多くの若者に伝わり、将来的に参加者が増えることを期待しています。
 最後に、今回の実習を通して得られた学びや経験は、自分の視野を広げる大きなきっかけとなりました。現地でツアーを提供してくださった会社や、ガイドの藤田さんのご協力に感謝申し上げます。今回の経験を今後の学びに活かしていきたいと考えています。

ワクワクカモノハシ探検
 国際観光学部4年 吉村旭未

 今回の調査の目的は、ツアーの動画や写真を撮影・編集・動画投稿し、ジェイさんツアーに興味を持ってもらうきっかけをつくることです。そのため、ツアーに関することをSNSで下調べしました。また、私たちがツアーに参加する際にどのように撮影を行うか考え、意見をまとめました。
 私は動物探検ツアーを担当しましたが、当日の行程は次の通りです。
 宿泊先からバスで移動→巨大蟻塚を見学→ヘビやトカゲ、インコなどの動物とのふれあい体験→ワラビーの餌やり体験→The Humpyという店で休憩→カーテンフィグツリーの見学→野生のカモノハシ探し→ブーメラン投げ・ポニーとふれあい体験→バーベキューディナー→夜行性動物探し→宿泊先まで送迎
 その中で、私が特に印象に残ったことが2つあります。1つ目は、ワラビーに餌やりをしたことです。ワラビーの主な生息国はオーストラリアのため、たくさんのワラビーを目にすることができました。人懐っこい性格を持つワラビーは、人間がいるとすぐ近くに来てくれました。餌やりの際には目線を合わせ、低姿勢になることでワラビーはたくさんの餌を食べてくれました。私が少し立つと、ワラビーも合わせて立ってくれる姿勢がとてもかわいく、癒しになりました。
 2つ目はカモノハシ探しです。カモノハシは日本で見ることができないため、オーストラリアで観ることができると聞いた時に、ワクワクしました。カモノハシを見ることができる確率も50%くらいとガイドの方がおっしゃっていたので不安がありましたが、ツアーガイドの方々が熱心に探してくださり、無事に見ることができました。川に浮かぶカモノハシは美しく、魅了されました。物音立てるとすぐに隠れますが、何度も川面に浮かんで見ることができ、感激しました。オーストラリアでしかできない経験をすることができ、充実した時間を過ごせました。
 今後は、撮影した写真や動画を編集・動画投稿し、たくさんの方々に見ていただけるようにしたいです。また、オーストラリアに行ったことで海外により興味を持ったので、他の国にも訪れたいです。
 今回、私たちのためにツアーに参加させていただいたジェイさんツアーの皆さま、ありがとうございました。丁寧な案内のおかげで、普段では見ることのできない景色やオーストラリアでしかできない経験をすることができ、とても感動しました。学生一人一人を気にかけ声をかけてくださったことや、興味深い話をしてくださり、ツアーがより楽しくなるようお心遣いにも感謝申し上げます。また、オーストラリアに行く際にはジェイさんツアーに参加したいと思います。

大自然に触れ合った一日
 国際観光学部4年 緒方鉄太

 今回、私は動物探検ツアーの調査を担当しました。ジェイさんツアーのスタッフのガイドや一般のお客さんとの交流もあり、みんなで楽しく動物や自然に触れ合える貴重な体験をさせていただきました。全体を映すことで迫力ある自然の景色から、餌を食べているワラビーの心温まる様子まで、1つの短い動画にも緩急をつけられるような動画を作成することを目的にこのツアーに参加しました。
 バスから降り、まず目にしたのはクイーンズランドにあるヒアリの巣窟です。人間の背丈ほどもあるその巣から大量に出てくるヒアリたちに一同は驚愕しました。それにヒアリを食べることもでき、私も実際に口にしてみましたが、思いのほか食べやすく、若干パクチーのような香りが感じられるほどでした。
 赤土の道路を走り抜け続いて訪れたのは、チェーコに位置するグラニッド・ゴージ自然公園です。ここではトカゲやヘビなどの爬虫類や珍しい模様の鳥に触れ合えたほか、岩を上って頂上まで行くと見える大自然の絶景にとても魅力を感じました。しかし、何といってもこの場所でのメインは、ワラビーとの触れ合いでした。この日はワラビーの出現数がいつにも増して多かったようで、全員がワラビーの餌やりを体験できました。両手に餌を広げるとワラビーたちが駆け寄り、その小さな口に餌をいっぱいにほおばっている様子はとても可愛らしいものでした。とても人懐っこく、幸せなひと時を過ごせました。
 その後、美味しいアイスクリームを食べ、向かった先はユンガブッラ国立公園です。ここにはカーテンフィグツリーといった非常に大きな樹木があり、その樹齢は500年ほどだそうです。その存在感と幻想的な形は見ていると、なんだかパワーがもらえそうな感覚で、動物との触れ合いとはまた別の感覚で自然を味わうことができました。
 ユンガブッラという町では、野生のカモノハシを探索しました。この体験が今回の目玉イベントなのですが、目撃できる確率はおよそ半分ほどと、なかなかに緊張感のあるイベントでした。一緒に同行していた別のお客さんとも協力しながら、無事にカモノハシの目撃に成功しました。水面で泳いでいるところを目撃したので、表情などは見ることができませんでしたが、想像より大きい印象でした。カモノハシがいた場所にはコウモリも生息していて、かなりの数のコウモリが木にぶら下がっている様子はなんともおぞましく思えました。
 そして、最後は今回のツアーに参加したお客さん全員でバーベキューを楽しみ、ステーキやカンガルー肉の串焼きなど、とてもボリュームのある食事をいただきました。ブーメラン投げなどの体験もでき、とてもおもしろかったです。非常に充実した一日を経験させていただきました。
 一日を通して多くの経験をさせていただきましたが、私はワラビーとの触れ合いの時間が最も印象に残っています。動物自体があまり得意ではないので、そこまで多く触れ合えたわけではなかったですが、自分のすぐそばにワラビーがいる感覚や周りのみんなが餌やりをしている様子がとても微笑ましく楽しい時間でした。多くの場所を訪れ、素材はかなり集まっているので、メンバーで協力しながら人を魅きつけられるような動画を作成していきます。今回ツアーを案内してくださったジェイさんツアーの皆さん、自分たちが騒いでも怒ることなく同行してくれた多くの方々、そしてこの日に限らず7日間ずっと僕たちを支えてくれた藤田さん、本当にありがとうございました。