移民政策の抜け穴と現場の実態を、松村教授が鋭く指摘

現在、日本各地で急増する「民泊ビジネス」。
その背後で、経営管理ビザの本来の趣旨を逸脱した運用が行われているのではないか——。
松村教授は研究を進める中で、こうした問題に警鐘を鳴らしており、今回その実態と制度の課題について、松村教授と片山さつき参議院議員と語り合う緊急対談が、片山氏のYouTubeチャンネルで公開されました。

「経営管理ビザ」とは何か?

外国人が日本でビジネスを行うために取得する「経営管理ビザ」。
本来は、一定の資本金や事業実態が求められるこの制度ですが、名ばかりの経営や実態不明の民泊運営でもビザが下りている可能性があると指摘されています。
松村教授は、現場の事例や統計を交えて、いま起きている“制度のすり抜け”を警告。片山氏も、元行政官としての視点から法制度の課題を掘り下げます。

なぜ「中国人の民泊経営」が注目されるのか?

問題の本質は、単なる民泊の経営実態や地域とのトラブルではありません。
日本語教育や文化理解を経ずに日本に居住を始める外国人が増えているという、移民政策の質的な変化が背景にあります。従来の外国人居住者——たとえば留学生や技能実習生などは、来日前あるいは来日後に日本語教育を受け、日本の文化にも一定の理解を持ったうえで生活を始めていました。そのため、日本人との間に一定の信頼関係やコミュニティの形成が可能でした。
しかし現在は、経営管理ビザを通じて言語教育も文化理解もないまま、家族単位で日本に移住するケースが急増しており、配偶者や親も日本語が一切話せず、子どもは地元の小学校に通うものの、教育現場が十分に対応しきれない現実があります。
こうした「新しいタイプの移民」は、これまでの在留外国人とは異なり、日本社会との接点を持つ準備が不十分なまま生活を始めるため、行政、教育、地域の現場に大きな戸惑いと負担をもたらしています。