2026年度キャリアゼミ「地域レジリエンス構築のためのデジタルファブリケーションとオフグリッドシステムの活用」の活動の一環として、エネルギーやものづくりのための基盤の地産地消などをキーワードに、大学2号館の「デジファブ室」にオフグリッド電源システムを構築しました。

また今夏に本ゼミ活動として訪問予定の広島県大崎下島で、現地調達した廃ペットボトルを3Dプリンタの素材に再生するオープンソース設計の装置を制作しました。そしてこの装置をオフグリッド電源を利用することを想定して、学内でテスト稼働をさせました。

本活動では、過疎化が進む離島や中山間部などでは、物流や災害時のインフラ確保に問題を抱えているだけではなく、地域のリソース不足が由来の教育や文化に関する体験格差やそれに伴った人口流出が課題となる中、オープンな技術や地元で活用できるリソースでのQoL向上について、地域の人々との対話やフィールドワークを通して議論を深めていきます。

※本活動の一部は「ホームセンターからはじまる地域STEAM:分散型ファボラボによる自然体験×デジタル探究の社会実装に関する研究(2025年度公益財団法人カインズデジタルイノベーション財団)」の研究助成で実施しています。
 

学生活動状況報告

私たちは今まで一年近く、オフグリッド化の検証を進めるためにいくつかのプロジェクトに取り組んできました。

最初に取り組んだことは、ペットボトルから3Dプリンターのフィラメントを作成することです。2025年秋ごろから始めましたが、当時はここまで苦労するとは考えてもいませんでした。

最初に取り組んだのは「polyformer」というオープンソースのプロジェクトでした。まず本体を3Dプリンターで印刷して組み立てるところから始まりました。そしてファームウェアの書き込みや配線も終え、いざ動かそうとしたものの、動作が不安定で、最終的には完全に動作しなくなりました。理由を探っていくうちに、ファームウェアのバージョンと制御基板の互換性に問題があるのではないか、という仮説が浮かびました。コミュニティの情報を調べていくにつれ、その可能性が高いと考えるようになりました。

そこで、別のオープンソースのプロジェクトに切り替え、なんとか装置を完成させることができました。しかしここからも多くの壁が待ち受けていました。本体の不調、ペットボトルの加工、巻き取りのトルク不足、3Dプリンターの印刷設定など、多くの問題がありました。それでも地道な努力の末、印刷の精度は徐々に向上し、通常のフィラメントと遜色ないレベルで印刷することができるようになりました。
まだペットボトルをフィラメントに加工する手間や安定したフィラメントの生成など、多くの課題がありますが、実用化に向けて試行錯誤していきたいです。

活動を始めた当初は、先生のオフィス前の通路で活動を行い、床に座って大学の門限ぎりぎりまで毎日のように活動をしていました。少し肌寒さを感じる季節でもあり、活動する環境としてはふさわしいとは言えませんでしたが、それでもひそかに活動しているような感覚が心地よく、夢中になって取り組むことができました。そんな私たちの活動を見守ってくださった教員の方々の配慮もあり、今では授業や活動を行う部屋を用意していただけることになりました。

活動するための物理的なスペースを確保することができたことで、オフグリッド化の計画の一つとして、ソーラーパネルの設置にも取り組みました。発電した電力を使用して3Dプリンターやペットボトルマシンの試運転を行うこともできました。

初めて挑戦することばかりで上手く行く時よりも上手く行かない時の方が多かったですが、それでも私たちがしてきた活動がこのキャリアゼミのオフグリッド関連活動の一助となることを考えると、私たちのこれまでの経験もこれからの挑戦も、とても有意義だと感じられます。

総合情報学部3年 松田 碧斗

     
 

参加学生一覧

嶋本 拓真  岡 沙奈美  西園寺 圭悟  松田 碧斗  安田 蒼真