大阪・阪南大の末田航教授は、インクルーシブセーリングの実現を目指し尾花沢市・徳良湖を拠点に視覚障害者や初心者向けのヨット帆走支援装置を開発している。装置は風向に対する帆の角度を音や色でセーラーに伝える仕組み。これにより、障害者も自力で操縦でき、社会参加や自立を後押しする。本研究は、AI操舵がセーラーの意図を予測し、手動操作を補完する「人船一体*」に関する研究の一環として実施。2025年度からは科研費プロジェクト「インクルーシブセーリングを実現する人船一体の視覚障害者向け操船支援技術の研究」として操船の手掛かりとなる視覚情報を音声情報に変換することで、障害の有無に関わらずセーリングを楽しんだり、健常者と同じレースに参加することを目的に進行している。

*帆走技術と自動航行技術をユニバーサルデザインで融合させヨットとセイラーが互いの意図を理解・補完し合い、まるで一つの存在のように動くことが実現された状態」と定義する末田の造語