なぜ阪南大学総合情報学部が桃なのか。 AIとデータで挑む桃プロジェクト

桃づくりと聞くと、農学部や農業大学を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、「日本一甘い桃を作るぞ!プロジェクト」に取り組んでいるのは、阪南大学総合情報学部・松田ゼミです。

”「情報学部なのに、なぜ桃?」”
その答えは、「農業もデータの時代になっているから」です。
現代の農業には、栽培技術だけではなく、AI・データサイエンスやマーケティングなど、さまざまな知識が必要とされているからです。

農業は「育てる」だけではない時代へ

近年、農業を取り巻く環境は大きく変化しています。気候変動による栽培環境の変化、担い手不足、生産者の高齢化、ブランド化や販路開拓など、農業にはさまざまな課題があります。
こうした課題に対応するためには、栽培技術だけでなく、AI・データサイエンス、マーケティング、ブランド戦略、流通、消費者理解など、多様な視点が求められています。
阪南大学は、これらを横断的に学び、社会課題の解決に挑戦する大学です。

AI・データサイエンスを桃づくりへ

阪南大学では2019年に「阪南大学AI・データサイエンス教育研究所」を設置し、AI・データサイエンス教育・研究を全学的に推進してきました。
また、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」において、2021年8月4日時点で大阪府の私立総合大学として唯一の認定を受けるなど、社会科学系大学におけるAI・データサイエンス教育に力を入れています。
今回のプロジェクトは、その学びを教室の中だけで終わらせず、地域社会の課題解決へつなげる実践の場でもあります。
学生たちは和歌山県の桃農家とともに、栽培環境や糖度、生育状況などのデータを収集・分析し、「日本一甘い桃」を目指した研究を進めています。

数理・データサイエンス・AI教育(MDASH)では、AIに必要とされる数学の範囲が限定的に紹介されています。しかし、我々は現場において「さまざまな変化」に気づくことができます。
それら集約することで、自然環境や栽培条件が作物に与える影響のシナリオを数学的・物理学的に表現することが可能になり、こうした知見は、既存のデータサイエンスの枠組みを拡張し、次のステージへと引き上げる重要な基盤となるでしょう。

現場で学び、現場で考える

データだけでは、おいしい桃はつくれません。
学生たちは実際に桃畑へ足を運び、生産者から栽培方法や木の状態、天候による違いなどを学びながら研究を進めています。
長年の経験で培われた農家の知恵と、AI・データサイエンスによる分析。その二つを組み合わせることで、新しい桃づくりに挑戦しています。


目指すのは「日本一甘い桃」

このプロジェクトの目標は、「日本一甘い桃」を目指すことです。
糖度や栽培環境などのデータを分析し、高糖度の桃づくりにつながる条件を探究するとともに、将来的にはブランド化や販路拡大にも学生たちが主体的に取り組みます。
単に桃を栽培するプロジェクトではなく、AI・データサイエンス、ブランド戦略、流通・販売までを含めて挑戦する文理融合型のプロジェクト。それが、阪南大学の「日本一甘い桃を作るぞ!プロジェクト」です。
そして現在、このブランド桃は、新たな一歩を踏み出そうとしています。

学生たちが何度も議論を重ねて決めたブランド名とは。
その誕生の舞台裏は、次回の記事でご紹介します。