武藤ゼミでは、毎年八尾市人権政策課主催の男女共同参画イベントに参加し、ゼミ生たちが男女共同参画とは何かを考え、行政の具体的な取り組みを学び、八尾市男女共同参画センター「すみれ」の市民認知度向上のための意見提案を行ってきました。
 今秋、男女共同参画センター「すみれ」は八尾市役所本館の隣に引っ越す予定で、武藤ゼミでは11月中旬のフィールドワークで「すみれ」を実際に訪問し、SNSやポスターを用いた広報の仕方や、どのような設備やサービスがあれば、年齢や性別を問わず多くの方が立ち寄ったり利用したりしてくださるかを皆で考え、市に意見を提案していく予定です。

今回の記事では中間報告として、下記にこのフィールドワークを行う経緯や意義について述べたいと思います。

 八尾市は、男女共同参画を推進するための拠点施設として、八尾市男女共同参画センター「すみれ」を設けています。「すみれ」は地域の貴重な社会資源であり、性別や年齢にかかわらず、市民が広く利用可能な施設です。誰もがその個性と能力を発揮し、活き活きと活躍できる男女共同参画社会の実現をめざし、「すみれ」では情報発信やセミナー、図書の貸出し、相談支援事業(対面だけでなくオンライン面談やメール相談も行っている)など、さまざまな事業を実施しています。
 しかし、2025年に実施された八尾市民意識調査の結果、速報値で「すみれ」の認知度 (市民が知っている割合) は9.3%であり、2026年度目標値の50%にはまだ遠い結果となっています。2019年度の調査では認知度が7.9%であり、わずかに認知度は上昇傾向にありますが、目標値にはまだ遠いといえます。
 「すみれ」では、先述のように、DVや経済問題、健康問題、子育てなどに関する各種相談対応や、女性が自立して生きていくことができるように就活支援のためのワークを行うなど、様々なイベントを催し、利用者が増加することを目標に活動しています。しかし、利用者は一部にとどまり、市民の認知度も低いことが課題となっています。どうやって認知度を高めていくかは八尾市の課題であり、教員・武藤が審議委員かつ副会長を務める八尾市男女共同参画審議会でも毎回議論となりますが、なかなか良い案が出ないのが現状です。
  • 男女共同参画センター「すみれ」のチラシ

2026年秋に「すみれ」は八尾市役所本館の隣の建物に移転し、近鉄八尾駅やバス停からも近く、アクセスがよくなることが期待されます。ただ、既存の建物を利用することと、リフォームにかけられる費用が残念ながら限られているため、下記の写真にあるように古くなった外観や内装などは低予算で装飾する必要があります。現段階では建物1階の扉は重たく、中の様子が見えづらいとか、暗い感じがするといった市民の声もあり、男女共同参画センターへの心理的ハードルの高さもあって、新規の利用者の利用率が伸びるかには懸念があります。


    
「すみれ」移転予定の北分室

 これより、費用をかけずに、いかに入りやすい建物にするか、若者の意見を聞きたいという人権政策課のご意見もあり、武藤ゼミでは2026年度の八尾市役所ワークショップ「大学生との意見交換会:フューチャリングアイデアソン~未来を創ろう5~」に2年~4年生が参加し、「すみれ」を訪問・見学して、どのようにして費用をかけずに様々な年代の人が利用しやすくなるかを検討し、アイデアを提案することを予定しています。


同時に、ゼミ生たちには、男女共同参画センターの果たす役割を学んでもらい、男女共同参画とは何かをあらためて考える機会とします。そして、様々な背景を持つ人たちの立場に立ち、市の社会資源の意義や、利用したいと
思えるためにはどのような取り組みが必要かを考える機会ともします。「すみれ」は、困難を抱える人々やそうでない人々にとっての「居場所」となります。

武藤ゼミでは、主に心理学や社会福祉学をテーマとした学修を行っており、こうした行政の取り組みや、人々の抱える心理・社会的課題を具体的に学ぶことで、学生たちの今後の研究にも活かすことができると期待できます。

キャリアゼミによる11月のフィールドワーク「フューチャリングアイデアソン~未来を創ろう5~」の様子については、改めてご報告いたします。