2022.6.3

【阪南経済NOW(2022) 特集Ⅳ】阪南大学経済学部の特色ある授業

まちづくりパッケージ 国内フィールドワークゼミ
執筆者:豆本 一茂

 阪南大学経済学部まちづくりパッケージに属する3つのゼミ(櫻井ゼミ、高橋ゼミ、豆本ゼミ)は、フィールドワーク(国内での実地調査、学外での体験型学習等)を学びの中心に据えた「国内フィールドワークゼミ(国内Fゼミ)」として位置づけられています。この3つのゼミでは、通常の週1コマの専門ゼミに加え、「国内フィールドワーク実習」という科目を履修することになっており、実質的に週2コマの専門ゼミを行います。これはフィールドワークを行うには単に現地に行けばよいというものではなく、事前準備やフィールドワーク後の事後学習など、フィールドワークに付随する様々な活動があり、そのための時間を確保することを目的としています、
 まちづくりパッケージでは、このようなゼミ活動を通じて、地域や地元企業がかかえる問題を自ら現地調査し、インタビューや統計分析を通して、課題や課題解決を発見する能力を身に着け、チームでの協力を通じて、企画を立て、実行する能力などを身につけることを目指しています。
 まちづくりパッケージ所属の2年生ゼミでは、毎年各ゼミ合同でフィールドワークを実施しています。2021年度は「奈良県大和郡山市におけるまち歩き」と「八尾市における中小ものづくり企業の実態調査」を行いました。2021年度もコロナ禍がつづく中でのフィールドワークとなったため、ソーシャルディスタンスを十分に確保したうえで活動を行いました。
 「まちあるき」はフィールドワークの調査方法の一つである「観察調査」と呼ばれているものに当たります。奈良県大和郡山市は大和郡山城の城下町として栄え、現在でも古い町並みが数多く残っており、また、市の中央部にある柳町商店街では独自の活性化活動行われています。今回のフィールドワークでは、大和郡山城をテーマに城下町をめぐる謎解きゲームに参加しました。地域に関する「謎解きゲーム」は、近年、まちづくりや観光振興の一環として各地で採りいれられることが増えています。また、柳町商店街で行われたスタンプラリーにも参加しました。大和郡山市は全国有数の金魚生産地として有名であり、同商店街では、御朱印帳を真似た「御金魚帳」というスタンプノートを配布し、各店舗のスタンプを集めて回るという取組を行っています。
 「八尾市における中小ものづくり企業の実態調査」では大阪府八尾市にある(株)藤原電子工業を訪問し、工場見学や代表の藤原氏のお話を聞きました。同社は金型製作やプレス加工で独自の高い技術力を用いた事業を展開しており、工場見学では、グループごとに社員の方々からの丁寧な説明を受けることができました。また、同社は産業ロボット開発事業にも挑戦しており、実際に自社工場内でロボットが活躍している現場を確認することができたほか、一般消費者向けロボットの操作体験の機会も得ることができました。
 フィールドワークの一週間後には、事後学修として、グループごとにフィールドワークで得られた知見を取りまとめ、ビデオ通話で大学と藤原電子工業をつなぎ、各グループの成果を藤原氏にプレゼンテーションし、講評をいただきました。

もっと深く知りたい方は…

今年のオープンキャンパスのプログラム一つにて本記事をテーマにした模擬授業を行いますので、是非お越しください。スケジュール等の詳細については以下ページをご確認ください。