経済学部3回生:豊島 亘輝、濱本 直、伊藤 颯真

 経済学部豆本ゼミでは、例年、フィールドワークを中心に据えたゼミ活動を行っており、3回生のゼミでは学生自身で研究テーマを決めて企業等に訪問を行っています。今回私たちは人材派遣会社における外国人の派遣事業の実態について調査を行いました。
 6月24日に、フジアルテ株式会社 梅田オフィス(大阪市北区)を訪問し、グローバル採用部ブラジル採用チームの高橋氏、人材開発部社員採用チームの髙田氏、広報室の前田氏にお話を伺いました。
 1995年に設立の同社は、製造業を中心に全国33か所で派遣事業を行っており、従業員数は約一万人、うち約半数が日系ブラジル人で占められています。ブラジル・サンパウロに現地法人があり、そこで日本で働く人材募集を行っています。日系ブラジル人の2世や3世は定住者ビザとなり日本での就労規制がありません。初めて来日する方には事前にブラジル現地で日本での生活や働く場所等についてレクチャーを行っているとのことです。
来日すると派遣先近くにある、会社が法人契約で借りている家に入居してもらい、銀行口座の開設や市役所への届け出などの就業準備に日本側のスタッフが同行するなどのサポートを一部おこなっているそうです。また場合によっては、日本で生活を送るためのウェルカムセットとして布団やトイレットペーパーなど生活に必要なグッズ一式を支給しているとのことです。
 初来日の場合、日本語でのコミュニケーションが不慣れな場合もあります。そのため同社ではチーム派遣という形態も提案しているそうです。これはチーム内に一人でも日本語を話せるスタッフがいれば、他のメンバーが日本語を話せなくても、その人が他のメンバーに通訳・説明を行うことで、作業を実施することができるというものです。言葉の壁や文化のギャップに対しては派遣先企業にも協力を依頼し、対応してもらっているそうで、歩み寄ることでうまくいくことが多いとのことでした。また同社では、定期的なキャリア面談やポータルアプリによる情報共有を図ることで日系ブラジル人派遣社員の不安や悩みを早期にキャッチし、安心して働ける環境づくりを行っているとのことです。
 今回の取材では、日本側のスタッフが丁寧に外国人労働者をサポートしていることが分かり、こうした点が外国人スタッフが安心して働けるポイントだと感じました。

(今回の調査では、阪南大学学会の補助を受けて実施しました)