経済学部豆本ゼミでは、例年、フィールドワークを中心に据えたゼミ活動を行ってきました。2021年度に関しては、コロナ渦の渦中ということもあり、ソーシャルディスタンスの確保や可能な限りの感染防止対策を行ったうえで、フィールドワーク活動を行いました。
 6月23日に株式会社スマートバリュー(大阪市中央区)を訪問し、同社が展開しているカーシェアリング事業についてお話を伺いました。平日のマイカーや土日の社用車など日本の自動車車両の稼働率は4.2%と言われており、同社では、非稼働の社用車を活用することを目的に2008年からカーシェアリング用のアプリシステム開発、サービス提供を行っているとのことでした。同社では、社用車等を活用してカーシェアリング事業に参入したい企業に対してサービスを提供しているとのことです。
 カーシェアリング事業の大手であるタイムズやカレコでは主に駅周辺などに設置された自社のコインパーキングの一部にカーシェア・ステーションを設置しているのに対し、スマートバリューではヘビーユーザーを生み出すために、なるべく住宅街の真ん中にステーションを設置するようにしており、営業部の人が月極駐車場のオーナーと話し合って駐車場の一画を借りて、ステーションを設置しているとのことです。
 7月14日には、株式会社ワキタ(大阪市住之江区)を訪問し、建機レンタル産業の現状について話を伺いました。建機レンタル業はブルドーザーやショベルカーなどの建設機械とは、建設業者にレンタルで貸す業種です。建機レンタル業は近年大きく伸びており、すでに日本の工事現場で使用されている建設機械の6~8割半分以上がレンタルであると言われています。
 同社は、1962年から建機レンタルを始めた古参であり、規模的には全国9位と中堅どころであるといえます。同社によると建設業界は、震災復興や東京オリンピック、大阪万博など大型の公共事業でかなり売上が左右されます。レンタルしている建機の買い替え時期としては油圧シャベルで10年(8千時間程度)、発電機・コンプレッサーでは12年(1万時間程度)、車両ならば7年(15万キロ程度)とのこと。建機レンタル業は所有する建機をいかに長くもたせるかで収益が大きく変わってくるとのことでした。
 近年では、人材不足が大きな課題となっており、同社でも女性や外国人の採用を増やしているとのことでした。
 実際の現場の担当者の方からお話を聞かないと、なかなか実情を知ることができない業界について知ることができ、大変貴重な話を伺うことができました。
(今回の調査では、阪南大学学会の補助を受けて実施しました)。