西本教授とゼミ生

経済学部 西本ゼミ3回生は、2011年9月5日〜9日までフィールドワークのために沖縄に行ってきました。環境省漫湖水鳥湿地センターにて、おきなわ環境クラブが実施している「ラムサール条約登録湿地(漫湖)から見える環境問題プログラムに参加。

沖縄の水環境についての講話を聞き、木道にて「マングローブ」、「底生生物」、「野鳥」を観察。そして、水質調査やごみ調査を行い、最後に調査結果をまとめました。ゼミ生たちにとっては、国場川河口干潟をモデルに水辺環境について問題や課題を知ることで、自分たちの住む身近な水環境や自然にも目を向ける良いきっかけになったと思います。

沖縄の水環境

野鳥観察

我々から見ると、沖縄は自然豊かでとても美しい場所というイメージが強いですが、そんな沖縄においても自然が壊されつつあるそうです。例えば、海がどんどん埋め立てられ、その結果、珊瑚礁の生態が成り立たなくなってきている・・・。これは、公共投資により必要以上の埋め立て工事が行われた結果だそうです。生活排水や事業所排水、豚舎排水などによる水質汚濁も大きな課題の一つ!

さらに、沖縄は水不足が深刻なんだそうです。沖縄では長い川がないため、降った雨がすぐに海に流れてしまう。だから、屋根に大きな貯水用のタンクがある家が多く見られたんですね。観光に訪れるだけでは気がつかない沖縄の水事情! 我々にできることは何だろう?そんな問題意識も芽生え、ゼミ生も環境に対する考え方が変化したようです。

水質調査・ごみ調査

国場川の水質調査では、水温、濁度、透視度、塩分濃度、CODなどを測定しました。また、ごみ調査では、川岸のごみの種類を調査。当日はペットボトル・プラスチックが最も多く、約44%、次いで多かったのがポリ・ビニール袋で約33%でした。ごみ調査を行ったゼミ生は、普段、我々が訪れる美しい景色の観光スポットと全く異なったごみだらけの川岸を見て、かなりのショックを受けたようでした。

調査の後は、パソコンでデータの整理などを行い、沖縄の水環境についてゼミ生が抱いていた疑問点などにも答えていただきました。担当してくださった下地先生、上田さん、どうもありがとうございました。

※なお、この活動は「おきなわ環境クラブ」のWEBサイトでも紹介されています。
  • 水質調査の様子
  • 水質調査の様子

松室くんの感想&提案

今回、環境問題プログラムに参加して、僕の沖縄のイメージはとても変わりました。元々は、沖縄はすごく綺麗な場所で海にはサンゴ礁や熱帯魚がたくさん生息していると思っていて、それなら川や湖の水も綺麗であるはずだと、勝手に推測していました。

だけど水質、ごみ調査で分かったことですが、現実は川にはゴミ(特にペットボトル)がたくさん捨てられていて、湖や川の汚れは僕らが暮らしている町と変わらないことが分かりました。

そしてその汚れが海に流れ、サンゴ礁破壊に影響を及ぼすことを知りました。昔と比べて、サンゴ礁が減ったかもしれないけど、やはり沖縄の海はまだまだ綺麗だと思ったし、その綺麗な海を守るのは僕たち人々の使命だと思いました。そして、この水事情の今後の対策を自分なりに考えてみました。
1.ゴミをポイ捨てしないこと
2.沖縄は土地が小さいので、埋立をすることがあると思うけど、それをやめること
3.赤土流出を抑えること
4.家畜の糞などをうまく処理する
5.一人一人が水を汚すきっかけになっていることを自覚する

これらは簡単に思えて難しいかもしれない。しかし、これらを心がければ沖縄の水はきっと綺麗になるはずだと思う。
そして、こうしたことは沖縄だけに言えることではない。水の大切さを改めて実感し、僕たちの町も危機感を持たなければならないと強く感じました。
  • 講座の様子