経済学部ビジネス法パッケージ 法学検定プログラム
執筆者:松村 幸四郎

1 素朴なギモン・・・

 「阪南大学経済学部では、本格的に法律学を学び、他大学の法学部生に伍していく学力を獲得できる!」
 これに対して、オープンキャンパスにいらっしゃる高校生の皆さんや保護者の方は、次のような真っ当かつ素朴な疑問が湧き出てくると思います。
 「おまけで法律の授業があるだけでしょ?」
 「法学部で学ぶ質とは違う」
 「どっちつかずになるだけ」
 しかし阪南大学経済学部で法律学を学んだ学生達は、法科大学院に進学したり、地方公共団体の職員、警察官になる者もいます。当学部での法律学の学修が、決して付け焼刃のものではないことは、これまでの実績が示しています。
 でも、漫然と法律学をかじるだけではこうした成果は出ません。法学部生が躓(つまず)きがちな点を踏まえながら、担当教員が先達として法律学を効果的に学修するポイントを絞りながら講義なりゼミを進めて行く努力を重ねています。

2 社会で通用する法律学の力 —法学検定プログラム—

 阪南大学経済学部で法律学を学ぶ学生の多くは、六法全書の引き方という初歩の初歩から学びます。例えば私のゼミの場合、1年生の1月末の定期試験が終わった直後の春休みから自主的な勉強会を始めます。その結果、2年生の4月の段階では、学生たちは全員、六法全書を引けるようになります。
  • 春休み期間中の自主勉強会

 その後は対外的に通用する学修を進めることを目標とするために、法学検定パッケージを設置し、それに向けた指導も行うようにしています。
 法学検定試験は(公)日弁連法務研究財団と(公)商事法務研究会が運営している民間資格ながら、中央教育審議会でも言及された良質な問題を出す試験です。全国の法学部で法科大学院や公務員試験を目指して学ぶ学生が受検しており、これに合格することで法律学の基礎を身に付けたものと言えます。当学部では、法学部2・3年次修了程度のスタンダードコースを中心に据えた教育を行っています。
 当学部では通常の法律科目の他に、法学検定パッケージを設置し、外部から優秀な法曹・準法曹の先生方にご担当いただいています。様々なスタイルの講義に触れることで、面白みを感じられるように工夫を重ねています。
 また座学のみならず検定試験対策と社会見学も兼ねた合宿を例年10月末に実施しています。日中は裁判傍聴、夜は各自で学修というものでしたがそれによりさらに意識が高まってくると、学生達は2時間でも3時間でも六法を片手にテキストを読み込み、受検勉強をするようになります。最近では、エクセレント合格という合格者の上位10%以内の成績で合格する学生(1年生)も登場しています。
  • 法学検定試験対策ゼミ合宿(鹿児島)

3 阪南大学経済学部での学びと公務員試験

 公務員試験というと都道府県・市役所の職員採用試験が頭に浮かびがちですが、実は裁判所事務官という職種もあります。このうち総合職試験(大卒者区分)の試験科目は、憲法・民法の他に、刑法と経済理論の選択となっており、まさに阪南大学経済学部で法律学を学んだ学生にとってはかなり有利な構成となっています。あまり知られていない公務員ではありますが、とくに女性にとっても大変働きやすい職場であるということは以前から言われており、今後は法学検定パッケージの中でも将来の進路として裁判所事務官を中心に置いた展開を考えていきます

4 二刀流は可能!

 阪南大学経済学部で経済学と法律学を同時に使える『二刀流』を目指す、意外と悪くないのでは、と思っていただけましたか?常に他流試合で勝つ(=社会で通用する)ことを意識した教育を目指していますし、さらにそれを進めて行きます。  法学部だと合わないかも、と思って入学する学生が、当学部で法律学に目覚めるケースも多いです。一緒に法律学を学修して、未来を切り開いていきましょう!

もっと深く知りたい方は…