産学連携先:東松山総合法律事務所
少子高齢化・核家族化が進む現代において、判断能力が低下した高齢者が金銭トラブルや悪質契約被害に遭う事例は増加の一途をたどっています。高齢者を取り巻く法的リスクは多様化しており、成年後見制度の活用や消費者被害への迅速な対応など、専門的な法的支援へのニーズはますます高まっています。
その一方で、弁護士をはじめとする法律専門家は大都市部に集中する傾向が強まっており、地方では「相談したくても近くに専門家がいない」という司法過疎化が深刻な問題となっています。制度は整備されていても、それを必要とする人々に届かなければ意味をなしません。法的支援へのアクセスをいかに確保するかは、地域社会全体の課題です。
本キャリアゼミでは、この現状を明らかにするため、首都圏および地方都市で実務に携わる弁護士へのヒアリング調査を実施しました。調査を通じて浮かび上がったのは、司法書士・行政書士・社会保険労務士といった「準法曹」が、地域の法的ニーズに応える上で果たしうる役割の大きさです。
ヒアリング合宿に参加した学生の報告の一部を掲載します。
少子高齢化・核家族化が進む現代において、判断能力が低下した高齢者が金銭トラブルや悪質契約被害に遭う事例は増加の一途をたどっています。高齢者を取り巻く法的リスクは多様化しており、成年後見制度の活用や消費者被害への迅速な対応など、専門的な法的支援へのニーズはますます高まっています。
その一方で、弁護士をはじめとする法律専門家は大都市部に集中する傾向が強まっており、地方では「相談したくても近くに専門家がいない」という司法過疎化が深刻な問題となっています。制度は整備されていても、それを必要とする人々に届かなければ意味をなしません。法的支援へのアクセスをいかに確保するかは、地域社会全体の課題です。
本キャリアゼミでは、この現状を明らかにするため、首都圏および地方都市で実務に携わる弁護士へのヒアリング調査を実施しました。調査を通じて浮かび上がったのは、司法書士・行政書士・社会保険労務士といった「準法曹」が、地域の法的ニーズに応える上で果たしうる役割の大きさです。
ヒアリング合宿に参加した学生の報告の一部を掲載します。
経済学部4年 松村ゼミ生一同
学生活動状況報告
我が国では少子高齢化・核家族化が進むとともに、法曹人口の大都市集中が加速しています。その結果、地方都市では法的トラブルが生じた際に適切な司法サービスを受けられない「司法過疎」が深刻化しています。本活動では、この問題の解決策として法律系士業との連携という手法の有効性を探求するべく、埼玉弁護士会元副会長の笠原弁護士にヒアリングを実施しました。
笠原弁護士によれば、司法過疎の背景には、インフラ・人口・経済資源の都市集中があり、地方では弁護士報酬の単価も低い傾向にあります。その一方で、供給が需要を大きく下回るため、司法過疎地では弁護士の仕事は安定的に存在するという側面もあります。さらに、依頼人との物理的・心理的距離が近いことで、問題解決の実感を得やすいという職業上の充実感も語られました。
訴訟実務の観点からは、冤罪事件において「検察が起訴に踏み切った事実」それ自体が有罪推定として機能しやすく、無罪立証の困難さを生む構造的問題が指摘されました。笠原弁護士自身が経験した事例では、一見無関係に見えた入院面会許可証が決定的証拠となり、逆転勝訴に結びつきました。これは、証拠を多角的視点で読み直す弁護実務の本質を端的に示すものです。
また、現状ではオンライン化の進展により、尋問を除く手続のほぼ全てが遠隔で対応可能となっており、テクノロジーの活用が司法過疎の緩和策として一定の有効性を持つことも確認されました。
今回のヒアリングを通じ、司法過疎の解消には、弁護士だけでなく司法書士・行政書士・社会保険労務士等の法律系士業が連携し、各専門領域で住民の法的ニーズに対応する「準法曹ネットワーク」の構築が重要な方向性となりうることを改めて認識しました。もう少しで卒業となりますが、卒業後もこうした問題に関心を向けていきたいと思います。
経済学部 経済学科4年 西澤 創太

連携先コメント
東松山総合法律事務所
弁護士 笠原 徳之 先生
司法過疎化は、法律家だけでなく社会全体で向き合うべき本質的な課題です。大都市と地方との間に生じる法的支援へのアクセス格差は、制度の問題であると同時に、そこに暮らす人々の生活の質に直結する問題でもあります。判断能力が低下した高齢者が、身近に相談できる専門家もなく、悪質な契約被害に遭い続けるという現実は、法制度の整備だけでは解決できない深刻さを持っています。
今回の皆さんのヒアリングは、その問題の核心を的確に捉えており、質問の内容も鋭く、事前に真剣に考えてきたことが十分に伝わりました。地方に住む方々が法的支援を受けられない現状は、決して他人事ではありません。司法書士・行政書士・社会保険労務士といった準法曹との連携という視点も、今後ますます重要になるでしょう。専門家がそれぞれの役割を補完し合いながら地域を支える仕組みをどのように構築するか、皆さんにはその問いを持ち続けてほしいと思います。
今回の体験を出発点として、社会のあり方を多角的に考え続けてくれることを期待しています。
今回の皆さんのヒアリングは、その問題の核心を的確に捉えており、質問の内容も鋭く、事前に真剣に考えてきたことが十分に伝わりました。地方に住む方々が法的支援を受けられない現状は、決して他人事ではありません。司法書士・行政書士・社会保険労務士といった準法曹との連携という視点も、今後ますます重要になるでしょう。専門家がそれぞれの役割を補完し合いながら地域を支える仕組みをどのように構築するか、皆さんにはその問いを持ち続けてほしいと思います。
今回の体験を出発点として、社会のあり方を多角的に考え続けてくれることを期待しています。
教員コメント
経済学部 経済学科
松村 幸四郎 教授
今回のヒアリングにあたり、お忙しい中、貴重なお時間をいただいた笠原弁護士に、心より感謝申し上げます。現場の最前線で活躍される弁護士の方から、司法過疎化の実態や弁護士実務の本質について直接お話しいただけたことは、学生にとってかけがえのない学びの機会となりました。
振り返れば、このゼミの活動は学生が2年生のときから始まり、3年間にわたって積み重ねてきたものです。最初は手探りだった学生たちが、自ら問いを立て、調査し、考察をまとめるという一連のプロセスを主体的にやり遂げる姿を間近で見てきました。今回のヒアリングでも、事前に問題を深く掘り下げ、準備を重ねた上で臨んだことが、充実した対話につながったと感じています。その成長には、担当教員として素直に感慨を覚えます。
社会に出れば、答えのない問いと向き合う場面が数多く訪れます。司法過疎化という問題一つをとっても、法律、経済、地域社会が複雑に絡み合っています。ぜひこの活動で培った問題意識を忘れず、社会の課題に正面から向き合う姿勢を持つように心がけてほしいと思います。
振り返れば、このゼミの活動は学生が2年生のときから始まり、3年間にわたって積み重ねてきたものです。最初は手探りだった学生たちが、自ら問いを立て、調査し、考察をまとめるという一連のプロセスを主体的にやり遂げる姿を間近で見てきました。今回のヒアリングでも、事前に問題を深く掘り下げ、準備を重ねた上で臨んだことが、充実した対話につながったと感じています。その成長には、担当教員として素直に感慨を覚えます。
社会に出れば、答えのない問いと向き合う場面が数多く訪れます。司法過疎化という問題一つをとっても、法律、経済、地域社会が複雑に絡み合っています。ぜひこの活動で培った問題意識を忘れず、社会の課題に正面から向き合う姿勢を持つように心がけてほしいと思います。
参加学生一覧
塩田 雄斗 谷口 海瑠 西澤 創太 宮内 鷹 内水 生山 葉山 碧志 福田 好訓 小川 良祐 森 公威 越智 梨瑛
