少子高齢化への解決策として、わが国への外国人受け入れを有力な選択肢とする論調が目立ちます。それにより社会が多様化することで、新たな問題も生じます。
ところで、外国人が本邦に入国するには、いわゆる「入管」の審査が必要となります。この入管行政に変化が生じているといわれることがあります。
その内実について、入管行政に精通する専門家（行政書士法人）へのヒアリングを行い、アドバイスを得ます。これを通じて、近時の入管行政に変化をもたらした要因を、法的観点から分析することを目指していくのが、このキャリアゼミの目標となります。

【キャリアゼミで東京入管を見学する意義】
東京出入国在留管理局（東京入管）を見学することには、法制度の理解を深めるだけでなく、外国人と日本社会の関わりを実感的に学ぶという大きな意義があります。入管は、日本に来る外国人の入国や在留を管理し、適法に滞在できるよう審査や手続きを行う重要な機関です。同時に、退去強制や収容など、人権に関わる繊細な業務も担っています。そのため、法の厳格な運用と人道的配慮の両立が常に求められる現場といえます。
普段の授業では、法律の条文や制度の仕組みを学ぶことが中心であり、現場で実際にどのような判断や対応が行われているのかを知る機会は少ないです。今回の見学では、制度を「知識」として学ぶだけでなく、「現実」として理解できる貴重な体験になると考えています。特に、ニュースなどでは断片的にしか報じられない入管の仕事を、職員の方々の視点から見ることで、法の運用がどのように社会の中で機能しているのかを深く理解したいと思います。
また、入管の業務は外国人だけでなく、日本社会の国際化にも密接に関わっています。多文化共生が進む中で、外国人が安心して暮らせる社会をつくるために入管が果たす役割を、自分の目で確かめたいと考えています。その上で、在留資格関連の申請取次業務に精通しておられる熊野雅恵先生へのヒアリングを、より意義あるものにしたいと思います。
【意気込み】
今回のキャリアゼミにおける東京入管見学では、漫然と参加するのではなく、自らの目で現場を見て、感じたことを踏まえて、しっかり考える機会にしたいと思います。授業やニュースで「入管」という言葉を聞くことはあっても、実際にどのような仕事が行われているのかを理解するのは簡単ではありません。だからこそ、現場を直接見ることで、制度の裏にある人の努力や思いを感じ取りたいと考えています。
また、実務家である熊野先生へのヒアリングでは、普段聞けない現場のリアルなお話をうかがい、自分の将来を考えるヒントにしたいです。特に、法と人権のバランスをどのように取っているのか、仕事をするうえでどのような姿勢が大切なのかを学びたいと思います。
今回の見学を通して、外国人と日本社会の関わりをより深く理解し、自分自身の視野を広げたいと考えています。

河辺 奏芽・石井 希虎・吉本 玲央・池田 世那・倉橋 瑛大・阪本 蒼太・野瀬 快・松本 開太郎・浅野 蒼天・岡 慎一郎・川端 京悟・葛川 諒・此川 悠斗・鈴木 駿吾・瀬戸浦 勇真・渡辺 拓海