連携先:税理士法人BASE269

経済学部3年松村ゼミでは、「経済社会における税の機能とその接し方(総論)」ということで、消費税以外はなじみのない「税」というものの本質についての理解を深めるために、現場の最前線で活動されている大島靖之税理士の事務所を訪ね、その業務内容や日常についてヒアリングをし、座学で学ぶ内容に深みをもたらすことを目指しました。

学生活動状況報告

経済学部3年 眞野 秀士

今回のキャリアゼミのテーマである税に関する問題について、税理士である大島靖之先生のご協力の下、税理士法人BASE269を訪問し、直接お話を伺いながら税の在り方や社会における捉えられ方について学ぶ機会を頂戴しました。
大島先生は、そもそも税理士はどのような事業をしているのかというところからお話を始められ、実際に大島先生が直面された事案も守秘義務の範囲内でお話しいただきました。依頼者と税務署の間に入り、依頼者に相当有利に決着させた案件ながら、依頼者はなかなか事の重大性を実感できていないのではないか、という現実を突きつけられたというものもありました。税理士の公益的性格からすると、ときには依頼者の望むことを断る(いわゆる脱税になりそうな節税依頼等)ことや、税の大切さという根本的な部分についての説明を加えることもあるといいます。
また、大島先生のお話からは、税務署は日本国民全員平等に正しく納税させることを目的に活動しているのに対して、税理士は民間よりの相談などといった細かいサポートを行い、時には税務署と対立せざるを得ない立場ともなるので、タフな仕事であることも感じました。税務署という厳しい門があるからこそ納税の義務を果たそうとする意思が生まれ、税理士がいるからこそ正確な税制への理解に基づいた適切な納税行動が可能となるので、どちらも国や国民にとって重要な役割があるということが腑に落ちる感じがしました。
今回はオンラインではない、実際の税理士事務所の見学や顧客との対応ルームで質疑応答もしていただくことで、顧客の気持ちもわずかながら感じることが出来た貴重な機会となりました。
この場を借りまして、大島先生には深く感謝申し上げます。

連携先コメント

税理士法人BASE269(開始時は、大島靖之税理士事務所)
大島 靖之 税理士

学生たちの何かを得たいという気概を十分に感じることができました。
教科書通りにはいかない実務や人間模様について実例を基に説明をしましたが、それぞれに思うところがあったように見受けました。
私は、能力のある人間は、必要としてくれる誰かのために、その能力を惜しみなく使うべきだと考えています。1人でもそのような自覚を持つ学生が出てくることを楽しみにしています。今回来社してくれた学生は、それだけのポテンシャルはあると思います。期待しています。

教員コメント

経済学部
松村 幸四郎 教授

これまでは、社会に出るまでの間は、消費税が一番身近である、ということで足りていたのが税に関する問題でした。しかし、近時は若くして人気ユーチューバーになった際に大きな収益を得られる機会が身近なものとなりつつあることから、様々な税制度についての理解を深める必要が生じつつあります。
納税義務は知らなかったでは済まされない問題であることは年齢如何を問わないことから、大島靖之税理士にお願いし、事務所訪問を行いながらヒアリングを実施しました。
参加学生達は税に関する問題について、自分のこととして位置づけようとする姿勢を持つようになりました。
大島税理士にはこの場を借りまして、深く感謝申し上げます。