「自分っていつも同じではありません。一年一年、経験と共に変化します。だからこそ毎年、自己を知ることは大きな意味があるのです。」
国際コミュニケーション学部では新入生が“自ら問いを立てる自主性”が求められる大学での学びに慣れ、相互理解を深めるために入門ゼミがあり、3回生が教員を補助するSA(STUDENT ASSISTANT)を務めます。12月11日、このSAの谷口芹奈さんと堀ひまわりさんが90分間の授業を行いました。
 二人は身近な先輩として新入生に寄り添い、発言しやすい雰囲気作りや学生生活上のアドバイスを行い、時に不安や悩みの相談にのってきました。この日のテーマはキャリア心理学で学んだカードを利用した自己分析とコミュニケーション特性の把握手法、並びに他者との関係性構築に向けた承認と受容の思考法です。
 「楽天的だけど慎重さがない」「打ち解けないと本音で話せない」、二人が9人の1回生を言語で解説すると「あー、その通り」「私って外から見ると、こうなんだ……」とため息まじりの慨嘆が沸き起こりました。誰よりも解っているようで、とらえきれない本当の私。就職活動を意識し始めた二人は「人それぞれ価値観は違うので、受け止め方も違ってきます。様々なタイプの人と上手に付き合っていくには、自己理解だけでなく他者理解も必要になってきます。自分とは対極となる性格を持つ他者との付き合い方をもしっかり理解し、社会に出てからも通用するコミュニケーション能力を身に付けて欲しい。」と語りかけました。
 このSAによる入門ゼミでの講義は初めてではありません。夏休み前には「旅行を豊かにするためには」をテーマにプレゼンテーションの仕方を教えました。A4一枚にコンパクトに企画をまとめ、キャッチフレーズを考案し、どうすればオリジナリティが出せるか、強調と省略を意識して、どのような構成で、如何なる表現を駆使すれば意図が際立つのかを伝えました。言うまでもありませんが、授業には伝えたい真摯な想いと正確性が不可欠ですし、大きな責任を背負う覚悟なくしては決して許されるものではありません。教えることは99%の準備と1%の実行に他ならず、二人は間違いや曖昧さがないよう、1度目は未明まで今回の受業に向けても長い時間を準備に割きました。学生による学生のための授業、こ二人のSAの想いが新入生に引き継がれることを願っています。
文責 国際コミュニケーション学部 坪井兵輔

担当SAの感想

堀ひまわり

 今回の入門ゼミでは、私達SAが教える立場となり、谷口さんと私が所属する寿山ゼミで学んだSPトランプを紹介させて頂きました。 当日まで、どんな順序で授業を進めていくか、ゼミ生に一番何を伝えたいかなどを谷口さんと話し合ってきました。とにかく楽しみながら、学んでもらえたらという思いを持っていたので、一回生達が和気藹々と取り組んでくれている様子が嬉しかったです。学生に比べ、社会に出るときっと今よりも様々なタイプの人がいて、人間関係の厳しさに悩む事もあると思います。しかし、今回個々に課題が見えてきたと思うので、それを少しずつでも意識していってもらえたら嬉しいです。

谷口芹奈

 堀さんと私で1回生に向けて、SPトランプを使った授業をしました。52枚の性格が書かれたトランプの中から10枚のカードを選ぶ時に「これ私に当てはまるな〜」「○○はこの性格が当てはまってるよ!」と、ペアで仲良く楽しみながら取り組んでくれている姿を見て、とても嬉しかったです。SPトランプは自分を知り、相手を知ることができるので、他者とのコミュニケーションはもちろん、これから先の就職活動の自己分析にも役立ちます。自分の行動次第で選ぶカードは毎年変わってくるので、来年にもう一度SPトランプを使って自己分析をし、新たな気づきや発見をしていただきたいです。今回の授業を通し、「伝える」ということの難しさを知ることができ、緊張することにも少し慣れたので、自己成長に繋がりました。