2022年5月24日 (火) 15:00~16:30の「入門ゼミ」(1年生対象) において、哲学者の浜野研三先生による「人権講演会」が行われ、松本ゼミ、曺ゼミ、大野ゼミ、坪井ゼミ、武藤ゼミが参加しました。
浜野先生は、2000年4月から関西学院大学文学部で哲学の教授を務められ、2019年3月に定年退職、2019年4月からは関西学院大学大学院文学研究科で哲学の非常勤講師をされています。
  • 図1 講演会風景①

 この日は、「人権」という言葉を理解するために、人間が社会的動物であり、人との繋がりのなかで支え合いながら生きており、相互の連帯なしには豊かな人生を送れないことや、自分・自己の形成にとって他者・社会・世界がいかに大きな影響を及ぼしているか、また互いの人権を守り合うことがいかに大切か、などが解説されました。そして、人権を考えるうえでの具体例として、職場において心身の破壊をもたらす過剰な労働が課される背景や、メディア報道の在り方、死刑制度のことなど、幅広い観点から採り上げて論じられ、我々が社会学的想像力(個人的な問題を社会の構造との関連で理解する能力)を働かせて考えることの重要性を説かれました。
今回の講演会が、学生の皆さんや教職員にとって、今後の生活の参考になれば幸いです。

【浜野先生からのメッセージ】

中原中也が歌ったように、既に世界中で様々な悲しいことが起きていますが、お互いいろいろ勉強して自分が責任を持てるように努力しながら、楽しく生きることを試みましょう。自分が自由に考え判断することを邪魔する力に負けないでお互いの人権(自由に自立した人生を送る権利)を守り合いながら。
  • 図2 講演会風景②

1974年 京都大学文学部卒業
1980年 京都大学大学院 修了
1986年 ペンシルベニア大学大学院 修了 (博士号取得)
1987年 京都大学文学部 助手
1995年 名古屋工業大学 助教授
2000年 関西学院大学文学部文化歴史学科教授
図3 浜野研三先生 主なプロフィール