語学研修で得たこと(土谷 舞)

国際コミュニケーション学部1回生 土谷 舞

 私が今回の語学研修でセブを選んだ理由は、説明会で聞いた相手先の学校の授業制度に惹かれたからです。また、セブ島はリゾート地であるとも聞いたからです。
 しかしセブに行ったことのある友人には、治安が悪く日本と違うとこが多いので一か月もいるのは大変ではないかと言われました。私はそれを聞いて少し不安になりました。実際、現地につくと道端で寝ている人がいたり、ストリートチルドレンに物乞いをされたりと治安の悪さを感じる場面も何度かありました。そして寮に入ると部屋に蟻がたくさんいたり、食堂ではハエが近づいてきたりで本当に日本に帰りたくなりました。
 ですが、授業が始まるようになると私の考えは変わりました。マンツーマンの授業では私のレベルに合わせて楽しく授業を進めてくださいました。グループレッスンの人数は、多くて5人とかなので先生にしっかりと見てもらうことができました。毎日7時半から18時まで授業があったけれど、本当に楽しかったので長いなどと感じませんでした。

 セブに来てから3日くらい経った日に仲良くなった先生が放課後のバスケットボールに誘ってくれました。そこでは先生たちはもちろん日本人学生、韓国人学生、寮のガードマンまで皆一緒になってプレーしていて本当に楽しい場所でした。フィリピン人は初対面でも親友のように気さくに話しかけてくれるので、私はそこでたくさんの人と仲良くなることができました。そして3日目にして、もう日本に帰りたくないと思うほどセブが大好きになりました。学校でも授業をとっていない先生たちとも仲良くなることができました。
 悪ふざけをしたり放課後も一緒に遊んだりして、先生たちとは本当に友達のような間柄でした。私は彼らといろんな話をしました。楽しい話も凄く個人的な話も私は彼らに話すことができました。また、相手も自分の過去の話などとても大切な話をしてくれました。どれも私にとったら特別で大切な話だったけど、中でも一番印象に残った話があります。それはフィリピンの貧困の差についてです。自分が実際に見たストリートチルドレン達と、仲良くなったフィリピン人との格差があまりにも大きかったのです。ストリートチルドレンは哺乳瓶のミルクを買うお金さえありませんでした。でも仲良くなった友人は車を4台持っておりお手伝いさんが8人もいると言っておりました。私はこんなに格差があると思っていなくて本当に驚いたと伝えました。彼は今のフィリピンの政治や問題視されている貧富の差について真剣に話してくれました。そして同時に日本がどれだけ恵まれているか、私たちが毎日学校に通えて、寝る場所がありご飯も3食食べられることがどれだけ幸せなことかを教えてくれました。

私は今までもこのような話を日本で教えてもらったことがあったけれど、実際に体験している現地の人に教えられるとより深く感銘をうけました。それは彼が本当に大切で大好きな友人だったからこそ、私はここまで真剣に受け止めることができたんだなと思いました。私は絶対に彼の話をこの先も忘れません。
 一方で、寮生活についてですが、寮でも学校でも私たちは韓国人学生と共に生活をしました。そこでの会話ももちろん英語なので意識しないうちにどんどん英語が話せるようになりました。韓国では、歳が1つでも違うと友達ではなく姉妹という関係になるということを知りました。なので、私たちは彼女たちのことを“オンニ”(韓国語でお姉さんという意味)と呼んでいました。勉強を教えてくれたりネイルをしてくれたり、彼女たちは本当の姉のように接してくれました。日本へ帰るときも朝早いにも関わらず、送りに来てくれました。皆泣いてくれ私もとても寂しくて号泣してしまいました。そしてオンニに抱きしめられながら、日本に帰っても一生懸命勉強するのよと言われました。私はこの約束は絶対に守ろうと決めました。

 今回のセブでの生活で私は初めて親元を離れて海外で過ごしました。日本との違いに戸惑うことも少なくはなかったですが、それを忘れてしまうほど楽しかったです。毎日が充実した思い出で英語以外にもたくさんのことを学ぶことができ、成長できたと思います。語学研修は私にとって本当に大切で貴重な体験となったので、今後の長期留学にもぜひ活かしていきたいです。