2021.10.20

大学生のためのストless ケアプロジェクト by学生×保健室×学生相談室

目次

1.はじめに            
・本プロジェクトのきっかけ
・今回のプロジェクトを通して学びたいこと
2.プロジェクト内容           
3.仲村渠先生・中尾先生プロフィール    
4.ストレス対処法(Q&A形式)      
5.学生相談室紹介及びコロナ禍について
6.ストレス軽減のためにおすすめしたい本、映画の紹介  
7.ゼミ生の感想
8.プロジェクトを終えて 賀川真理

1.はじめに

本プロジェクトのきっかけ

 ゼミ仲間とストレスについて話していた際、メンバーの一人が高校時代にうつ病になりかけた経験があると知りました。そのことから、「友達には二度と同じような経験をしてほしくない」、「うつ病の定義って何?」、「最近、気圧の変化で気分が変わることあるよね」、「SNSでストレスを感じている人が増えているみたい」と、次々に身近なストレスに対する思いを口にしはじめました。
 普段一緒に過ごしているメンバーがこうした思いに賛同してくれたことから、このプロジェクトがスタートしました。そして、現代社会で暮らす、ストレスを抱えた若者に少しでも役に立つことが出来ればと考え、このプロジェクトがはじまりました。

今回のプロジェクトを通して学びたいこと

 まずは保健室の先生から話を伺い、ストレスの発散方法やメンバーの悩みを解決し、うつ病について等の知識を得ることで今後の役に立てることができると考えました。また、私たちは来年の3月から本格的な就職活動を控えています。その中で、自分は何をしたいかがわからず、なかなか内定が取れないと、自分は社会から必要とされていないのではないかと悲観的になってしまう人が出てくる可能性があるのではないかと思案しています。そこで、学生相談室の先生から話を伺い、就職活動を行う上での心構えや初対面の方と話すときの不安やプレッシャーとの付き合い方などについて学びたいと考えるようになりました。
 このプロジェクトでは、ストレスを撃退するのではなく、どのようにして向き合っていくべきなのかを助言することを目的としています。この記事を読んで、少しでも参考にしてもらえるととてもうれしいです!
 その他にも、SNSの発達によって自分に自信が持てず、周りと比べてしまう人は多いのではないでしょうか。そんな人に向けて、メンバーによる本の紹介もしています。

プロジェクト内容

仲村渠先生・中尾先生プロフィール

仲村渠先生

仲村渠 砂絵子(なかんだかり さえこ)看護師・思春期保健相談士・応急手当普及員
阪南大学20年目 2007~2012年度「性と生」リレー講座講師
好きな言葉:「命どぅ宝」「ゆいまーる」
趣味:「沖縄&八重山」。特に心のふるさと鳩間島での浮き身(時々素潜り)と島人とのゆんたく。

中尾先生

中尾 佳寛(なかお よしひろ)臨床心理士・公認心理師
阪南大学学生相談室カウンセラー(4年目)
趣味:料理。タニシやメダカ等水生生物の飼育

ストレス対処法(Q&A形式)

学生相談室紹介及びコロナ禍について

ストレス軽減のためにおすすめしたい本、映画の紹介

ゼミ生の感想

 ストレス解消法と言っても人に相談する、太陽光を浴びる、アロマオイルなど想像以上に多くの方法があり、どれも直ぐに実践できる簡単なものだった。
 また、ストレスとは避けられないもので、日常生活からリズムを整えて、自分に合ったストレス解消法を試し、上手く付き合うことが重要だという事も理解できた。ストレスを抱えている時は不安でつい悪い方向に考え込んでしまうが、解消法としての知識を少し持っておくだけでも、ストレスを感じた時の不安が軽減されると感じた。
浅田柊生

 ストレスとは、体に反応が出る「頑張るストレス」と、心に反応が出る「我慢するストレス」があることを知りました。そのため、ストレスを1つのものと括るのではなく、それぞれのタイプに合った対処法をすることが大事だと学びました。また、私は嫌なことを一度思い出すと、次々と嫌な出来事を思い出してしまうのですが、このような過去の失敗にクヨクヨと支配されるのはヒトだけだと聞いて驚きました。今後、ショッキングな思い出に浸ってしまっても、先生からご紹介していただいた「逆説志向」を活用して、マイナスな感情を逆手に取っていこうと思います。
 今回のお話を聞いて、もしストレスを感じても、それに上手く対応できる術を活用して上手く対応していこう!とストレスに対して前向きに捉えることができました。そして、家族や知り合いがストレスで悩んでいる時には、今回学んだことを活かしてストレスの悩みを少しでも減らしていきたいです。
小幡あみ
 ストレスや自律神経について学ぶ事ができてとても有意義な時間だった。特に自律神経については、自律神経の乱れから来る疲労や倦怠感に悩まされていたので、その場で学んだ対処法や知識を日常生活の下で活かしていこうと思う。
 また、ストレスは忌避するものだと思っていたが、ストレスに向き合うことも重要だということを学んだ。
河合和也

 私は今回のプロジェクトで、先生から教えていただいた言葉でとても印象に残ったものがあります。それは「相談力は生きる力」という言葉です。
 私は昔から進路についての相談などを友達や親にせず何でもかんでも自分で決めてこれまで生きてきました。つまり、それは自立という形で良いことだと考えてきたからです。しかし、最近は就職活動において自分のしたいことやこれまで何をしてきたかということが自分で全くわからなくなりました。なので、今の私には「相談力は生きる力」という言葉がとても印象に残りました。
川上一成

 ストレスは自分自身に対して害を及ぼすだけのものであると思っていた。だが、適度なストレスを自分に与えることで、自分自身の成長へとつなげることができることを学んだ。その学びから、ストレスをどうなくしていくかではなく、ストレスとどう向き合っていくべきなのかを考えていくことが自分自身の成長への近道であると感じた。
 自分は面接や企業説明会の時に緊張してうまく発言することができないことを何度か経験したことがある。今回のプロジェクトで緊張する場面に居続けることによって克服していくことを学んだ。そのため、面接対策を受けるなど緊張する場面により多く触れることで緊張することなくこれからの面接に挑戦していきたい。
川路龍弥

 今回のプロジェクトを通して学んだ事は、「相談力は生きる力」ということである。私は、幼い頃から周りに迷惑を掛けない人であれ、と教わっていた。しかし、それは時として、自分で自分の首を絞めてしまう可能性があるということに気付かされた。この助言を得ることが出来たのは私のこれからの人生において、とても重要なものであったと感じた。
 また、お話の中でストレスの起源からストレス発散方法やストレスが起因となる自律神経の乱れについても教わることが出来た。これらのことは間違いなく将来に役立つものであると実感した。そして、不安の多いこの世の中で、少しでもゼミのメンバーが将来、このプロジェクトで学びがあったと感じてくれれば、それ以上に嬉しいことはない。
河原夕綺

 今回のプロジェクトで精神と身体は一体化しているということを再認識しました。
なぜかというと、ストレスの発散方法や、上手な付き合い方として呼吸法や規則正しい生活、日光浴、運動などがあり、これらのことは心というよりも体で体感するものだと考えられるからです。
 また、その他に私が印象に残っていることは、保健室の先生がカウンセリングなどを利用しているということです。それを知るまでは、普段人をケアする側の人は自分のストレスや悩みを自己解決するのだろうと思っていたので、様々な人がカウンセリングなどを受けているということに気がつきました。
 カウンセリングや心療内科と聞くと物凄く深刻に考えたり、普通ではないと捉える人がいると私は感じていたので、先生がそのような場所を利用していることを躊躇なくおっしゃっていて、もっとカウンセリングを利用したりすることがカジュアルになれば良いなと思いました。
菊池杏

 ストレスには、体に反応する頑張るストレスと、心に反応する我慢するストレスがあることを知りました。ストレスのサインを知っておくことで、自身の変化を把握しやすく、自分が今ストレスを抱えていること、どのストレスなのかを知ることが必要だと分かりました。また、それぞれのストレスにあった対処法をすることが大事なことだと学びました。
 また、緊張することが多々ある自分にとって、緊張せず、落ち着いて面接に臨むためには何が必要なのか。そして、時間の経過によって不安の強さは弱まっていき、あえて長く居続ける方が緊張せずに行動こるということを知りました。その考えは無かったため、面接など緊張する場所に行く機会があれば試してみようと思いました。
桑波田勇輝

 ストレスについて深く向き合えた90分でした。ストレスを発散させるために太陽を浴びる、3食しっかり噛んで食べる、泣くなど、簡単に実践できることが多くて自分の生活に取り入れやすかったです。食事がストレスに関係していることが意外でした。甘いものを食べると一気に血糖値が上がりそれを下げようとインスリンが分泌され、今度は下がった血糖値が上がるという、この上げ下げがメンタルによくないということを学びました。
 以上のことから生活習慣が心の安定に重要な役割を果たしていることが分かりました。「1つの悩みは3人の大人に相談する」という言葉は私の中で1番心に残った言葉でした。 1人の大人に相談して理解してもらえなかったら落ち込むこともありますが、より多くの意見と触れることが重要だと気づきました。私は夜眠れないのと、朝起きても疲れが取れていないことが多いので、安眠について学ぶことができてよかったです。また、褒め褒めシャワーでは、学生同士で交流できて仲が深まりました。今回のプロジェクトで私たちが学べたことを、ホームぺージでたくさんの人と共有していきたいと改めて思いました。
山本穂香


プロジェクトを終えて 賀川真理

 皆さま、「大学生のためのストレス・ケア・プロジェクト」 をお読み頂きありがとうございました。
 日本で新型コロナウイルスの感染が初めて確認されたとき、これが、私たちの生活にここまで大きく、長く影響を及ぼすことを誰が予想できたでしょうか。2020年3月の卒業式、そして4月の入学式が中止されただけでなく、授業が遠隔で行われ、キャンパスライフの様々な場面に制約がかかり、そして皆さん自身の生活にも大きく影響が出ました。皆さまの心の中にも、慣れないことへの対応やこれまで通り自由に外出して友だちと会って話したり、旅行することができなかったり、「マスク生活」など、知らず知らずのうちに、ストレスが生じてきたのではないでしょうか。
 私たちのゼミでは、遠隔授業の時には毎回事前にテーマを決めてディスカッションを重ねてきましたが、3年生のゼミで話すテーマがなかなか決まらず、それならばということで、今抱えている不安について話す機会を設けました。そこでは、コロナ禍で、日々の生活だけでなく、今後の就職活動について話をすることもありました。その際、私から過去の学生たちが面接でどのような問題点に直面していたのかを話していた時、ある学生が「自分は他人から何を言われても動じない」、すなわち受け流すことができ、ストレスを感じたことがないとさえ言ったことに、誰よりも私自身が驚きました。
 そこで今回、ストレスとどのように付き合うかという点について、私たち自身では解決できないことも多いので、保健室の先生や学生相談室の先生に聞いてみようということになりました。プロジェクトを実施するにあたり、プロジェクト名を考えるのに1時間近くを費やしたこともありましたが、できるだけ学生たち自身で考え、事前質問も先生方に送らせて頂きました。
 プロジェクト自体は7月に実施しましたが、その後大学のホームページに掲載するにあたり、学生たちはより多くの皆さまに本プロジェクトを知って頂き、ストレスを少しでも軽減して頂くために、より親しみやすく、見やすい資料となるように工夫しているうちに、今日になってしまいました。Q&Aは、プロジェクト当日、学生たち自身がノートを取ったものを持ち寄り、「回答」として書いたものですし、おすすめの本や映画は、保健室や学生相談室の先生方の意見をヒントに、学生たち自身が読んだり見たりしてコメントを書きました。
 これからも、当面新型コロナウイルスや日常生活でのストレスを「撃退」や「解消」することは難しいかもしれませんが、こちらの記事をお読みくださった皆さまのなかに、ひとつでも「これをやってみよう」「この本を読んでみよう」とストレス軽減の手掛かりを見つけて下さった方がいらっしゃれば幸いです。そして「ちょっと困ったな」というときは、保健室と学生相談室のドアを気軽にノックしてみて下さい。ドアは皆さんに開かれていますので。 
賀川真理