2021.2.12

Plaza de Comunicación(プラサ・デ・コムニカシオン)vol.04

 今年も賀川ゼミの学生が、この「プラサ・デ・コムニカシオン」に掲載する原稿を執筆しました。ゼミでは各新聞社のコラムを読み、その特徴や興味深いスタイル・内容を指摘し合い、英字新聞に関しては、なぜ見出しにその単語が使われたのか、その言葉にこだわって検討を加えてきました。
 そして今度は自らが執筆者になり、「コラム」に挑むことにしました。毎年学生には、各自が「今、最も伝えたいこと」をテーマに選んでもらっていますが、今年は予想通り、多数の学生が「新型コロナウイルス」に触れる内容となった点に特徴があります。言うまでもなく、それだけ「新型コロナウイルス」が学生の生活に根深く影響を与えている証拠であると考えられます。
 さて、第1弾は基礎演習履修者(2年生)による「コラム」をお届けします。ご一読いただき、執筆者の想いを汲み取っていただければ幸いです。
賀川真理

多彩な色が共存するために
小幡

 最近の文房具では、色を表現する際に「はだいろ」という名称が使われなくなった。日本の文具企業「ぺんてる株式会社」は教育的に肌の色を画一的に決めるのではなく、子供たちに自由な発想力を磨いてもらうため、1999年から「ペールオレンジ」と名称を改めたのだ。欧米では「スキントーン」という名称で、肌の色のクレヨンや色鉛筆が誕生している。
 アメリカの老舗メーカー「クレヨラ」は世界文化多様性デーの2020年5月21日に、24色のスキントーンを集めたクレヨン「カラーズ・オブ・ザ・ワールド」を発売した。「クレヨラ」はかつて肌の色を、白人を基調とした「フレッシュ」(肉色)という名称にしていたが、アメリカ市民権運動の影響で1962年に「ピーチ」に自主的に変更したのだ。
 近年、アメリカでは人種問題による悲惨な事件が多発している。2020年5月には、黒人男性が警察官に首を膝で抑えつけられて死亡してしまう事件が発生した。2021年1月には連邦議会議事堂乱入事件で5名の死者が出てしまった。連邦議会議事堂乱入事件で訴追された1人は、フェイスブック上で白人至上主義者を自称している。連邦議会議事堂乱入事件において、トランプの扇状的な発言が白人の過激派を刺激したことで起きてしまった。
 アメリカのバイデン大統領は、人種差別解消に向けた政策の実行を試みようとしている。黒人以外にも新型コロナウイルスの感染拡大により、アジア系の差別も増加している。しかし、政府が人種差別を防ぐために政策で抑制するだけでは、かえって人種間での対立が深まるではないだろうか。肝心なのは、国民一人一人が人種差別に問題意識を持ち、見た目や出身の違いを受け入れ、相手を理解しようとする気持ちを持つことである。様々な人種の国民が認め合えたら、住みやすい多国籍社会を創造できる。絵も1つの色だけでは、描けるものが限られている。様々な色があるからこそ、鮮やかで美しい絵が描けるのだ。これからのアメリカがカラフルな色彩を持つことを願いたい。

【参考文献】
週刊NY生活,世界の肌色 クレヨラが発売 24色の多様性 – 週刊NY生活ウェブ版 (nyseikatsu.com)(閲覧2020年6月11日)
Crayola,クレヨン年鑑 | crayola.jp(閲覧2021年2月11日)
TBSラジオ,絵の具・クレヨン・色鉛筆から「はだいろ」が消えた!現代の「はだいろ」とは (tbsradio.jp)(閲覧2021年2月1日)
NHKニュース,バイデン大統領「人種差別解消へ政策実行を」関係機関に命じる | NHKニュース(閲覧2021年2月1日)
産経ニュース,米議会議事堂襲撃、乱入者は…極右や陰謀論者、極左による陰謀論拡散もFBI「関与なし」 - 産経ニュース (sankei.com)(閲覧2021年2月1日)

人を動かすために必要なこと~台湾のコロナ政策から~
河原夕綺

 人を動かすために必要なこと。それは負け顔を見せることだと思う。2020年、武漢で発生した新型コロナウイルスが流行し、世界各国がコロナの封じ込めに悪戦苦闘している。そんな中、台湾ではコロナの封じ込めに成功し、かつての生活を取り戻しつつある。ではなぜ、封じ込めに成功したのか。そこには負け顔を見せた勇気あるリーダーたちがいたからである。ここでは、その行動について紹介しよう。
 2020年2月、武漢に住む台湾人を保護しようと政府は奮闘していたが、中国とのしがらみが原因で保護することが遅れてしまったそうだ。それによって保護した人の中から感染者を出してしまう事態となった。そして保護された人達が台湾に帰国した次の日の記者会見で、台湾の政府関係者は涙ながらにその旨を伝えた。ここで一度考えてみてほしい。これまでに記者会見で政府関係者が涙するという負け顔を目の当たりにしたことはあるだろうか。私はない。ちなみに、この涙の記者会見は台湾人の心を動かし、政府を信じて行動したことでコロナの封じ込めに成功した要因と言われている。
 負け顔を見せるリーダー。それはこの話にとどまらず、歴史上の人物にも存在した。16世紀後半に絶対王政を築いたイギリスの女王、エリザベス1世である。在位中、世界最強と呼ばれたスペインの無敵艦隊との戦争で彼女は奇跡的に勝利を収めた。その要因としては、女王自らイギリス兵を鼓舞しに行ったためと言われている。その後、勝利を収めたイギリスは覇権国へと上り詰めた。
 「コロナに打ち勝つ」そのためにはリーダーが負け顔を見せる必要があると私は考える。自分自身のプライドのために保身に走るか、国のためにプライドを捨てて、負け顔を見せるか。その後の結末は一目瞭然であろう。    

あなたにも当てはまるかもしれない現代病
菊池杏

 みなさんは現代病というものをご存知だろうか。現代病にも様々な種類があるが、現代病と聞いて真っ先に思い浮かぶものを挙げるならば、それは生活習慣病ではないだろうか。もちろん生活習慣病を抱えている人は多い。しかし、現代社会が経済的に豊かになり、科学技術や医療技術の進歩、SNSの普及など、便利で快適な生活が実現している中で、ストレスに悩み、精神面での現代病を患う人が急増している。
今回はストレス社会で生きる人々の現代病と若者ならではの現代病を紹介していく。一体あなたにはいくつ当てはまるだろうか。
 1つ目に紹介するのがスマートフォンの使いすぎにより起こる「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」だ。「ドケルバン病」とは親指と手首を繋ぐ2本の腱と腱鞘がこすれあい炎症が起きることである。利き手をまっすぐに伸ばして、親指を内側にして握る。そして、手首を小指側に曲げる動作をしたときに手首の付け根が痛む場合はこの病気の疑いがあるといわれている。
 2つ目はマスク依存症だ。マスク依存症とはマスクをする必要がない場合でもマスクを着用し、それを外すことに抵抗があるという精神状態のことを指す。特に20代から30代の女性がなりやすいといわれている。新型コロナウイルスが流行している今でこそマスク着用が日常になっているが、思い返してみればいつもマスクを付けている人がクラスに一人必ず居たという経験はないだろうか。また、若者の間ではコンプレックスやすっぴんを隠すためにマスクを着用することもあるようだ。
 3つ目は新型うつ病である。新型うつ病は非定型うつのグループに属しており、多くの人がイメージするであろう従来のうつ病、いわゆる定型うつと違いは学会で病気として認定されていないということである。また、新型うつは人によって症状が様々であるという特徴を持つのだ。従来のうつ病の症状には不眠や食欲不振などであるのに対して新型うつは過食や仮眠などが症状として表れる。その他にも感情の起伏が激しく不安定であったり、社会の規範などに対して、強いストレスを感じているため、投薬をしても改善される見込みが少なく、ストレスを感じる場所や環境を変えることで症状改善の見込みがあるといわれている。新型うつには一見ただのわがままのように思える症状も見受けられる。
 些細なことがストレスに変わってしまう現代人がストレスに打ち勝つ方法は、自分自身を愛し、自分の時間を大切にすることだ。適度な息抜きも必要である。たまには携帯を置いて、太陽と緑ある自然を感じてみてはどうだろうか。    

バレンタインデーの固定観念
山本穂香

 お正月が終わり、次のイベントごとは2月14日にあるバレンタインデーとなった。2月14日は世界各地で「恋人たちの日」として祝われている。さて、皆さんはバレンタインデーについてどのようなイメージを抱き、どのような知識を持っているのだろうか。
 まず初めにバレンタインデーの起源は、3世紀のローマ帝国皇帝クラウディウス2世が、愛する人を故郷に残した兵士がいると士気が下がるという理由で、兵士たちの婚姻を禁止したことから始まった。キリスト教の、司祭であるウァレンティヌス(valentinus)はこの政策に反対し、隠れて多くの兵士たちを結婚させていた。このことが皇帝の耳に入り、皇帝はウァレンティヌスに二度とそのようなことがないように命令した。しかし、ウァレンティヌスは愛の尊さを説きその命令に従わなかったため、2月14日に処刑されてしまったのだ。後世の人々が勇気ある行動を讃えて、2月14日を「Saint Valentine’s Day」とお祈りするようになったのがバレンタインデーの起源である。
 バレンタインデーというとチョコを女性から男性へ送るというのが一般的である。しかしこの文化は実は日本だけである。世界各国のバレンタインデーは、プレゼントやプレゼントをあげる対象など、日本と多くの違いがあったのである。フランスでの定番のプレゼントは真っ赤なバラだ。さらに、男性から女性にプレゼントすることが一般的である。アメリカでも男性から女性に花やカードをプレゼントすることが一般的だ。日本でいう義理チョコなどの文化も存在しないのである。また、台湾では2月14日だけでなく、旧暦の7月7日にもバレンタインデーが存在しているのだ。
 このように、今自分が住んでいる国や習慣が世界の共通認識と誤解していることがバレンタインデー以外にもたくさんあることがわかった。今住んでいる国、身の回りの文化や習慣に囚われることなく固定観念を覆していくことで、また新たな知識が増えていくのだ。これからの私たちは多角的な視点を持ち、理解して、グローバルな思考を養っていくことが大事なのである。