専門演習1の学生が、来年度に仕上げる卒業研究を書く前に、「今、最も気になること」、「今、最も伝えたいこと」についてコラム風に書いてみました。各自の関心に基づいたもので、この中には卒業研究のテーマや就職、将来を見据えたものもあります。
 大学3年次生の想いやメッセージをお読みいただければ幸いです。
賀川真理

紙幣からキャッシュレスの時代へ
伊藤 航介

 今回は私たちの身の周りにある紙幣について、その起源と変化について考える。日本の硬貨は、708年に初めて発行されたとされている。それからは、物を買う際には金貨や銀貨などの金属で支払うのが中心であった。硬貨は持ち運びやすく、信憑性が高かったことが流通した大きな要因といえる。
 しかし江戸時代に入って人口が増加すると、硬貨を作るための金属が不足するようになった。そこで着目されたのが、海外で流通していた紙幣であり、その後日本では紙幣が発行されるようになった。
 そのような遥か昔から続いてきた貨幣社会が、終わろうとしている。現代ではクレジットカードが普及しており、現金の必要性が少なくなってきているためである。
 スウェーデン中央銀行によると、2010年に40%近くあった同国の商取引上の現金支払いは、2016年に約15%まで減少した。これは世界的に見ても稀な動きといい、現金の利用減少傾向は今後も世界的に加速すると予想されている。
 このように、世界中でキャッシュレス化が進んでいる。お金を電子化して便利になったことで、徐々に紙幣という概念は忘れ去られていくのだろう。キャッシュレス社会になり便利になる反面、現金がなくなってしまうことに対し、何か寂しくさえ感じる。

就職以外の道
乾 大輔

 日本の大学生は、就職活動をして企業に入ることが一般的だ。しかし、現在フリーランスと呼ばれる働き方がある。「自由でありたい、時間に縛られたくない」といった考えに基づくもので、会社や団体に所属せず、個人で仕事を請け負う働き方を指す。もとはアメリカで使われており、ネットの普及とともに日本でも使われるようになった。例を挙げると、Webデザイナーや投資家、ブロガー、フリーライター、インスタグラマーなどがここに含まれる。
 語源は、中世ヨーロッパが始まりである。“Freelance”を直訳すると「自由な槍」。槍とは、この場合、中世の槍騎兵を指している。この時代、王や貴族が戦争ごとに傭兵団と契約するという文化があった。この兵士の中に個人で契約する者をフリーランサーと呼んだ。ここから、近世では団体組織から離れて個人で活動する者を意味するようになった。
 フリーランスは自由業とも呼ばれ、自由で楽な職業に思われがちだ。しかし、デメリットも多い。会社員に比べて社会的信用が得にくいし、保険や税金もすべて自分の力でやりくりしなければならない。さらに、人脈や専門的なスキルもなければ、収入も安定しないことがある。新卒や社会経験が浅い者ならば、足元を見られ、安い依頼料で契約されることもある。そのため、お小遣い稼ぎの副業としている人たちが多いが、フリーランスを本業に生計を立てている人も少なからず存在する。
 この働き方は、ネット環境の発達とともに増えている。2016年には、日本で1000万人を突破した。日本以外でも注目されており、アメリカでは労働人口の35%を占め、2020年には50%近くまで行くとされている。今後、ITはさらに普及し、日本でも徐々に増えていくと予想される。
 現在、日本はインバウンドも増加し、超売り手市場だ。その中でも会社に勤めず、フリーランスでいることは決して「逃げ」ではない。現にある、新しい働き方だ。生き方は十人十色、正解かどうかではなく、自分で選択し挑戦することも大切だ。

消防士の知られざる活動の成果
小原 優弥

 消防士は、「市民の生命、財産を守る」ことを目的として仕事をしている。消防士の仕事内容は、大きく分けて警防・予防・救助・救急の4つである。警防は、火災を早く消すための専門的な消火。予防は、建物に設置されている消防設備が消防の法律に適合しているか検査し、火災や災害による被害を予防、軽減することを仕事。救助は、災害現場で動けなくなった人や、建物に閉じ込められた人等を救助する仕事。そして救急は、怪我や病気で苦しんでいる人を手当てして病院へ搬送することを仕事としている。
 しかし、世の中で消防士の仕事とは、消火活動、救助活動、救急活動のイメージが持たれている。それは消防士の仕事の中で、この3つは、市民の前で仕事をし目立つからである。実際に消防士の仕事は、他にもたくさんある。例えば、予防課員、航空隊員、火災原因調査員、機関員などである。
 昔に比べて火災の件数は、だんだん減っている。この10年間の出火件数を調べてみると、平成18年以降おおむね減少傾向となっており、平成28年中の出火件数は3万6,831件と、前年に比べ2,280件(5.8%)減少し、10年前(平成18年中の出火件数)の69.1%となっている。また火災による死者数も、平成18年以降おおむね減少傾向にあり、平成28年中の火災による死者数は1,452人と、前年に比べ111人(7.1%)減少し、10年前(平成18年中の火災による死者数)の70.2%となっている。
 これは、消火活動、救助活動、救急活動のおかげであるが、大きく関わっているのは、予防の仕事である。平成18年6月1日住宅用火災報知器の設置が、住宅で義務化されている。カーテン、じゅうたんなどの燃えるものは、防災製品の普及推進で火災が減っている。
 このように、災害が起こった時、多くの人は起きた後の活動に目を向けがちだが、実際は災害が起こる前の活動(予防)に力を入れていることがわかる。

参考サイト

ストリーミング配信の時代
小坂井 洋夢

 2019年現在、音楽業界はCD販売よりストリーミングで配信する方が多くなってきている。日本はCD大国で、かつてはミリオンヒットも記録するアーティストが大勢いた。しかし音楽業界各社は、CDが売れなくなったと口を揃えて言う。その理由として、Apple musicやSpotifyなどで月額料金を払えば、ジャンルを問わず世界中の音楽を聞けるようになったので、ストリーミングサービスを利用する人が増えたからだと考えられる。お試し期間などもあり、月額が比較的に安く、いつでも辞められるため、始めやすい。
 実際にストリーミング配信の売上高を見てみると、2010年には7億円だったが、2019年では30億にまで拡大している。ストリーミング配信を利用すると、再生もワンタッチするだけでできる。気になったアーティストもお店でCDを探さずに簡単に検索して見つけることができる。スマホ普及率が8割の現代のニーズに、ストリーミング配信がフィットしているのも、流行している要因と考えられる。
 便利なストリート配信だが、デメリットもある。ある音楽評論家は利便性が高まるが音楽の価値は下がると言う。誰かに勧められて聞き、誰が歌っているかを意識しなくなるため、アーティストの存在が希薄になるからだ。
 またストリーミングサービスは安価で始められるが、その反対にアーティストにしっかりと対価が払われていない。ストリーミングサービスの一つSpotifyでは、1再生あたり0.16円がアーティストに支払われている。海外と違って日本は音楽を聴く人が少ない。YouTubeでも、海外と日本の視聴回数は一桁違う。日本のアーティストが利益を得るには、CDを売ったりライブをしたりすることで、単価を上げなければいけない。ストリーミングサービスは、利用者は気軽に始められるが、アーティストに対しては対価をきっちり払う必要性がある。
 これから先、モノは所有する時代から共有する時代に変わってきているので、ストリーミングサービスはこれから音楽以外でも、生活に関わる場面で多く見られるだろう。

知は力なり。読書を習慣化
隅谷 海斗

 2014年に文化庁が「国語に関する世論調査」を実施した際、日本人の一か月の読書率のうち、「一冊も本を読まない」人が47.5%というデータがとれた。この調査は全国の16歳以上の男女3000人を対象に実施され、すべての年代で読書量が減っていることがわかった。原因はさまざまではあるが、日本の生産性向上のためには、読書をすることが大きく関係すると考えられよう。
 マイクロソフトの共同創業者兼元会長兼顧問のビル・ゲイツは、週に一冊本を読むほどの読書家であることで有名だ。多忙な彼でさえ、時間を上手に使い、読書を好む。読書は自身の価値観、知識、人生、様々な分野の広い世界を学ぶことができる。心を落ち着かせ、困難にぶつかったときの助けになってくれることさえある。しかし、日本人は徐々に読書をする人が減っているのである。
 読書率が増えるとどうなるか、考えてみた。日々の時間管理に、読書を入れる作業が必要ではあるが、話の内容が濃くなり、知識を受け入れる寛容さや誠実さが生じるのではないだろうか。インプットすれば、アウトプットができ、具体的に行動することを想像することができる。語彙力が上がり、言葉のレパートリーが増える。表現力が向上する。偉人や成功者の思考やおい立ちを知ることができる。
 このように、読書をする人としない人では、人生に大きな違いがでてくるのだ。しかし、読書をしないのが悪いということを主張したいのではない。読書をすることで、時間を有効に使い、自身の価値観を確かめることができるのだ。電車の中でスマホを見ているより、読書をする。これを一年続けるだけでも、大きな差が生まれるだろう。
 これからの時代、テクノロジーがさらに発展するからこそ、読書をすることが大切だと感じる。なぜなら、読書をするのは間違いなく、自分の時間を過ごすことになるからである。

参考サイト

アメリカのホームレス問題
道志 章真

 アメリカでは、増え続けるホームレスが社会問題となっている。そもそもホームレスとは、定まった住居を持たずに暮らしている路上生活者を指す。
 現在アメリカ国内で50万人以上の人々が、ホームレスとして暮らしている。この数字は具体的に言うと、アメリカ国民の約600人に1人がホームレスということになる。この数字はあまり多く聞こえないかもしれないが、日本でのホームレスの数は5000人、日本人の約2万4000人に1人という数字を見れば、多く感じるだろう。もちろん日本は他国に比べて恵まれているとは言え、その数字は一目瞭然だ。
 また、ホームレスの多くはアメリカ都心部に集中しており、なかでもロサンゼルス とニューヨークに全体の約25%が存在している。ロサンゼルスでは、ホームレスの数が年々増え続け、昔は治安の悪いエリアにしか存在していなかったが、今や公園、オフィス街、さらには高級住宅街にも住む人が出はじめている。現ロサンゼルス市長のエリック・ガルセッティは、2020年の大統領出馬を見送った理由として、このホームレス問題が原因ではないかとされている。
 一方ニューヨークでもかなり多くのホームレスが生活している。私はニューヨークに留学したことがあるが、街の至る所にホームレスが存在しており、すれ違えば金銭を要求されるのが当たり前である。なかでも地下鉄の構内では多くのホームレスが生活しており、思わず鼻を塞ぎたくなる時も少なくはなかった。なかでも1番衝撃を受けたのが、明らかに妊娠している女性のホームレスだった。その人は、何も出来ずに座り込んだままで「妊娠しています。お金を下さい」と書いた看板を持っているだけだった。
 このように、アメリカでは成人男性だけでなく、女性や子供のホームレスも増加しており、どうしようも出来ない社会問題になっている。アメリカも日本みたいに、仕事がなく生活に困っている人を受け入れるシステムを作ると、より良い社会が生まれるのではないだろうか。

真のトッププレイヤー
豊田 優斗

 誰しも1度はこの選手の名を耳にしたことがあるであろう。バロンドール賞 5回受賞、ポルトガル代表、ユベントス所属。彼の名はクリスティアーノ・ロナウド。クリロナの愛称で親しまれている。そんな彼の身体には、タトゥーが1つも入っていない。海外のトッププレイヤーの多くは、身体にタトゥーが入っている。かの有名なメッシやネイマールなどといったトッププレイヤーも、多くのタトゥーを入れている。
 しかしロナウドの身体には1つもタトゥーが入っていない。ではなぜロナウドはタトゥーを入れないのか。それは献血のためである。ロナウドは年に2回、献血活動を行っている。多くの国では感染症を予防するために、タトゥーを入れた人は一定の期間献血活動を行うことができないとされている。またロナウドは、献血活動をするため、タトゥー以外にもにタバコも吸っておらず、父親がアルコールが原因で52歳の若さで亡くなっているため、お酒も飲まないのである。
 またある日は、ロナウドは髪の毛に剃りこみを入れてピッチに登場した。それはお洒落でそうしているのではなく、スペイン人のクルス君という子の頭に残った手術痕を真似た剃りこみをして賞賛を多く浴びたり、手術費用もロナウドが支払ったりしている。実はロナウドは、15歳の時に頻拍症という極端に脈拍数が増加し、場合によっては2度とサッカーできなくなっていたかもしれなかった。献血を行うなどの慈善活動に勤しむ彼は、自身の体験が影響しているのかもしれない。
 サッカーだけでなく人間としても偉大な人物だということ、スーパースターと呼ばれる所以は、プレーだけではないということが言えるだろう。彼の行動は子供たちの模範となり、この先も彼の名前は世に刻まれ続けるであろう。

天皇杯で起こるジャイアントキリング
仲井 力也

 皆さんはジャイアントキリングという言葉を知っているだろうか。
 ジャイアントキリングとは、スポーツの試合などで明らかに格上の相手から勝利をもぎ取る、いわゆる「大番狂わせ」を意味する言葉であり、天皇杯というプロ、アマチュアに関係なく出られるサッカーの大会で、毎年のように起こる。それは、一発勝負のトーナメントでは何が起こるかわからないということと、プロとアマチュアの差が縮まってきている証拠でもある。
 しかし、なぜプロがアマチュアに負けるということが毎年のように起こるのかという疑問が浮かび上がってくる。確かに、アマチュアのチーム力がプロを上回っている場合はなくはない。それでも根本的な起因は、試合に挑むプロの中には、リーグ戦などの公式戦にあまり出ていないメンバーが多いということにある。いくらプロであっても、試合勘が鈍いとプレーに支障が出て悪循環に陥るが、一方、アマチュアのメンバーは、相手が格上ということで、コンスタントに試合に出ているベストメンバーで挑んでくる。この差が、ジャイアントキリングが起こる最大の理由といえよう。また、この小さい差だけで、勝敗がひっくり返るということは、アマチュアの選手であれ、プロになり得る可能性があるとも言える。
 ジャイアントキリングが教えてくれる可能性としては、プロとアマチュアの差は僅かなものであり、少しのことで全てをひっくり返してしまう可能性があるということ、また、自分の運次第では、ここからプロに上がり得ることもあるということだ。

映画の制作費について—日本とアメリカを比較して—
長田 将杜

 皆さんは映画の製作にどれだけの費用が掛かっているか知っているだろうか。日本で製作された映画『20世紀少年』は製作費30億円、スタジオジブリで製作された『かぐや姫』が50億円、『千と千尋の神隠し』が20億円。アメリカで製作された映画『パイレーツオブカリビアン・ワールドエンド』が341億円、『タイタニック』が294億円、『アナと雪の女王』が150億円だ。このように、映画には巨額の製作費がつぎ込まれている。
 日本とアメリカの映画の製作費用には、大きな差がある。それはなぜだろうか。アメリカで製作された映画は世界中で視聴される。そのため、収益も巨額になる。多くの収益を出すことができるので、多額の製作費をつぎ込むことができるのだ。これは映画だけでなく、ドラマに関しても言える。それに比べて、日本で製作される映画の多くは、アジアの狭い範囲でしか視聴されないので、収益はあまり多くない。日本とアメリカの映画の製作費用の差は、得られる収益の違いによって生まれているのだ。
 CGや爆薬が多く使われている映画は、製作費が高くなる。自分の好きな映画に、いくらの製作費が使われているのか調べてみてはいかがだろうか。

日本と海外の働き方の違い
松浦 琴音

 日本では働き方についてよく問題視されていて、「プレミアムフライデー」「テレワーク」「女性の社会進出」「フレックスタイム制」などの働き方改革が促進している。これまでの日本で行われてきた長時間労働、終身雇用といった規範が変わりつつある中で、日本の働き方改革と海外の働き方改革では、どのような違いがあるのかを比較してみた。
 アメリカの企業は、株主・投資家寄りの施策で日本企業はクライアント志向である。つまり、アメリカは企業へ資金を出費する「株主(オーナー)側」目線の経営であるのに対し、日本は、サービスを提供「お客様側」目線での企業経営ということになる。よく日本では「お客様は神様」と言われているが、まさに「お客様目線の経営」を体現した言葉だ。
 この対象の違いが働くことの意義、働き方、継続性に影響しているため、労働時間や仕事の範囲の違いを生んでいる。「定時になったらすぐ帰る」というイメージを持つアメリカの働き方だが、先進国の中では労働時間が長いと言われ、2017年に行われたOECD(経済協力開発機構)の調査では、アメリカの労働時間は1日7.5時間。日本が7.1時間と意外にもアメリカの労働時間の方が多いという結果になっている。
 アメリカの企業の中でもGoogleやMicrosoftのような大手から、スタートアップ企業まで共通している労働時間対策の一つとして、「オフィス環境」が挙げられる。アメリカの企業では、従業員に「ランチ」や「スナック」を無料提供することが珍しくない。また、コーヒーカウンターやヨガクラス、マニキュアサービス、マッサージなど、「会社へ行くのが楽しみ」と思えるオフィス作りに力を入れている企業が数多い。
 また、子供や家族が病気の日などは、急遽在宅勤務ができるように融通を利かせたり、子供や乳児同伴での出勤を許可するなど、柔軟な姿勢を見せる職場も少なくない。そして、週の何回かを在宅勤務として許可する企業もあるなど、「オフィス環境」では日本と大きく違いがあることがわかる。
 このように、日本にはない働き方がどんどん進んでいる中で、アメリカでは安心でき更に楽しみが増えるといった企業が増えている。日本も時代と共に変わりつつあるが、いち早く働きやすい環境を作るべきではないだろうか。

世界のファッションと日本のファッション
南薗 瑞葵

 ファッションとは、ラテン語の‘factio’からきた英語である。特定の時期に一般に受け入れられ、普及した社会現象や生活様式などのすべてを含む流行、風潮、様式などの意味であるが、一般的には主として服飾の流行をさす。17世紀以後、ヨーロッパのファッションは、女性服ではパリが、男性服ではロンドンが優位を占めてきた。ファッションショーやファッションブックなどのように、連結後としてのファッションという言葉の導入は第二次世界大戦後であったが、この語が単独で日本語に定着するのは1960年代に入ってからである。他にも、単に服装の意にも用いられることがある。
 欧米の女性にとっての「美」の基準は自我であり、日本人は「人に迷惑をかけないように」と言われながら育てられることが多く、「空気を読む」などという言葉もよく使われる。周囲の雰囲気や空気を大切にする文化があり、女性のファッションにもそれは如実に表れている。「愛されファッション」「モテファッション」「褒められコーデ」といった言葉が、ファッション雑誌などに並ぶ。世界のトップファッションモデルも語ることが多いのだが、日本人は流行にとても敏感で、自分磨きを怠らない国民性であるとされている。このことから、日本人は「おしゃれ」と捉えられることも多く、日本人女性は世界でも人気が高い。
 アメリカ人と比較してみると、その国民性やファッションの違いははっきりしている。アメリカ人は、人にどう見られるかよりも自分がどう着心地よく着ているかが重要と考える。流行よりも自分が気に入っていて、着心地のよい服を着る傾向があるので、流行には左右されないのだ。自分の着たい服を好きなように着る風潮が強い。
これに対して日本人は、人にどう見られるかを重視する。流行にも敏感で、みんなが着ているものを着ようとする傾向もある。髪型も流行に合わせ、一緒に行った友達と似たような服を買う。それは、双子コーデなど友達と服をそろえるのが流行ったことにも表れている。
 日本人はこのように周りの人を気にし、自我でファッション楽しめない人が多すぎる。筆者は日本人がもっと個性を出し、ありのままの自分でファッションを楽しめるように、今後変化していくべきではないのだろうかと考える。

世界の教育
宮前 侑佳

 日本の中学校の卒業率は95%である。この数字自体、素晴らしい数字である。
 世界規模で見た子供たちの教育の現状は深刻であり、現在、世界には貧困や紛争、学校が近くにないなど様々な理由で学校に行けない6-14歳の子供が、約1億2400万人もいる。さらに、教育を受ける機会がないまま大人になったため、文字の読み書きができない人は世界で約7億5000万人にも及ぶ。この数字は、世界の15歳以上の6人に1人という高い割合である。中学校まで9年間の義務教育が決められている日本とは全く異なる理由により、発展途上国の子供たちは苦しんでいるのである。世界で満足に教育を受けることができない子供たちのほとんどは、発展途上国に住んでいる人たちである。
 原因は様々だが、1番多いのは「貧困」である。貧困の定義は、国や機関によって大きく異なるのだが、その一例として、世界銀行では「国際貧困ライン(1日1.25米ドル未満)」で暮らす人を貧困層と定義しており、現在では世界の約5人に1人が、1日1.25米ドル未満で生活していると言われているのだ。
 貧困状況で生きていくために、小さな子供たちが教育を受けないままに、労働力の一部として使われていくのである。教育を受けないまま大人になっても、年齢に見合わない低い賃金で働かなければならないのだ。教育を受けずに育った人々がさらに子供を作り、貧困のために子供を労働力として利用する連鎖が続いていくのである。
 もう一つは戦争や紛争によって教育機会を奪われている現状である。現在では2800万人以上が、暴力や情緒不安のためにふるさとを離れることを余儀なくされているほか、紛争の影響を受ける24カ国で、小中学校学齢期の子供2700万人が学校に通えていない事実が存在する。また、難民として祖国を離れ、別の国に避難した場合にも、大きな教育の壁がある。例えば、避難先の国と祖国との言語の違いによって、情報を得ることが難しくなる。その他にも、紛争から追われた苦しい経験を抱えて、新しい環境での生活をするという目まぐるしい変化が、子供たちに大きな負担としてのしかかることもあるのだ。戦争・紛争によって教育機会を奪われた発展途上国の子供たちには、あまりにも重い教育格差が存在しているのである。
 世界の教育の問題は山積みである。だが我々がすぐできることは、世界にはこんなにも教育を受けられない子供がいることを知り、当たり前に義務教育が受けることができ、お金を払えばその先へと進学できることに感謝するべきなのだと考える。

日本の浸透しつつあるLGBT
宮元 赳瑠

 日本は思いやり精神の強い、美しい国であるとされているにもかかわらず、その優しい思いやりを、多様な生き方、個性的な考えに寄り添えないのはなぜだろうか。
 LGBTには、「レズビアン」、「ゲイ」、「バイセクシュアル」、「トランスジェンダー」の4つに限られた名称であり、その他のマイノリティは含まれていない。
 2017年3月、日本政府はいじめ防止基本方針の改訂を行い、LGBT生徒の保護の項目がはじめて盛り込まれるようになった。これに先立ち、2016年には教職員向けに、LGBT生徒への対応を記した手引きも発行している。 しかし、実際はいまだにLGBTに対する差別やいじめがあるのが現状である。
 また、異性カップルと同等の権利が法的に保障されていない点も課題のひとつである。 2015年に東京都渋谷区議会で、同性カップルに対し結婚に準じる関係と認める「パートナーシップ証明」の発行が可決されたことを皮切りに、いくつかの市区町村でも実施されるようになったが、いずれも条例や要綱での実施であり、法的な拘束力はないのである。 例えば、同性パートナーへの遺産の相続権がないことや、レズビアン・カップルやゲイ・カップルへの生殖医療の適応など、法的整備や受け入れ体制が進んでいないことも大きな課題である。日本では、いまだにLGBTのカミングアウトはハードルが高いのが現状である。
 日本労働組合総連合会が実施した「LGBTに関する職場の意識調査」によると、職場に同性愛者や両性愛者がいることに抵抗を感じる人は、3人に1人というデータが存在する。また、男女別にみると、抵抗を感じる人の割合は男性が女性の約2倍となり、40代、50代と年代が上がるにつれて高くなる傾向がある。まだまだ、差別を受けるケースも珍しくなく、心ない言葉をかけられたり、まるでその場にLGBT当事者がいないかのように差別的な言動をとられたりすることもある。
 世界中でLGBTは珍しくなくなってきたが、それでもいまだにLGBTに対する差別は絶えず、しっかりとした制度も確立されていないのが現状である。日本の企業でも少しずつ動きが見られているものの、まだまだLGBTに関する課題が多く残っている。カミングアウトしたい人が不安がらず、カミングアウトできるような世界になるよう、LGBTに対する正しい知識を身に付けて理解し、一日も早く差別の無い愛のある世界になれれば良いと考える。

参考サイト

サーフィンの魅力
村井 彰宏

 サーフィンは2020年東京オリンピックで、新競技に選ばれている。日本では、野球やサッカー等に比べれば、まだまだマイナーな競技なのかもしれない。しかし、東京オリンピックを機にサーフィンという競技は今よりさらに知名度が広がるだろう。筆者は趣味でサーフィンをしているが、東京オリンピックでサーフィンをさらに楽しめるよう、サーフィンという競技について説明したい。
 サーフィン発祥の地はまだはっきり解明されていないが、アメリカのハワイやタヒチではないかと言われている。なぜこのような競技がはじまったかというと、古代ポリネシア人の漁に起源が求められるとされている。彼らはカヌーで漁をしていたが、岸に帰ってくる際は、波に乗って帰ってきていたらしい。その感覚が楽しまれ、娯楽としても知られるようになったのがサーフィンだ。その後、アメリカのカリフォルニアを中心に急速に人気を得たスポーツである。
 今現在、日本人ではサーフィン一本で生活している人は少ない。日本で活躍している選手の平均年収は、150-200万円だと言われている。しかし世界で活躍している選手は桁が違う。東京オリンピックの出場権を獲得した世界ランク6位の驚異の日本人、五十嵐カノア選手は、サーフィンをしている人で知らない人はいないだろう。彼は年収約2億円とされており、周りの日本人選手より群を抜いている。東京オリンピックでも特に注目したい選手だ。ちなみに世界1と言われているのが、アメリカ出身ジョン・ジョン・フローレンス選手で、年収約6億円とされている。プロサーファーの主な収入源は、スポンサー契約と大会賞金になっている。
 サーフィンというのは自然を相手にするスポーツだ。波がなければできない競技であり、風、潮の動き、地形などによって、その日にサーフィンできるかどうかが決まる。海に行けば絶対できるというものではないのだ。他のスポーツと違い、練習したいと思った時にできるかどうかは、海に行ってみないと分からないのだ。
 ここで紹介した内容を読んで、なぜこのようなスポーツが良いのかと思われた方々もおられるであろう。しかし、波に乗るという感覚は非日常的なものであり、あの感覚を一度味わえば虜になってしまう。皆さんも1 度、自然と触れ合い、サーフィンというカルチャーに足を踏み入れてみてはいかがだろうか。