前期における専門演習2の授業も今日で最後になりました。国際関係を専門とする賀川ゼミでは、就職活動と同時並行し、本日までに卒論のタイトルと章立て、はじめにと第1章までを書き上げ、提出してもらいました。
 まだまだ足りない点はありますが、今日はその中間報告ということで、以下に概要を書かせていただきました。今後は、他国の事例などにも言及しながら、後期の10月末にゼミ内での第1次締め切り、その後、12月に最終的に仕上げたうえで、一部の学生には学生懸賞論文にも応募してもらいたいと考えています。
 この中で、そのときまでに何本が学生懸賞論文に出せる水準にまで引き上げられるのか、学生の今後に期待したいと考えています。

「営業マンの売るのはモノではない」
阿波 友葵

 私の卒業論文は、新社会人になる学生に向けた営業についての心得と、過去から未来への営業方法の移り変わりなどについての研究である。そのきっかけとなったのは、文系大学の約7割もの人が社会に出て営業職に就くのに、大学では営業について学ぶことがないということに疑問を持ったからである。
 今後、社会人になる人たちに読んでもらえることを目標に、卒業論文として完成させ、同時に学生懸賞論文にも応募することを目指している。私の卒業論文の魅力は、大学の4年間にアルバイトをしていた経験から、実体験に基づくデータを取り入れることが可能であり、多くの人々に役立ててもらえるような、日本における理想的な営業について考察したい。

「人類とAIの共存社会とは」
泉 瑛啓

 これから、ますますAI社会が進んで行く中で、人類はどのように生きて行くべきなのか。本論文では、人類とAIによるこれからの社会の変革とAIの進化過程を中心に執筆する。 
 現在、世界では第3次AIブームと呼ばれ、多くの先進国が、AI事業に莫大な費用を賭けて進化を遂げようとしている。日本でも、同様な動きがある。そのような中で、これからの時代は人類が生まれ持つ感性が非常に重要になると考える。
 今後、人類は改めて働くことの定義を見直して行かなければならない時代を迎えることになるのではないかというのが、現時点での結論である。

「日本のうつ病患者数を抑制するためには」
大前 魁人

 社会で生きていく中で、人間は必ずストレスを感じる。人間は、誰しもがうつ病を患ってしまう可能性がある。
 執筆者は身近にうつ病患者と接する機会があり、その実体験から、無論うつ病になった本人が一番つらいのであるが、その本人が周囲の環境(家族など)にも様々な影響を与えることがあるとわかった。実際、何気ない会話の中でも態度が急変し、暴力的になるケースもある。したがって、うつ病患者とどのように接するのかについては、十分な知識を持つことが重要であると考える。
 本論文では、うつ病研究の先進国であるイギリスと比較し、日本のうつ病を分析するとともに、今後日本でひとりでもうつ病に苦しむ人を少なくするためにはどのようにしたらよいのかについて論じることとする。

「“Teen Court”が高校生に与える影響と日本導入に向けての課題—教育学的視点からの考察」
亀崎 一真

 少年犯罪が多発する中で、修復的司法を含んだ十代の少年たちが同年代の少年たちを裁くアメリカ生まれのユニークな裁判“Teen Court”に着目した。日本が新たな司法制度として採用し、導入することによって生まれる関連法などの障壁からの適用余地を検討する。  
 また、十代の少年たち(裁判に携わる側と非行を犯した側の双方)が、その裁判に参加することによって、実際にどのような教育的効果があるのかを検討する。
 法学的・教育的視点からアプローチした、今までにない視点での論文を執筆したい。

「日本のサッカーにおける強みと弱み」
野澤 涼二

 サッカーというスポーツは、チーム全体が一丸となり、ピッチに立っている全員が主役になれるスポーツである。それはボールを持った一人の選手に注目が向くからだ。
 本論文では、日本が日本らしいサッカーをしていた頃と現在の日本サッカーとの違いや、世界で強いと言われている3カ国との比較を行うことにより、プレースタイルや戦術の違い、その国のスポーツ環境などを分析する。それにより、どうすれば日本のサッカーが強くなるのかを模索し、執筆者なりの観点で本論文の構成を行う。

「マンガで伝える日本語」
田宮 佑基

 今日、日本語を学ぶ外国人の中には、日本のマンガを読みたいために学習している人が少なくない。本論文では、そうした外国人が日本語を学ぶ上で、よりマンガに親しんでもらえるようにするためにはどうしたらよいかについて、分析する。
 執筆者は、日本の小学校ではマンガは読書として認められていないということに疑問を持っている。しかし、今の日本人の多くが幼いころからマンガを読み、育ってきたということもまた事実であると考える。自分自身もマンガから得た知識や言葉は山ほどある。
 そこで、日本では推奨されていないマンガを使って、外国人に対する日本語教育に生かせないかということについて検討したい。

「発展途上国この国日本—教育界における体罰・パワーハラスメント」
林 翔大

 日本では、1947年に学校での体罰は法律で禁止されている。しかし、特に部活動に関しては、今日まで指導の一貫として根強く残っているのが現実である。
 本論文では、日本の教育機関において、大人による精神的・身体的暴力が子どもを苦しめ、成長を妨げている実態や、それらについてどのような対応が取られているかなどを新聞記事などのデータを用いて明らかにする。
 一方、海外に目を向けると全く体罰やパワーハラスメントがない国も存在する。そこで、社会福祉に関して先進国であるスウェーデンとの比較研究を行い、日本の現状及び問題点について論じることにした。

「これからの日韓関係—1番近くて遠い国同士の未来は明るくなるのか」
村岡 駿斗

 執筆者が中学の時に好きになった韓国。韓国語を学び、韓国人の友達が出来、様々なコミュニケーションをとって行くうちに、悪い方向に変わっていくこともある日韓情勢。
 そのようなときには、両国民が「反日」「嫌韓」を支持していくケースがみられるが、それらについて執筆者が感じたことや、実際に韓国では「反日」の方が多いのかなどについて、現地に行って確かめてこようと考えている。
 執筆者は夏休みを利用して韓国のソウルへ行き、街中(明洞、弘大、仁寺洞、押鴎亭、新沙洞)の若者に韓国語を使って実際にインタビューを行い、その結果をデータや統計としてまとめ、これからの時代を生きていく若者(両国)はどういったことを考えていくべきなのかについて論文で明らかにしたい。

「ネイティブ・スピーカーの英語から我々独自の英語へ」
矢田 翔己

 卒業論文では、現在の世界における英語の在り方を研究している。日本では英語は外国語として認識されているが、英語の存在は我々にとっても身近な存在になりつつある。
 例えばCMでは英語のネイティブ・スピーカーが登場し、英語を使って商品を宣伝している。街中を歩いていても、英会話教室が至る所にある。世界では英語を話す人々は約17億人いるが、ではなぜ、英語が多くの人々に話されているのだろうか。
 執筆者は、カナダに留学していた経験から、世界で話されている英語は英語のネイティブ・スピーカーが話す英語だけではないことを知った。そこで、World Englishesについて調べ、世界にはそれぞれの国に応じた英語があること、英語の重要性、英語を話すことの魅力を伝えていきたい。

「日本に来るカジノは必要か」
吉田 楓

 世の中にはいくつものギャンブルが存在し、世界中の人々から娯楽のひとつとして楽しまれている。日本では、競馬、競輪、競艇やパチンコ、スロットが存在し、利用者も多い。そのような中、大阪にカジノを含む統合型リゾート(IR)が作られる話が持ち上がっている。今まで海外に行かないと出来なかったカジノが、日本で体験できる、しかも大阪で。
 執筆者はこの情報を聞いて、ぜひ体験してみたいと考えた。IRを誘致することにより、観光客の増加、経済効果、雇用者の増加など、プラス面もある一方で、カジノが設置されるにあたって、例えば治安の悪化、貧困者の増加、ギャンブル依存症というデメリットの部分が問題視されている。
 本論文では、その中でもギャンブル依存症の恐怖にしぼり、このような状況で本当にカジノを作っても良いのか、ギャンブル依存症にならないための対策などを考えたうえで、今後本当に日本にとってカジノは必要なのかという問いへの答えを導き出したいと考えている。