産学連携先:村岸産業株式会社

 阪南大学流通学部杉田ゼミでは、ファッションをはじめとするさまざまなライフスタイル関連企業によるブランディング活動を研究しています。

 今回、本ゼミと提携していただいた村岸産業株式会社さんは、大阪府松原市内、阪南大学のすぐ近くに立地する創業から90年以上の歴史を持つ化粧筆メーカーです。

 同社は大手化粧品メーカーを相手に主に化粧筆のOEMを行っていましたが、自社ブランド製品の販売をさらに加速させるために、現社長の村岸直子氏が10年ほど前に業界初となる化粧筆の専門店「六角館さくら堂KYOTO」を立ち上げました。

 杉田ゼミ2回生は京都市内の「六角館さくら堂KYOTO」を訪問させていただいた後、新型コロナウイルス感染拡大の影響で京都を訪れる旅行客が減少を続ける中、どのようにして同社製品および「六角館さくら堂KYOTO」のブランド価値を高めれば良いのかについてゼミ生全体でアイディアを出し合い、討論を行いながら発表の準備を進めました。

 幸い村岸産業株式会社さんは阪南大学から歩いて5分という絶好の場所に立地していることもあり、2020年12月2日(水)に村岸直子社長を本学に招き、研究成果発表を行いました。

学生活動状況報告

 僕たち杉田ゼミ2回生は、キャリアゼミの制度を活用し、京都市にある村岸産業株式会社さんのオリジナル化粧筆を販売する「六角館さくら堂KYOTO」を訪問しました。
 男にとって、あまり化粧筆はなじみの深いものではありませんでしたが、お店で本当にたくさんの種類(250種類以上)の化粧筆を見せていただいただけでなく触らせてもらったりする中で、化粧筆って面白いと思うようになりました。
 今回、杉田ゼミでは4つの班に分かれて、コロナ禍を踏まえて村岸産業さんの化粧筆を広めるためにはどうすれば良いのかについてアイディアを発表し合いました。発表の場には村岸社長さんも来られて少し緊張しましたが、好意的なコメントをいただき、一安心しました。
 僕たちはユーチューバーと提携し、村岸産業さんの化粧筆をレポートしてもらう、というアイディアを発表しました。意外と村岸社長も僕たちがよく知っている人気ユーチューバーをご存じなかったようで、大変参考になったとおっしゃってくれました。
 他のチームの発表も意表を突くものがあったり、非常に楽しめる発表会でした。
流通学部 織田 和希

参加学生一覧

平井 光生、織田 和希、古藤 萌々花、猿渡 杏暢、杉元 向夏、高山 太凱、田口 ひより、天道 莉沙、中田 悠加、藤山 にに香、山本 龍希

連携団体担当者からのコメント

村岸産業株式会社
代表取締役社長 村岸 直子 様

 本日は弊社のためにさまざまなアイディアを発表していただき、ありがとうございました。
 まず驚いたのが、単なる言いっぱなしのアイディアではなく、ターゲットや予算、スケジュールまでよく考えられていたことです。
 ユーチューバーさんは私もよく知らないので、参考にさせていただきます。また、フリーペーパーを活用するというアイディアはあまり考えたことがなかったので、検討してみたいと思います。
 皆さんのレポートや発表を見せて、聞かせていただく機会は私どもにとっても大変刺激になり嬉しいです。またよろしくお願いいたします。

教員のコメント

流通学部 杉田 宗聴 教授

 今回の提携先は化粧筆の製造および販売を行っている村岸産業さんでした。男子にはあまりなじみのない分野の製品ですので、あまり興味を惹けなければどうしようかと少々心配していましたが、実際に化粧筆専門店「六角館さくら堂KYOTO」を訪問させていただき、化粧筆製造の本場広島県熊野の工房でつくられた毛先に触れることで、これはただの筆じゃない、と学生全員が直感したようです。

 新型コロナウイルスの感染拡大によってなかなか学外はおろか、大学にすらまともに通えない状況が続きましたが、少しでもフィールドリサーチの経験を与えることができたのはキャリアゼミ制度のおかげでした。

 今回、個人的に大きな発見はユーチューバーとのコラボ案に対する村岸直子社長のコメントでした。現在フォロワーが数万人という有名ユーチューバー、またはインスタグラマーはすでに芸能事務所が動いてマネジメント契約を交わしており、そのような事務所を介して宣伝をお願いしようとすると広告費が非常に高くなってしまうとのことでした。

 学生達にプロモーションの提案をさせるとユーチューバーとの連携を挙げるケースが多い昨今ですが、村岸社長の話を踏まえた上で、費用対効果を踏まえた提案を行うよう促す必要があると感じました。