2021.3.2

播州織で有名な西脇市にあるブランド「tamaki niime」を訪問しました

2020年12月16日、流通学部の杉田ゼミは兵庫県西脇市にある独創的なブランド、「tamaki niime」を訪問しました。
「tamaki niime」が立地する兵庫県西脇市は先染めの綿織物では日本一の産地で、ルイ・ヴィトンやバーバリーといった海外有名ブランドにも生地が使われているほど品質の高い作品が作られています。

ブランド「tamaki niime」の創業者である玉木新雌さんは自分のブランドを立ち上げる際に、このような高い技術力を持った職人さんが数多くいる西脇市を本拠地として選びました。それは、自分のブランドのコンセプト、他ではつくれない自分らしいモノを創ろう、という考えを実現するためには高い技術を持った職人さんの手助けが必要になると考えたからだそうです。

上記のようなコンセプトで立ち上げられたブランド「tamaki niime」の本社には、自社作品を販売するShop(直営店)が併設されており、その世界観を体験し、気に入った作品があれば買うこともできます。
「tamaki niime」は他には無い柔らかな生地を使ったショールで有名になりましたが、現在の一番の売れ筋はひもまで柔らかな生地で作られたマスク(tamaki niimeがつくったマスクなので「タマスク」とネーミングされています)だそうです。「tamaki niime」の作品は全て一点物で、同じ形、色、柄の作品はこの世の中に二つと存在しません。そこが独創的な点となっています。
「tamaki niime」の独創的な店の一つは、Shop(直営店)とlab(工房)がガラス1枚を隔てて隣接しており、Shopから生産現場を見ることができることです。
杉田ゼミ一行は、最初に、案内をしていただいた藤本さんから「tamaki niime」についての簡単な説明を行っていただきました。
次に、lab(工房)内を案内してもらいました。最初に見せてもらったのは、50年以上前に作られたビンテージモノのシャトル式織機です。
最新式の織機は織るスピードは速い、つまり大量に安価な製品を作ることは得意ですが、生地の風合いが少々硬くなってしまうため、玉木新雌さんが理想とする生地が作れないため、あえてこの古い織機を使っています。この古いシャトル式織機だと独特の柔らかな風合いを実現することができるのです。
次に見せてもらったのは染色工程です。一般的に繊維・アパレル業界では分業が進んでおり、一つの工場に織りの工程と染色の工程、縫製の工程が集まっていることは非常に希ですが、「tamaki niime」のlabでは大規模な設備が必要となる紡績(糸の製造)以外全ての工程が揃っています。
「tamaki niime」は1年ほどまえからネット通販にも取り組んでいます。全て自社内のスタジオで撮影していますが、上で書いたように「tamaki niime」では同じ作品は二つと存在しないため、製造した全ての作品を写真撮影しなければいけないそうです。ただし、そのおかげでビジュアル(映像)で売れ筋商品を確認することができるようになったそうです。
一通りlabの見学が終わると、最後に玉木新雌さん、ブランディング担当の酒井さんを相手に質疑応答を行いました。杉田ゼミ生から事前に用意しておいた質問や、見せてもらったlab内の様子に対する質問などが活発に出されました。

学生の感想

tamaki niimeへフィールドワークに行ってみて、まず感じたことは店舗の内装や外見がすごくおしゃれだということでした。そしてShopからlabを見ることができるのはなかなかないので斬新で魅力的だと思いました。

正直あまり都会ではない場所でのブランドだったので、スタッフのみなさんはお年寄りが多いと思っていたのですがそんなことはなく同年代の方々など若い世代が多いこと、さらに経験者は1人もいないということに衝撃を受けました。それも代表の玉木新雌さんの「高齢化を止め、産地の伝統を絶やさない。若い人をどんどん採用・育てたい」という思いから成り立っていることを知り本当にこの仕事が大切なんだと感じました。

工場の見学では年代ものの機械から最新の機械まで見ることができ、見たことのない機械ばかりで貴重な体験ができました。そんなたくさんの機械の費用が気になり質問してみたところ、最初に買った力織機はなんと中古で7万円というすごく破格に安い値段で驚きました。でも実際に動かすには費用が100万程かかったとおっしゃっており、やはり動かすことに費用がかかるんだなと感じました。

今回tamaki niimeへ行ってみて玉木さんやスタッフの皆さんが詳しく教えてくださったり、丁寧に質問などに答えていただき大変勉強になりました。
流通学部2回生 藤山にに香