活動テーマ:繊維産地発のブランドにおけるマーケティング戦略
産学連携先:株式会社ジャパンブルー


 杉田ゼミ(2回生)では、ファッションアパレルを中心とした様々な企業が、どのようにして製品差別化を実現しているのかについてまずは新聞記事や雑誌記事等の文献研究から始めます。そしてその上で、実現した製品差別化をブランド価値として消費者に認知してもらうにはどのようなことが必要か、または実際にブランディングのためにどのような活動を行っているかについて学びます。

 今年度、杉田ゼミ(2回生)が連携させていただいたのは岡山県倉敷市児島に本社を構える株式会社ジャパンブルーという会社です。この会社は主にデニムジーンズを中心とするファッションアパレル製品を製造販売する企業です。同社は「桃太郎ジーンズ」や「ジャパンブルー」などデニムジーンズを中心にした5つのブランドを展開しています。

 今回のジャパンブルーさんへの訪問に先立って、文献研究から以下のことを明らかにしておきました。

 まず、岡山県児島がなぜ日本のデニムジーンズ産地の中心となったかというと、デニム生地を製造する技術的条件が歴史的にすべて揃っていたからでした。帆布製造からは厚地綿織物生地を製造する技術を、足袋や学生服造からは厚地綿織物生地を縫製する技術を、そして備後絣という江戸時代以来の伝統工芸からは糸をインディゴブルーに染める技術をそれぞれ継承することができました。

 次に、なぜ児島がジーンズの聖地とまで広く認知されるようになったのかというと、「ジーンズストリート」の影響が大きかったと言えます。「ジーンズストリート」とは、デニムジーンズのショップを1つの商店街に集めたものです。児島産地のブランドイメージを高めるために、ジャパンブルー社長の眞鍋氏ら有志のメンバーが愛知万博や芸術祭などの機会を通じ、積極的に国内外に情報発信を始めたことがきっかけでした。

学生活動状況報告

 僕自身、ジーンズは好きなファッションアイテムでしたので、日本製のジーンズがどのようなものかについては大変関心がありました。ですが、普段買い物に行くのはファストファッションが多く、正直に言って2万円以上もするジーンズを買うことは今までありませんでした。
 今回のキャリアゼミ活動の前までは、安くて良いもの、お買い得なものが良いもので、高級品は単に値段が高いからモノが良いんだろうという認識でした。
 たくさん売るためには安くするのが一番で、高いものにはほとんど関心がありませんでした。
 今回のキャリアゼミを受けて、日本でものづくりを続けていくためには安価な製品ではやっていけないこと、高級品をつくって売るためには「ブランドづくり」、つまりブランディング活動が必要だということを学びました。
 岡山県倉敷市児島にある「ジーンズストリート」は、そのブランディング活動のひとつの具体的な成果だというので楽しみにしていましたが、街中にジーンズが吊してあったり、知っているブランドから知らないブランドまでたくさんのお店が集まっており、大変印象に残りました。

流通学部 青木 大亮

参加学生一覧

山形 美空、青木 大亮、池野 佑里菜、大塚 泉美、大南 勇記、蒲田 海里、神原 聖奈、北本 奈々央、呉松 侑桂、高木 桜子、富山 暖乃、西川 杏菜、西村 璃乃香、前田 圭吾、宮永 琴衣

ゼミ集合写真