体験型観光施設の北野工房のまちを視察して「モノ消費からコト消費へ」を体感しました

 当ゼミは神戸にある北野工房のまちを視察しました。北野工房のまちとは、廃校になった小学校の校舎をリノベーションした体験型観光施設です。神戸土産の販売など単なる物品販売を行うだけでなく、手作り体験を大きな特徴としています。豚まん手作り体験や和ろうそく手作り体験など、60種類以上の手作り体験ができる工房があります。レトロな雰囲気の建物で体験を行うことが人気の要因となっています。
 消費者のお金の使い方が、物を所有することから、レジャーやサービスに移っています。今回の北野工房のまち視察の学習上のねらいは、このような「モノ消費からコト消費へ」を実感してもらうことです。
 平成27年度地域経済産業活性化対策調査報告書によると、モノ消費とは個別の製品やサービスの持つ機能的価値を消費することであり、コト消費とは製品を購入して使用したり、単品の機能的なサービスを享受するのみでなく、個別の事象が連なった総体である「一連の体験」を対象とした消費活動のことと説明されています。
 北野工房のまちの年間来館者数は、平成26年度以降3年連続で100万人を超え、累計で1500万人を超えています。大型バスの駐車場も充実していることから、外国人観光客にも人気があるようです。しかし、私たちが訪問したのは平日の昼間で、また、当日の気温が低かったこともあるのか、それほど来館者が多くないとの印象を受けました。この点がサービスビジネスの難しいところであると感じました。
 今回の視察で最も印象深かったのは旭屋精肉店が販売しているコロッケです。このお店の人気商品であるビーフコロッケはネットでの注文があまりにも殺到しているため、とうとう13年待ちになった商品です。このようなストーリーを聞くとより食べたくなると感じますが、これもコト消費といえるでしょう。このコロッケとは違う種類ですが、北野店限定のコロッケをゼミ生みんなでおいしくいただくことができました。