集客力のある商店街は何が違うのか、おかげ横丁に行って考えてきました

伊勢神宮の近くにある「おはらい町、おかげ横丁」には年間200万人が訪れます。新谷ゼミでは、集客力のある商店街の実態を探るため、伊勢神宮のおはらい町、おかげ横丁を視察しました。

繁盛している商店街とそうでない商店街とは何が違うのかを考えるために、視察の前にその実態や課題について学習しました。
中小企業庁の平成27年度商店街実態調査によると、商店街の置かれている状況は厳しいものだということがわかります。商店街の最近の景況は、「繁栄している」が2.2%、「繁栄の兆しがある」が3.1%となった一方、「衰退している」が35.3%、「衰退の恐れがある」31.6%という結果だそうです。また、一つの商店街あたりの空き店舗の割合が13.17%に達し、今後の空き店舗は増加するとの回答が42.6%となったとのことです。さらに、商店街の抱える課題として最も多い回答は、経営者の高齢化による後継問題ですが、その対策を講じていない商店がほとんどだそうです。
このようなことを学生に事前に学習してもらいましたが、商店街で買い物をすることがないためか、実感がわかないようでした。今回は実際に見てもらうことができたことで少しでも感じることができたのではないかと思います。

おはらい町は伊勢を代表する観光地で明治初期の町並みを再現した商店街です。おかげ横丁はおはらい町の中ほどにある、いくつかのお店の集まりです。食べ歩きが中心になりますが、きれいな町並みのため、歩き回るだけでも楽しさがあります。今回訪問した日は、肌寒い季節の平日でしたが、それにもかかわらず観光客で賑わいを見せていました。赤福のぜんざいが出てくるまでに30分の待ち時間が必要となったほどです。
おはらい町・おかげ横丁は補助金に頼らず成功した事例です。民間企業である赤福が私財を投じて作ったものです。一方、行政が関与しても成功とはいえない事例がたくさんあります。伊勢神宮の近くにあるから人がたくさん来るのではなく、食べ物や町並みなど魅力が多いことから集客力があるのではないかと学生たちに感じてもらうことができました。