【学生報告】バスケットボールのコーチング実践

大野 夏月(流通学部3年生)

 私たちは、松原市の小・中学生とその父兄を対象に、月に2回程度、阪南大学でバスケット教室を開催しています。私たち学生コーチの役割は、メインコーチ(松原市のミニバスチームのコーチ)のアシスタントとして、基礎体力を向上させるためのメニューやバスケットの基本的なスキルを習得するためのメニューを考案し、実践しています。

 また、ただバスケットの練習するだけではなく、バスケットを通して子供たちにマナーや他人への思いやりを学んでもらうことに特に力を入れています。特に、元気よく挨拶する・集合の切り替え・言われたことに対しての返事を意識するようにしています。他にも、練習を始める前に「1日キャプテン」を決めています。毎回の練習でランダムにコーチ陣が指名し、1人の子供にキャプテンを担当してもらっています。1人ひとりがキャプテンを経験することでリーダシップが身につくと考え、導入しています。今後は、練習の指導だけではなく、練習日の設定や連絡、お金の管理など、クラブの運営ができるようになるために勉強していきたいと考えています。

 このように、コーチングの実践を始めて1年になります。最近では、子供たちとの距離も縮まり、よく「教えてください!」と、子供たちからも話しかけてくれるようになりました。そんな時に感じるのは、「子供達の聞く態度や学びたいという姿勢が非常に良く、教える側としてもとてもやりがいが持てる」ということです。これは、我々が見習うべきところだと思いました。教えながら、教わる。選手と指導者の間に良い関係性を構築して、みんなが成長できるようなクラブにしていきたいです。

 この活動の延長線で、半年前から3カ月程度、松原市にある中学校のバスケットボール部に巡回指導をすることになりました。これは松原市教育委員会から依頼を受け、松原市と阪南大学の連携事業の一環としてスタートしました。中学校での練習前に顧問の先生と全体の流れや練習内容、特に取り上げてほしいメニューなどを話し合い、それを元に練習を進めていきました。少し難易度の高い練習は、常に見本を見せながら一緒にプレーすることを心がけました。

 中には、練習時間が1時間ほどしか取れない日もありましたが、中学生たちは貴重な時間を無駄にしないため、メニュー間の切り替えを早くしたり、学年関係なく片付けや用意をするなどして、効率よく練習を運営していました。そうやって中学生たちの動きに影響を受けて、私たちも限られた時間を効率よく使える練習メニューを考え、全体の流れを上手にコントロールすることを心がけました。

 この活動を始めて感じたことは、伝えたいことを上手く伝えることの難しさです。少ない時間に追われる中で、多くを伝えようとしすぎて、自分が話す内容がバラバラになってしまいます。子供たちは常に学ぶ姿勢を持っています。それに対して、私の「伝える技術」が不足していました。この先、コーチと選手の両方が成長できるように、もっとコーチングを学んで、松原市の小中学生のバスケットボールの普及に貢献していきたいです。