流通学部大村ゼミは、将来ファッション分野でリーダーとなる人材養成を大きなフラッグとして掲げ、ファッションブランド価値やファッションビジネスに関するさまざまな研究活動をおこなっています。
 2019年5月28日(火)、大村ゼミ2年次生は、平山ゼミ・安城ゼミ合同で日本初のファッションをテーマとした施設である六甲アイランドの神戸ファッション美術館で見学会を実施しました。ゼミ生は将来ファッションビジネスを目指す志をもつ学生たちです。これまで卒業生たちは、この見学会をスタートとして、ルイ・ヴィトンやシャネルなどハイブランドからアダストリア、パル、マッシュ、ジュンなど国内有数のファッション・アパレル企業で活躍しています。
 さて、大村ゼミでの活動は、ファッションの歴史を自ら体感させることからスタートします。今回の特別展は英国王室も認めるオートクチュールデザイナーの「鳥丸軍雪展」です。作品の特徴は、布を垂らして流れるような優雅なひだを生むドレープ手法で、「ドレープの魔術師「「絹の彫刻家」と呼ばれてきました。学生たちは、アートとファッションという観点から新たなを見ることができました。
 次に、常設展では歴史変遷を5つの時代に区分し、中世から現代に至るファッションのスタイリングの変化を学芸員浜田久仁雄様から特別展も含めて、丁寧で分かりやすい解説をしていただき、学生の理解を深めることができました。さらにライブラリーでは、ファッション関連の専門書から各自テーマを決めた書籍を探索する。また、資料室では数多くの貴重な商品を見て触れることができました。このような豊富なメニューから、学生はファッションの奥深いダイバシティーとアート、そしてビジネスの本質を学びます。見学会終了後、平山ゼミ・安城ゼミと合流し、恒例のイタリアンレストランで、懇親会となりました。将来への共通する目標を持つ学生たちですから、各テーブルではファッションの話題が弾み、あらためてゼミ生としての自覚を持ったことでしょう。これから3年間のゼミ生たちの成長が楽しみです。

見学スナップ

  • 大村ゼミ全員集合!

  • 平山ゼミ全員集合!

  • 学会員浜田様から詳細な研修ポイントの説明からスタートします。

  • さあ、ファッションの歴史を学びます。

  • 学生たちは初めて見る中世のファッションに興味深々です。

  • 特別展「鳥丸軍雪」のコレクションでは、作品の素晴らしさに圧倒されます

資料室は貴重な作品が満載!

感想 神戸ファッション美術館を見学して

流通学部2回生(大村ゼミ)西口 美佳

 神戸ファッション美術館を見学して、一番印象に残ったのは「5つの時代衣装展」でした。時代の流れとともにファッションが変化していく様子がよくわかりました。その時代のファッションを、順を追って比較することができるだけでなく、衣装や靴に合わせて当時の人の身長、体重、厚みを再現してマネキンを作っているため、それぞれ一体ごとに少しずつ違うという点に驚きました。また、絵画を忠実に再現しているため、当時の空気感が伝わってきました。コルセットの変化に伴ってドレスにボリュームが出て、さらに帽子や傘も大きく変化するといった、一つの変化に合わせて他のアイテムにも変化が表れている点がおもしろかったです。高額で豪華なドレスを使い捨てのような扱いをしていたなんて、どんなに裕福な生活をしていたんだろうと思いました。
 また、私は、衣装の変化だけではなく、メイクが変化しているところにも興味をもちました。1850年から1950年の10年間で、口紅がコーラルピンクのようなナチュラルな色味からビビッドな赤に変化していたり、アイメイクがシャープな印象に変化していたりしていました。徐々にモード系の雰囲気に近づいていく様子がよくわかって、興味深かったです。ヨーロッパの文化だけでなく、日本ではどのように変化していったのかということも調べてみたいと思いました。
 鳥丸軍雪展では、ドレープの美しさに気付きました。ドレープだけのシンプルなデザインなのに、繊細な布の動きで影を作ることでシルエットに繁華ができてデザインとして成り立っていて、美しいと感じました。鳥丸軍雪の独特な世界観がよく表れていて、すごく引き込まれました。
 私は今までファッションの歴史について考えたことがなかったのですが、今回神戸ファッション美術館を見学したことで深くファッションについて考えるきっかけになりました。現代のファッションを楽しむだけではなくて、ファッションを学ぶ人間として、深いところまでファッションを理解したいと考えるようになりました。

流通学部2回生(大村ゼミ)梅木 聖太

 今回の神戸ファッション美術館に行き、ファッションの美しさに改めて気付きました。昔の服が今も昔の状態でマネキンもその服に合わせて作られそれぞれにストーリー制がある見せ方をされていてわかりやすかったです。また、学芸員の方の説明により見るだけではわからない部分などを説明していただきより一層理解を深めることができました。コルセットをしていた時代のドレスを見て感じたことは「オシャレは我慢」という言葉が一番当てはまると思いました。服だけではなくそれらの周りのものなどもこだわりがあり、まさに、その時代をそのまま切り取ってきたように感じました。今でも続いているハイブランドのデザイナーのオートクチュールを生で見ることができ、シルエットの美しさや今と劣ることのない鮮やかさがあり、その中でもクリスチャン・ディオールのボウル・ガウンのドレスが一番目を引いた作品でした。鳥丸軍雪展に入り最初のドレスを見た時、ドレープの美しさに圧倒され何秒かその前に止まったままでした。1枚の布がこんなにも華麗に躍動するものなのかと感動しました。世界観が素晴らしくドレスからオーラが出ているのを感じ、もし自分が女性ならこのドレスを一度でもいいから着てみたいと思いました。
 テキスタイルや、生地になる前の絵や、洋服などを保管している資料室を見学させていただいた時に聞いた、現代では加工されたテキスタイルも使われているとおっしゃられていて一緒に見せていただいたテキスタイルを見た時に見る角度や伸ばした時に見える模様が変わるものに驚きました。また、マリンをコンセプトに集められた海軍の服などを見た時、アパレルブランドなどで販売されているテーラードジャケットやナポレオンジャケットに似ていると思いました。これは逆にブランド側がインスパイアされたものだと解釈しました。
 ライブラリーでは、ファッション関係の本がたくさん置いてあり、海外の雑誌や海外のアパレルの本なども置いてあり、アートのなどの本もありとても興味が湧きました。また、時間がある時にゆっくり拝見したいと思いました。今回の神戸ファッション美術館に行き、改めてファッションが大好きになりました。

流通学部2回生(大村ゼミ)中川 真希

 私は、神戸ファッション美術館を見学して、資料展示室や鳥丸軍雪展など、なかなかできない貴重な体験をすることができたと感じています。
 常設展のコレクションでは、中世の時代に女性のコルセットが40センチから60センチに変わったということや、傘の大きさ、スカートの長さ、髪型など、わずか10年間でいろいろと変わっていたということに驚きました。またその変化を、話だけではなく、実物のスタイルを直接見て、感じることができて、とても勉強になりました。西洋の人たちは約300年も前からオシャレを楽しんでいたことに驚きつつ、そこから何年も経ってから日本にも洋服の文化が伝わり、今私自身もオシャレを楽しめているのだと感じ、ファッションの歴史は奥が深いなと思いました。当時と現在のファッションで共通していることは、「オシャレは我慢」ということだと思いました。
 鳥丸軍雪展では、まず、入った瞬間に独特の雰囲気を感じ、シンプルに見えますがデザインが個性豊かで特徴的なデザインが美しかったです。「流行をつくるための服ではない」とパンフレットに書かれていた通り、流行にとらわれていないような美であると印象を持ちました。デザイナー鳥丸軍雪のことはまったく知らなかったのですが、ダイアナ妃のドレスを担当していたくらいですから、すごい評価の高い人なのだと分かりました。私も一度でいいから、あんなドレスを着てみたいとワクワクしました。
 資料展示室の見学では、生地や図案、製品が数え切れないほどありました。マリンコレクションの船舶用コップのお話からは、滑り止めをつけたり、蓋をつけたりと、「実用性をプラスするだけで、まったく違うデザインが生まれる」ということを学びました。特に私が印象に残ったのは、寺田哲朗氏のテキスタイル図案です。手書きなのか疑うくらい左右非対称で、きれいでした。同じようなデザインに見えても、よく見ると違っていたりして、見ていて飽きることがなかったです。図書館では、普段は読めない外国の雑誌やたくさんのファッションについての本がたくさんあり、とても興味深く楽しかったです。もっと大学の近くにあれば頻繁に行くことができるのにと残念な気持ちですが、また利用したいと思っています。
 今回の研修を通して、今まで私は現代ファッションにしか興味が無かったのですが、歴史も学ぶことで、何か得ることがあるということが分かりました。今後は、ファッションの歴史について勉強してみたいと思います。