大村ゼミは、将来ファッションビジネスのさまざまな分野でリーダーとなる人材養成を大きなフラッグとして掲げ、ファッションブランド価値やファッションビジネスに関するさまざまな研究を多面的におこなっています。
 2018年11月19日(月) 大村ゼミ3回生&平山ゼミ2回生は合同でジーンズの聖地といわれる岡山県倉敷市児島において企業見学会とフィールドリサーチを実施しました。
 児島は、港町で昔から繊維の地場産業を形成してきました。戦後は国内有数の学生服の製造地として発展し、当時学生服の製造をしていたマルオ被服(のちにビッグジョン)が、1965年アメリカのキャントンミルズ社のデニム生地を使用し、初めてジーンズを作ったものが国産第1号となりました。よって、国産ジーンズ発祥の地としても児島は有名です。その後、素材のデニム生地も生産されるようになり、今では海外の高級ブランドも高品質のデニム生地を仕入れており、世界的に「デニムの聖地・児島」として知れ渡っています。今回の企業見学先である株式会社ベティスミスは、1970年日本で初めてレディースジーンズを作りました。同社敷地内にはジーンズヴィレッジがあり、今や年間14万人が訪れる倉敷市の観光スポット「ジーンズミュージアム」や体験工房なども運営しています。先ずは、ミュージアムで同社取締役大島健吾氏からジーンズの歴史、ダメージジーンズの製造工程についてレクチャーしていただき、展示された米国リーバイス社の150年前に生産された定番「501ジーンズ」のヴィンテージ・ジーンズにはゼミ生たちも興味津々です。 現在のジーンズとの大きな違いは、①サスペンダー用のためにベルト通しがないこと、②農夫などの作業服という目的で開発されたため、防虫用インディゴ繊維で染めていたこと、などジーンズ歴史の貴重な話をお聞きしました。また、さまざまな形状の石を使用した流行のストーンウォッシュやダメージの加工方法を学び、職人の工夫された技術によって、ジーンズの世界が拡がっていることを知りました。ジーンズミュージアムでは、国産ジーンズ誕生期から成長期、そして現在に至るジーンズの変遷について、年代別に展示されており、そのスタイリングの変化にジーンズの奥深さを肌で感じることができました。体験工房ではジーンズに使われる付属品「リベット」を手動の機械を使って打つ携帯ストラップづくり、そしてジーンズ工場見学では、裁断~縫製~仕上げという生産工程が理解できたことは、非常に有意義な企業見学会であったと思います その後は、ジーンズストリートへバス移動し、多くのジーンズショップをまわり、各メーカーの価格帯や商品特性について調査しました。今回の児島での貴重な体験は、ゼミ生たちにとって、神聖な「ものづくり」の原点を学ぶ事ができ、今後必ず役立つことを期待します。
  • ベティスミスちゃんがお出迎え!

  • 大村ゼミがジーンズの聖地に全員集合!

  • ミュージアムでは歴史の学びます!

  • 1970年代初期の国産ジーンズ

  • リベットを使った携帯ストラップづくりに挑む!

  • 工場ではジーンズの生産工程を学ぶ!

  • 児島の繊維産業についても学びます!

  • ジーンズストリートで世界的に有名な 桃太郎ジーンズ本店を発見!

学生レポート

大村ゼミ3回生 高橋 凜奈

日頃からよく愛用しているジーンズの歴史を岡山県倉敷市児島に学びに行きました。ジーンズがどのようにして始まりどのような歴史をたどってきたのか、ジーンズの発祥地、児島で発祥地ならではのお話と新しい発見がたくさんあり2回めだったのですがとても楽しかったです。ベティスミスは知っていましたが国内初のレディース・ジーンズメーカーだと言うことは初めて知りとても驚きでした。職人さんが一つ一つのデニムを丁寧にミシンなど様々な機械を使いこなし、ジーンズを縫い合わせジーンズが完成するまでの過程を自分の目で直接見ることができとても貴重な経験をさせていただきました。作業には海外から縫製技術を学びに来られる方もいるらしく習得し自国にその技術を持ち帰るそうです。様々な国の方に伝えていることうを知り世界的に貢献している会社の一つだと思いました。また100年前に作られたデニムは労働者の為に作られたものでありとても頑丈で、ベルトやチャックがなく代わりにボタンがついていて労働者用って感じがしました。ジーンズの原点はリーバイス社から生まれたことなど、石を使ってジーンズのグラデーションが行われていることやジーンズでも水着を作れることを知り、驚くことがたくさんありました。
ジーンズストリートではジーンズをたくさん拝見し、さすがジーンズの町だと実感しました。ジーンズだけでなくジーンズの生地を使用したトートバッグなど様々な商品があり、しっかり町に根付いていました。日本製はやはりレベルが高くとても良いものだと改めて学びました。ゼミ活動を通して岡山児島ジーンズで貴重な体験ができすごく勉強になりました。普段何も考えず愛用しているジーンズの歴史を学ぶことができ、デニムを着用する際は今回学んだデニムの歴史を少し思い出します。

大村ゼミ3回生 平岡大河

 児島ジーンズに見学にいきここはジーンズの聖地だと感じました。ジーンズストリートにはたくさんの魅力がつまっていました。メイドインジャパンの真骨頂に触れることができとても堪能することができました。ジーンズストリートの中には自動販売機やトイレなどもデニム柄でとことんジーンズにこだわっているなと感じ、デニムアイスなどもありこだわりがすごいと感じました。そして国内だけではなくアジアやヨーロッパなどでも支持を得ている桃太郎ジーンズに行きました。店内もすごくおしゃれでとても雰囲気も良かったです。ジーンズも触ってみると素材の良さ柄のセンスの良さ、とても自分好みでした。ジーンズストリートには桃太郎ジーンズを含めジーンズだけではなく雑貨やアイス、カフェなどがありこれが児島クオリティなのかなと感じました。
 ベティスミスではジーンズの歴史、手作りの生産工程などジーンズに関する多くのことを学べました。例えば戦後米国からの輸入の中古ジーンズだけが流通していたが、1963年に生地の輸入の自由化が解禁され、国産のジーンズを作るというカルチャーになっていきました。それが国産ジーンズの誕生です。ほかにも80年代にはいるとジーンズはさらに多様化していきました。80年代半ばには、画期的な洗い加工が生まれ、社会現象とも呼べる一大ジーンズブームの火付け役となりました。それがケミカルウォッシュである。これによりジーンズメーカーと加工会社は大きく成長していった。ジーンズメーカーはそうした右肩上がりの成長とともに国内で行ってきたジーンズの生産拠点を海外にもつくり生産体制を拡大させていった。
 他にもたくさん学べたことがたくさんあって、とても勉強になりました。普通に地方の県だと思っていた岡山が、世界に通用する児島ジーンズという魅力的で素晴らしい資産をもっていることを初めて知ることが出来ました。この知識や経験を自分の将来に役立てるよう頑張っていこうと思います。今回の見学とフィールドリサーチの機会に感謝します。