西口ゼミでは、今年度から本格的に私の研究テーマであるサービススケープにおける空間デザインに関する提案にキャリアゼミ活動として取り組み始めました。
サービススケープとは、空間だけでなく従業員や顧客も含めた商環境に関するマーケティング分野における総合的な概念のことです。
このサービススケープの中でも特に空間デザインによる付加価値向上を目指し、熊野本宮地域にある一棟貸し宿泊施設「Villa KUMANO」の現地調査を実施しました。

今年度、Villa KUMANO様から頂いているテーマは、欧米豪からの外国人観光客をターゲットとした空間デザインの提案です。
現地調査を実施する前に、ゼミ生達は熊野本宮地域の観光、宿泊施設、特産物等に関する環境分析を行い、癒しに関するコンセプトと提案を仮説的に設定しました。
今回実施した現地調査を通じて、現地の状況を実際に体験したことで、事前に設定していた提案内容の具体化とブラッシュアップができたようでした。

現地調査の内容は7月15日に開催された流通学部ゼミ大会にて報告しました。
結果は惜しくも2位でしたが、VR技術を活用してのプレゼンテーションを取り入れるなど、今後につながる報告内容であったかと思います。

今後も施工、コスト、付加価値向上、ターゲット・コンセプト・空間デザインのつながり、エビデンスデータを常に意識して、
年度末のVilla KUMANO様への提案を目指して、提案内容のブラッシュアップをさらに進めていきたいと考えています。

現地調査の様子

VR技術を活用しての提案に使用した元画像

流通学部ゼミ大会プレゼンテーションの様子

学生のコメント

西口ゼミ3年 海田菜緒
昨年のゼミから熊野本宮地域についてネット等から調査し、資料をもとにvilla kumanoへのリノベーション提案を行っておりましたが、今回初めて熊野への現地調査を行いました。実際に熊野本宮大社を訪れたり、現地の方々の話をリアルに聞いたりと、ネットの情報では知り得ない様々なことについて沢山学ぶことが出来ました。また、私たちがリノベーション提案を行う宿泊施設、villa kumanoにも実際に宿泊体験をさせて頂きました。以前リノベーション提案をさせて頂いたときに、宿泊施設内の写真を拝見していましたが、実際に自分の目で確認して全体のイメージを掴むことが出来ましたし、新たな発見をすることが出来ました。そして、7月に行われたゼミ大会では、熊野への現地調査を行って得た知識や経験をもとに、再度villa kumanoへのリノベーション提案の発表をさせて頂きました。以前提案を行った際は、現地調査を行っていなかったために全てイメージでの作成でしたが、今回は経験を踏まえて作成したので、以前よりも具体的な提案が出来たのではないかと感じています。結果、賞を頂くことが出来たので、現地調査を行って良かったなと感じますし、貴重な体験になりました。
 
西口ゼミ3年 稲奈津希
実際に熊野を訪れて、自然豊かで空気が澄んでいましたがVillaの場所は行くまでの印象とは違い熊野本宮大社から近く、周辺施設も充実している印象を受けました。Villaは清潔感もありホテルよりホーム感があり居心地がよかったです。また、常にSNSやTVを使って生きてる私達にとっては自然溢れてデジタルデトックスの空間は非日常であると思いました。
本題であるリノベーションについては第一に変える必要がないもののほうが多かった印象があります。が、プレゼンの時に言ったように統一感はないと感じました。インバウンドに合わせた提案を考えながらも、先方からの残しておきたいものや要望と私達の提案をうまくマッチさせることが課題であると思います。今回の提案は熊野らしさをコンセプトにしており、熊野名産のインテリアを置くであったり地元のガラス工房とのコラボなどを重点的に提案しましたが、今後実際にインバウンドが求めているものや熊野の印象を調査しながら家の中の改造のことまで提案すると、より面白いものができると考えています。
 
西口ゼミ3年 進藤絵里
二回生の時から研究している和歌山県田辺市本宮町にある宿泊施設、Villa Kumanoさんの先方の方から本格的にリノベーション提案ができるようにと2日間現地へ訪問させて頂きました。去年の冬のゼミ大会に出場させて頂きましたが、実際には訪問しておらず写真と資料だけを頼りに雰囲気を掴んで発表していました。今回実際に訪問できると伺い、西口ゼミ初のフィールドワークということもあって訪問できる日を心待ちにしていました。
実際に見る熊野の町は想像以上に緑溢れる町で、自然豊かでも道路はきれいに整備されており住みやすそうだなという感情が第一印象でした。先方の方から熊野の魅力や観光名所の詳細を丁寧に教えてくださり熊野の肌で感じることができました。熊野本宮大社から歩いて五分にVilla Kumanoがあります。内装も開放的な空間で今回ターゲットにしている外国人旅行者に対して日本の「和」をより楽しんでもらえる空間であると感じました。一晩泊まらせてもらい何不自由なく過ごすことのできた宿泊施設をリノベーションすることは大変困難でしたが、良さを生かしつつさらに良い宿泊施設になることをコンセプトにして、メンバーで試行錯誤して挑んだゼミ大会は達成感を得ることができ、無事に終わったと安堵しました。
このような貴重な経験をメンバー三人でさせてもらえて、新しい知識を学ぶことができ、大変充実した日を送ることができました。
私たちの提案のために準備してくださった関係者の方々ありがとうございました。

「Villa KUMANO」代表からのメッセージ

西口先生のゼミ生3名にVilla KUMANOにお越しいただきました。
写真や動画だけでは伝わらないVilla KUMANOの細部や、町の雰囲気も実際に感じてもらうことができ、大変嬉しく思います。
今後は、外国人観光客の体験価値を向上させる具体的なインテリアコーディネートを若者目線からご提案いただけることを期待しております。