活動テーマ:兵庫県香美町の観光・スポーツ資源を活用したスポーツアクティビティの開発
産学連携先:株式会社むらおか振興公社


 黒部ゼミと早乙女ゼミは連携型キャリアゼミの活動として、兵庫県美方郡香美町の株式会社むらおか振興公社と連携し、観光資源を活用したスポーツイベントの活性化を図ってきました。昨年に引き続き、山間部の地理的特徴を活かした「姫ボタル瀞川平トレイルラン」の大会運営と大会PRのためのプロモーション動画の作成をプロジェクトメンバーを中心に行いました。事前の準備から学生に主体性をもたせ、提案に対して教員が助言をするというスタイルで報告会までの活動をサポートしてきました。前年度から活動を共にしてきた学生の提案力、プレゼン力、行動力の成長を感じ取ることができました。
 運営責任者からは規模の小さい大会だから可能となる「こんなことをしたら喜んでもらえるな」という視点で学生からの提案をより一層してもらいたいとの言葉もいただきました。次年度は参加者の満足度の追求に向けて、学生独自の自由で斬新な視点から大会に参画できればと考えています。

学生活動状況報告

 昨年の6月から参加させていただいている兵庫県香美町との連携活動が早くも1年経ちます。香美町では主に姫ボタル瀞川平トレイルランという山道でのランニングイベントの運営を活動内容としてきました。トレイルランの運営はイベント自体が毎年様々なアイデアによって再構築されていくものであり、人同士の関わりや温かさといった変わらないものを大切にしており、学生もその中でイベントをより良くしていくためのアイデアを練る事ができます。その具体的な活動の一つとして活動報告会があります。これは事前に行っていたアンケート結果等を用いてトレイルランを活性化するための方法を提案する場です。この報告会ではイベントの運営に中心的に携わる方が来てくださいました。担当者と意見を交わすことで、お互いの理念の共有であったり、現実的に実施可能な案であるか思案する事ができました。私はこの報告会において、来年度の大会で阪南大学のエイドを作るというヒントを得ることができました。この考えは次のトレイルランで実施できるように今後の課題として突き詰めていきたいと思っています。
 このように学生の意見を積極的に取り入れて香美町の活性化に繋げる活動はとても貴重であると感じています。今後もスポーツを入口に町の活性化を図る香美町との連携活動を活発に行い、阪南大学生でしかできない経験を積み重ねていきたいと思います。

流通学部 2年生 鍛冶野 有里

参加学生一覧

2年
石川 和、小野 瑛司、鍛冶野 有里、野村 貴大、阿部 大悟、石田 武、井田 嘉楠、今江 勝政、大谷 龍平、岡 駿祐、川又 力哉、木村 俊輝、小石 幸涼、鶴島 豪、土井 櫻衣心、土井 美奈、花田 絹香、東井 星心、藤村 大輝、山口 塁、山中 善量、山本 敦輝

3年生
柴崎 仁、所 耕太郎、長田 龍憲、村田 大輔、山本 喬朗

4年生
木下 佳那、藤長 悠平、堀本 えみり

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

株式会社むらおか振興公社
田丸 明人氏

「第5回姫ボタル・瀞川平トレイルラン」をお手伝い頂いて
昨年に引き続きイベントに参画して頂きました。この但馬・瀞川山、鉢伏山を駆け巡るトレイルは、ただ走る、歩くだけではなく、その景色、環境を含め身体に感じ、人の精神力、体力を呼び戻すものでもあると考えています。その中で阪南大学の学生さんにイベントとして別の角度から考え、盛り上げて頂きました。アンケート調査の実施、DVDの作成等、今後に大いに役立つ事をして頂きました。そして発表会も新たな提案もお聞きし、次年度に活かせるものと考えています。大会をサポートして頂き、地域の方又ランナーの方の評判もとても高く、生き生きとしたイベントになっていると感じています。今後一緒に従来のトレイルを超えたイベントとして盛り上げていければと思います。今回のお手伝、有難うございました。

教員のコメント

流通学部 黒部 一道准教授

 兵庫県香美町の観光資源を生かしたスポーツ文化ツーリズム推進の一環として、昨年のキャリアゼミから株式会社むらおか振興公社と関わらせていただいています。今年度は主に第5回姫ボタル瀞川平トレイルランの運営サポートとプロモーション動画(PV)の作成を行いました。学生の活動が宣伝になり、昨年の2倍の学生が運営スタッフとして参加しました。当日は兵庫県知事選の影響で例年より人手が少なかったことため、大勢の学生がサポートに加わったことに関係者から感謝の声をいただきました。
 今年度から大会当日のサポートスタッフに加えてPV部門を作り、大会前から撮影に向けた準備を行わせました。事前にランナーの走るコースの下見を行い、その上で動画のコンセプトを練るようにしました。また撮影がレース中の選手の邪魔にならないよう、どのようなルートで撮影をしていくかも事前に計画させました。撮影に関しては概ね計画通りに進められましたが、その後の編集に関してはプロの手を必要とする部分があり、学生だけでできれば最高ですが、もう少し訓練が必要かと思います。PVは大会をPRする上で非常に重要で、クオリティはそのままに大会の魅力を伝えられる作品づくりを目指してもらいたいです。また最終報告会では次回大会に向けた様々な提案が有り、常に新しく、魅力的な大会になるよう学生のチャレンジを後押ししていきたいと思います。

流通学部 早乙女 誉准教授

 2017年度から兵庫県香美町の株式会社むらおか振興公社様と産学連携を開始させて頂きました。2年目となった今年度は、昨年に続いて、観光およびスポーツ資源を活用して、微力ではありますが当該地域の発展に貢献することを目標として活動を続けてきました。具体的には、学生たちが複数のチームに分かれて、トレイルランイベントの運営補助やアンケート調査の実施および解析・報告、プロモーション動画の作成に関わりました。
 今年度の特徴としては、2017年度にこの連携に参加した学生たちが率先して再びこの課題に取り組んでくれたので、大阪での事前準備や現地での活動が大変スムーズに進みました。加えて、この学生が後輩たちに香美町の魅力やアドバイスを伝えてくれたことで、1年を通して予想以上に多くの学生に、本キャリアゼミに関わってもらうことができました。特に、再び香美町を訪れた学生を、里帰りした家族のように迎えてくださった田丸社長をはじめとする株式会社むらおか振興公社の皆様には大変お世話になりました。学生のみならず我々教員も、地域活性化における「人(財)」の重要性を再認識することができました。
 最終的には、2018年2月に香美町で成果報告会を実施し、学生から来年度に向けたトレイルランイベントの改善点や、その他の活動の計画について提案させて頂きました。ここでの総括を、「ただ話し合っただけ」で終わらせないために、また2019年度も連携を継続させて頂き、提案した内容を実現していきます。