2023年7月14日、流通学部基礎演習(キャリアゼミ)として池澤ゼミ2期生(2回生8名)は大丸心斎橋店の外商部へお邪魔しました。お得意様営業部長の堀部様に、日本の百貨店特有の「外商」についてご自身のキャリアのほか、成り立ちやバブル期以降のラグジュアリーブランド時代、コロナ禍以降の動向について詳しくお話をうかがいました。また外商部の担当者の一日の業務や、お客様から教えて頂く姿勢の大切さ、信頼によって長く長くお付き合いが続いていること等、外商部のイロハを学びました。お話の後、外商部員が武器として訪問に使っているEV営業車がずらっと並ぶ駐車場や、外商サロン(D’sラウンジ)、インバウンド顧客向けのサロンなど普段見られない富裕層ビジネスについて学ぶこととなりました。学生たちは2019年に開業したきらびやかな店舗環境がある一方で、連綿と続く大切な顧客資産を外商部がきめ細かくメンテナンスしている姿を見て、百貨店ビジネスの奥深さに感嘆していました。

学生コメント

 大丸心斎橋店さんの見学をさせて頂きました。普段は見ることができないような場所を見れたり、とても貴重な体験をさせて頂きました。外商のお仕事についてのお話を聞いて、最も印象に残っている点は「お客様に信頼してもらうことを1番大切にしている」という言葉です。そして、すごくお客様に信頼されているなと思うエピソードもたくさん聞かせて頂きました。今回のフィールドワークで百貨店のお仕事について、より理解することが出来ました。
三浦 由有


 今回、私たちは大丸心斎橋店に行き、百貨店の外商について学びました。百貨店の売り場だけではなく、売り場以外でどのようなことが行われているのかを実際に目で見て学ぶことができ、とても貴重な経験になりました。また、接客や内装など細部まで徹底されていて見ているだけでとても多くのことを学ぶことができました。最後には普段立ち入ることの出来ないスペースへも入らせていただきとてもワクワクしました。
竹田 英烈

連携先コメント

株式会社大丸松坂屋大丸 心斎橋店
大阪お得意様営業部 部長 堀部 朗 様

【プロフィール】
1989年 松坂屋名古屋店に入社。
婦人靴売場配属、その後個人外商セールスを15年・個人外商のマネジャーを7年、外商部長を5年経験し、2019年9月から大丸心斎橋店お得意様営業部(現職)で勤務しています。キャリアとしては、ほぼ入社以来、外商(お得意様営業)部で一気通貫してきました。

【コメント】
 今回、当社お得意様営業(外商)の仕事や新たな取り組みなどを、短い時間ではありましたが講義と視察というかたちでお伝えさせて頂きました。学生の皆様と触れ合える貴重な機会を与えていただき、大変感謝をしています。ラウンジなどサービス施設のみならず、お得意様営業部の事務所や駐車場など裏方の見学もしていただき、ナマの現場をご紹介でき職場のリアリティーを体感いただけたように感じております。学生の皆様には、今後も百貨店をはじめ流通業により興味を持っていただき、次世代の流通や小売がどうなるのかなど、考えをさらに深めていただければ幸いです。

株式会社大丸松坂屋大丸 心斎橋店
大阪お得意様営業部セールスエキスパート 辻 直弘 様

【プロフィール】
1988年 阪南大学商学部商学科卒業
1988年~ 株式会社 大丸百貨店入社。心斎橋店配属
住文化用品部(音響製品・洋食器)、食品部(お酒)を担当。
2000年~お得意様営業部配属(アウトセールス)
東大阪市エリア担当 同エリアマネージャー
神戸店姫路出張所所長 奈良エリアマネージャーを経験し、2021年より現担当(大阪市西区)アウトセールスとして従事。

【コメント】
 この度は阪南大学の皆様とお会いできた事を嬉しく思います。私が入社した頃は「バブル経済」真っ只中でした。それから時代が進み、バブル経済の崩壊、リーマンショック、コロナ禍など個人消費へのマイナス要因が続きました。また個人消費スタイルも百貨店からGMS、CVS、そしてECサイトへと大きく変化しています。その様なマーケットの変化に対応すべく「自由変革産業」の当社として〇店舗では実店舗ならではの「体験価値の創出」への取り組み。〇DX領域ではサブスク「Another ADdress」の展開など時代の変化に対応しながら進化することを目指しております。その中で我々の「外商活動」はある意味「アナログ」な販売形態かも知れません。富裕層ビジネスにおいては、お勧めする商品が持つ魅力がいかに顧客の琴線に触れるかが重要で、「嗜好・資産性・トレンド等」様々なニーズを把握してそれらの商品が持つ魅力や歴史をお伝えし、関連イベントでの体験などを「エンターティメント化」する事が重要です。またその為には顧客から信頼を得ることが優先であり、時代の流れをいち早くキャッチしお取引先など協業者との幅広い「コミュニケーション」が大切だと考えています。私もお客様のくらしの「あたらしい幸せ」を発明する。をビジョンに掲げて 日々活動しております。学生の皆様におかれましては今回のように多くの現場を体験し、将来の糧となるよう今後のご活躍を期待しております。
 
堀部部長を囲んで、お得意様サロンのD'sラウンジへ。
 
学生たちは、「外商」という未知の世界に聞き入っていました。
 
堀部部長からは、外商には百貨店の「のれん」を背負った、顧客との長年にわたる信頼関係が大切だと説明がありました。
 
阪南大学OBの辻様からも、

 
夕方になると、お客様宅への訪問から帰社した外商員でごった返す事務所

 
外商の営業車はEV車が投入されている。張様にご案内いただきました。
 
インバウンドも回復傾向にある免税カウンター。インバウンド顧客をお迎えするサロンも併設。

参加学生一覧

牛島 敬介、 杉原 大樹、 杉村 暁洋、 高塚 星弥、 竹田 英烈、 中上 元、 柳本 怜音、 三浦 由有

教員のコメント

流通学部
池澤 威郎 准教授

 呉服屋を起源とする百貨店の強みとして、あまりその内容を知られていない「外商部」について、大丸心斎橋店の堀部部長様から詳しくご紹介をいただきました。コロナ禍に店舗を閉めていても、その収益力が底力として改めて再評価された「外商」領域。今は「GAISHO」としてラグジュアリーブランドとの連携、心斎橋の路面店街との連携などアフターコロナの新しい展開が期待されています。今回は阪南大学の大先輩、外商のベテランでありスーパーセールスの辻様ともお会いする機会があり、ゼミ生たちにとって、とても楽しい時間になりました。桁の違う高額品の商売をどのように成立させているのか、またインバウンドの文脈にどうコミットしていくのか。施設の見学を通じて、その一端を垣間見る機会をいただきました。ありがとうございました。