産学連携先:京都デニム、神戸ファッション美術館 

 キャリアゼミの一員である平山ゼミではファッション・ブランド探究を通して、ゼミ生個々のキャリア・デザイン(自分自身の将来の方向性)を、年間のゼミ活動により探求する活動をおこなってきました。
 そのために理論的な知識と技術をまず深めることで、ファッション・ブランド企業のブランドの本質に迫ることになりました。次に、ファッションの本場である神戸ファッション美術館、モノづくり経験として京都市内において付加価値の高いジーンズで有名な「京都デニム」と、「京和傘日吉屋」での製作活動を通して見えてくるブランドの価値の本質に迫りました。
 取り組む課題としては、日本文化の一つとして受け継がれている着物と浴衣に焦点を当てることで、令和の時代における新たなブランド価値の創造として、ジーンズと和のコラボによるファッションショーの可能性を探ることで、地元松原市のライフスタイルの創造として、一昨年度より本格的な和のファッションショーの企画を行うことを目指しました。
(新型コロナ感染拡大の影響もあり、ファッションショーの実施については次年度に持ち越しとなりました。)
 年間スケジュールにおいて重要な節目としてきたものは次のとおりです。
  1. 年間ガイダンス 組織論的ゲーム
  2. ファッション知識・技術の習得
  3. キャリア・アンカー(自分自身の拠り所となるものを探る)の視点の取り入れ
  4. フィールドワークでの経験価値の蓄積
  5. トータル・コーディネート(価値創造)への挑戦
  6. 和と洋のクロスボーダーとしてのファッションショーの企画
  7. 総括

学生活動状況報告

 キャリアゼミの一員である平山ゼミでは日々ファッション・ブランド探究に関わる知識と技術の習得、そしてキャリア・デザインという自分自身の将来の方向性を身に付けるためにこの1年間さまざまな行事やファッション研究を通して取組んできました。その中で私自身がよりはっきりと前向きに将来の自分を見据えた考え方や行動ができるようになれたと思いました。今回私の考え方に影響を与えた、私の印象に残る行事ベスト3を紹介します。
①「ファッションデザインについて:実際にデザインの基礎について学べることができ、デザインの難しさや描くことの大変さを知ることになりました。
②京都デニム:京都の伝統工芸技術を生かしたジーンズのブランド価値について学ぶことができたということは今後のファッション・アパレルの世界で生きていこうという強い確信に変わりました。
③京和傘日吉屋:江戸時代から続く京和傘を実際に製作することで、和傘のブランド価値の本質を知ることができ、ものごとを考える際に「洋」と「和」の重要性に気付くことができました。
流通学部 神村 重輝

ゼミ集合写真

  • ※写真撮影時のみマスクを外しています

参加学生一覧

辻 委小里、名村 瑠香、西崎 麻菜美、平尾 雛乃、榎本 奈々、岡本 峻甫、神村 重輝、児玉 彩暉、高橋 凱、土屋 和輝、堂脇 拓郎、中井 毅、仲村 咲良、秦 日菜美、東畠 奨、平山 千夏、大和 由佳、西村 碧依、荒瀬 寿南、上原 佳容子、大空 悠、屋 佳乃子、小田 佑歩、佐伯 綾花、中村 里苑、長岡 遼、藤原 未海、渕上 真人

連携団体担当者からのコメント

京都デニム
店長 宮本和友 様

 平山ゼミとは弊社が京都デニムブランドとして現在の地に開設された頃からの関係になります。当初から京都デニムの持つブランド観やブランド・コンセプトに共鳴していただき、京都伝統工芸の本質についても学ばれているということで、私たちとしても非常に心強く思っております。
 これまで京都デニムは京都の伝統工芸技術を生かし、それらをデニムづくりに取り入れてきた経緯があります。具体的には1)京組み紐(手作業で一本の糸から紐に)2)京小紋染め(多色染め、具象柄の多さ、華やかな印象)3)京友禅染め(本物の染料を使用、一筆一筆生地に入れる)という技術を受け継いでいます。
 しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、リアル店舗へのお客様の来店が厳しくなったこともあり、ネット通販にも力を入れることで、その際デニム=ジーンズだけでは商品選択の幅が狭まるということで、新たに弊社デザイナーでもある代表取締役社長桑山豊章の考えもあり、SDGSを意識したジーンズの切れ端を利用した小物類の製作、デニム生地の良さを生かした鞄づくり、ラグジュアリーなホテルの家具やインテリア関係にも非常に映える生地の開発・実用化にも取り組んでいます。
 このようにデニムという生地に本来のジーンズでの使用だけでは見出せない、新たな価値の創造をこのデニム世界に埋め込むことで、「京都デニム」という世界観を可視化できるよう日々精進しているところです。
 みなさまも京都にお越しの際には是非ともJR京都駅近くに位置する弊社京都デニムをお訪ねください。あらたな価値の発見が顕現されるかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

教員のコメント

流通学部 平山 弘 教授

 平山ゼミではファッション・ブランドを通したゼミ生個々のキャリア・デザイン(自分自身の将来の方向性)となるものを、年間のゼミ活動に位置づけ、それを探求する活動を目指してきました。そのために理論的な知識と技術をまず深めることで、ファッション・ブランド企業のブランドの本質に迫り、次に、ファッションの本場である神戸ファッション美術館やモノづくり経験とし京都デニムにおいてジーンズの知識・技術・伝統産業にかかわる研修を通して見えてくるブランドの価値の本質を学んできました。
 アプローチ手法としては、自分自身のキャリア・デザイン(将来設計図)を描くことを中心に活動を進めていき、専門的なファッション・ブランドに関わる知識・技術の習得と並行して、キャリア・アンカーを土台にした自分の価値を高めるためのもう一段階上のキャリア知識・技術が必要となってくるため、ゼミ活動そのものの要素の中にキャリア・デザイン的なものをカテゴリーとして落とし込むことで、ゼミ生各自が知らず知らずのうちにそうした価値や能力が修得できるように1年を通して取り組んできたことになります。
 総括としてはキャリア・デザイン(自分自身の将来設計図)の創造に各自がそれぞれの個性を生かした自分なりの取り組めたと考えています。加えて、4回生ゼミの学生については、集大成としての「卒業論文」の発表・提示では、キャリア教育の一環として、全員が2万字の卒業論文にチャレンジし、それを達成しました。3回生とのつながりに関しても、「ようこそ先輩!シリーズ」で定期的に就職活動についての経験を紹介し、その価値を共有してきました。

◆社会人基礎力について 3回生
【前に踏み出す力】
①主体性 物事に進んで取り組む⼒ 修得 
②働きかけ⼒ 他⼈に働きかけ巻き込む⼒ 修得途中段階 
③実⾏⼒ ⽬的を設定し確実に⾏動する⼒ 修得
【考え抜く力】
④課題発⾒⼒ 現状を分析し⽬的や課題を明らかにする⼒ 修得
⑤計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する⼒ 修得途中段階
⑥創造⼒ 新しい価値を⽣み出す⼒ 修得途中段階
【チームで働く力】
⑦発信⼒ ⾃分の意⾒をわかりやすく伝える⼒ 修得 
⑧傾聴⼒ 相⼿の意⾒を丁寧に聴く⼒  修得 
⑨柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力 修得 
⑩情況把握⼒ 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 修得中段階 
⑪規律性 社会のルールや⼈との約束を守る⼒ 修得
⑫ストレスコントロール力 ストレスの発⽣源に対応する⼒  修得途中段階

 最後になりましたが、提携先 京都デニム店長宮本和友様、神戸ファッション美術館浜田久二雄様、関係のみなさま方に衷心から厚く御礼申し上げます!有難うございました!