2021.3.22

サステナブルな観点からの新たな価値創造の検討(前期)・ まつばらをイメージした香水づくり(後期)

産学連携先:JFDA 日本香りデザイン協会 

 キャリアゼミとしての計画案としてはサステナブルな観点からファッションを考えた場合に、どのようなことが求められるのかについてキャリアゼミとして行動していくこととしていました。そこでは近年のファストファッションに代表される低価格ゆえのそのブランドや製品に対しての愛着感の弱さや使い捨て文化に陥りやすさに対して、いかに今後のファッションを新たな価値創造でもって消費者に訴求していくのか、こうした課題に対して、マーケティングに加えて、不便益の観点も導入することで、連携先関係者とともに考えていくことを想定しました。本キャリアゼミにおける目的は、これからのファッションやアパレル企業の今後のあり方を考える方向性について考えることにしました。後期では地元松原市の地域ブランド資源の開発事業の一環として、松原市の木「まつ」と花「ばら」をモチーフにまつばら市の香りを香水というかたちで表現し、ゼミ生それぞれがこれまで学んだ知識・技術をベースに自分なりの個性を生かした香水レシピを提案することになりました。
 

学生活動状況報告

 キャリアゼミとしての平山ゼミの活動は、主に1)ファッション知識・技術の習得2)キャリアアンカー(自分自身の拠り所となるものを探る)の視点の取り入れ3)フィールドワークでの経験価値の蓄積4)クラフトマンシップ(ものづくり)への挑戦からなっています。
 前期はゼミ生各自のワードローブを確認し、サステナブルの観点からの必要なものと不必要なものの取捨選択、新たな夏向きコーディネートの提案、メンズ服の歴史・特長、キャリアアンカーとしての自分探しの分析・検討、ファッションマップ作成(縦軸traditional・elegant×daily・casual、横軸soft(かわいい)×hard(かっこいい))などについて取り組みました。
 後期からは対面授業が正式に始まり、神戸元町・北野町でのフィールドワークを行い、クラフトマンシップ(ものづくり)について、牛革を利用した本格的なキーホルダーの作成や香水の館では日々の生活での香りの重要性について学ぶことになりました。最終的には地元まつばら市をイメージした香水づくりに勤しむことで、地域ブランドとしてのブ香水ブランドのレシピの完成とそのために必要なプレゼンテーション資料を作成しました。
 毎回のキャリアゼミは将来の自分たちに必要な知識・技術に加え、さまざまな活動を通して企画力・提案力などが身に付いたと考えています。関係のみなさま方、有難うございました。

流通学部 東畠 奨

ゼミ集合写真

参加学生一覧

辻 委小里、名村 瑠香、西崎 麻菜美、平尾 雛乃、榎本 奈々、岡本 峻甫、神村 重輝、児玉 彩暉、高橋 凱、土屋 和輝、堂脇 拓郎、中井 毅、仲村 咲良、秦 日菜美、東畠 奨、平山 千夏、大和 由佳

連携団体担当者からのコメント

JFDA 日本香りデザイン協会
アシスタントマネジャー 田中 温子 様

 LLP日本香りデザイン協会 代表理事でありパフューマ—の三澤先生のアシスタントとして、今回はじめてキャリアゼミの一員である平山ゼミに参加させていただきました。松原市を代表する花である「マツバラ」をイメージした香水の調香を目的に、香水の歴史や様々な香料の違いについて三澤先生がお話しされましたが、ゼミ生のみなさんも積極的に発言され、授業に対する意欲を伺うことができました。
 産地別に香りが異なるバラやラベンダーの香料、単一では嗅ぐ機会のない合成香料をはじめ、ブランド香水も多く試香いただき、香りの違いについても理解を深めていただけたのではないかと思います。実技の調香では、香料の組み合わせや配合量をみなさんとても工夫され、限られた時間の中それぞれオリジナリティ溢れる素晴らしい香りが誕生しました。私自身、ゼミ生の質問に対し今まで勉強してきた香水の知識を教え伝えることは、新しい学びとなりとても有意義な時間を過ごすことができました。
 西洋の花でありながら松原市に根差しているマツバラは、同じく西洋の文化である香水を日本に広めていこうと日々取り組んでいる私たちに大きな刺激となります。受講されたみなさんが、今回得た知識を基にこれからも楽しく香水を使っていただけると嬉しいです。

教員のコメント

流通学部 平山 弘 教授

 当初の活動内容としては、ただ単に不要になった衣服や処分したいと考えている衣服のリサイクルというよりも、再度それをいかに現役として使い続けるのかといった観点から考えることでした。まずは各家庭=使う側の責任の立場からのアプローチであり、次にそうした使う側からの問題意識や改良すべき事柄について検討することになります。
 資源の有効活用という点では、廃棄したり、必要でなくなった商品で、再度使用可能なパーツ、例えばボタンであったり、ブランドのロゴマークなどの収集を通じて、何らかのアート作品の可能性などについても調査研究を深めていくことになります。
 最終的には最新の流行している衣服にユーズドやこれまで衣装ケースに眠っていた衣服を再度取り出すことで、そうした衣服の組み合わせを重視したサステナブルな観点からの新たなファッションショーを開催することで答えとするとともに、ゼミ生の社会人基礎力の根底となる「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の涵養を図っていきます。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大のため、後期からは地元松原市への貢献という観点からまつばらをイメージした香水づくりに重点を置くことになりました。


□社会人基礎力について
【前に踏み出す力】
①主体性 物事に進んで取り組む⼒ 修得中段階 
②働きかけ⼒ 他⼈に働きかけ巻き込む⼒ 修得途中段階 
③実⾏⼒ ⽬的を設定し確実に⾏動する⼒ 修得
【考え抜く力】
④課題発⾒⼒ 現状を分析し⽬的や課題を明らかにする⼒ 修得
⑤計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する⼒ 修得途中段階
⑥創造⼒ 新しい価値を⽣み出す⼒ 修得途中段階
【チームで働く力】
⑦発信⼒ ⾃分の意⾒をわかりやすく伝える⼒ 修得 
⑧傾聴⼒ 相⼿の意⾒を丁寧に聴く⼒  修得 
⑨柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力 修得 
⑩情況把握⼒ 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 未修得 
⑪規律性 社会のルールや⼈との約束を守る⼒ 修得途中段階
⑫ストレスコントロール力 ストレスの発⽣源に対応する⼒  修得途中段階

 最後になりましたが、提携先 JFDA 日本香りデザイン協会三澤朱実様、関係のみなさま方に衷心から厚く御礼申し上げます!有難うございました!