活動テーマ: ファッションをマーケティングの観点からアプローチする!令和時代の新しい和のファッション
産学連携先:趣味のきもの もりた屋
 

 2019年度キャリアゼミである平山ゼミの研究テーマである「ファッションをマーケティングの観点からアプローチする!」に基づいて、私たちは令和時代の新たな和のファッションを提案するために活動を行ってきました。具体的な着物研究のポイントは以下のとおりです。
マーケティングの4つのPを中心に、
  1. 振袖のPRODUCT品質(正絹と化学繊維)
  2. 振袖のPRICE価格
  3. 家紋について
  4. 染料と顔料(プリント柄)
  5. 着付けのポイント
  6. 現在の振袖のデザインと昔の振袖のデザインの違い
  7. 中村里砂「振袖コレクション」の人気の高さとPROMOTION 販売促進の難しさ
  8. 地元密着型流通 PLACE場所の確かさ
  9. モデル試着効果(長襦袢+振袖+帯+足袋+草履等)から見えてくるもの
 になります。
 課外活動として前期は神戸ファッション美術館ではキュレーター浜田久二雄氏から欧州服飾史300年の歴史や現代ファッションにつながる展示解説を受けることで、各自のファッションの見方を深めました。後期は日本で初めて女性用ジーンズを開発した実績のある株式会社ベティスミス開発部大島健吾部長の案内と説明を受けながらジーンズの歴史とファッションの知識を習得し、フィールドワークとしてはジーンズビレッジを順次お店を回っていくことで、私たち学生にとっては以前にも増して、ファッションへの学びの意欲が高まる見学研修会となりました。
 このように、和のファッションショーへ至るプロセスではさまざまな観点からファッションとは何かについて広く深い学びができ、それらを当日のショーにも生かすことにつながったと考えています。令和時代の新たな和のファッションショーはゼミ生が一丸となって取り組んだもので大成功だったと思います。(浦田 亮)

学生活動状況報告

 この一年間平山ゼミはファッションをマーケティングの観点からアプローチする!ということで14名のゼミ生がキャリアゼミとして取り組んできました。前期は主にファッションの基本的な知識や技術の修得を行い、後期では着物や浴衣に現代の若い女性がどのような洋のテイストを加えると流行につながるかなどを考えながら、チームごとにそのモデルに合った髪型からアクセサリー、靴やバッグなどについて真剣に話し合いを深めていきました。特にオンとオフというコンセプトの下、普段のモデル像をmusic view風に創り上げ、それを当日のファッションショーにも流すことで、実際のランウェイを歩くモデルとの違いを楽しんでもらうことに力を入れました。今回の私たちの取組みから新たな和のファッションが2020年の夏の浴衣姿シーンに反映されればと密かに願っています。ご協力いただいたもりた屋さん、着付け教室のみなさま、本当に有難うございました!

流通学部 藤原 未海

ゼミ集合写真

参加学生一覧

西村 碧依、荒瀬 寿南、上原 佳容子、浦田 亮、大空 悠、屋 佳乃子、小田 佑歩、佐伯 綾花、世古 凌資、鶴林 佑盛、中村 里苑、長岡 遼、藤原 未海、渕上 真人

連携団体担当者からのコメント

趣味のきもの もりた屋
社長 森田 務 様

 平山ゼミの学生は毎年弊店を訪ねてくださり、着物についての知識や素材・品質についてお話をさせていただいております。今回は平山先生から具体的に昨今の若者の着物や浴衣離れについて、マーケティングの観点から研究の提案を受け、弊店としても10年先を見据えた着物販売やレンタルのあり方についていかに取り組むべきかというお店としての課題もあり、共によりよき着物の明日という観点から一緒にこの課題解決へ向けた活動に連携し、協力させていただくことになりました。流通学部の学生さんたちは本当におしゃれで、特に平山ゼミの学生は普段のファッションもそうですが、群を抜いていると見ています。この一年間の取り組みでは私たち着物業界に籍を置くものとしては、通常では考えられないさまざまなアイデアや和の着物に対する洋装の取り込みなどを提案していただきました。このことは長きに亘ってこの地でビジネスをしてきた者としても非常に新鮮で現代学生の考えるファッションに対する考えや想いが伝わり、今後の着物業界のあり方についてヒントをいただきました。当日の和のファッションショーも大成功で、課題解決へ向け連携できたことはとても良かったです。

教員のコメント

流通学部 平山 弘 教授

 日本の文化を代表する和のファッション=着物について、平山ゼミ2回生(基礎演習)が実施する「令和時代の新たな和のファッションショー」においては、マーケティングの観点からアプローチしたものである。そこには伝統的な着物(振袖・訪問着)や浴衣をメインベースにしながらも、現代風にアレンジされた洋装の部分も取り入れたトータルでの新たなファッション価値の創造ということなる。ファッションについての本格的な学びは一年目ではあったが、各チームがmusic viewの作成にアイデアをちりばめたり、その編集活動に努力している姿に思わず担当教員としてほろっと感涙しそうであったことは伝えておこうと思う。
 以下については、社会人基礎力の観点からの平山ゼミ2回生全体を組織として見た場合の段階的評価になる。基準は3段階であり、「修得」「修得途中段階」「未修得」からなっている。
◇社会人基礎力の涵養について
【前に踏み出す力 】
①主体性 物事に進んで取り組む⼒ 修得途中段階
②働きかけ⼒ 他⼈に働きかけ巻き込む⼒ 修得途中段階
③実⾏⼒ ⽬的を設定し確実に⾏動する⼒ 修得
【考え抜く力】
④課題発⾒⼒ 現状を分析し⽬的や課題を明らかにする⼒ 修得
⑤計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する⼒ 修得途中段階
⑥創造⼒ 新しい価値を⽣み出す⼒ 修得途中段階
【チームで働く力】
⑦発信⼒ ⾃分の意⾒をわかりやすく伝える⼒ 修得
⑧傾聴⼒ 相⼿の意⾒を丁寧に聴く⼒ 修得
⑨柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力 修得途中段階
⑩情況把握⼒ 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 未修得
⑪規律性 社会のルールや⼈との約束を守る⼒ 修得途中段階
⑫ストレスコントロール力 ストレスの発⽣源に対応する⼒ 修得途中段階

 最後になりましたが、提携先 趣味のきもの もりた屋様、天王寺の着付教室の先生方始め、関係のみなさま方に衷心から厚く御礼申し上げます!有難うございました!
※今回和のファッションショーを開催するにあたり、授業日ということもあり、所属ゼミ学生が本来出席すべきところの授業を欠席せざるを得なくなりましたこと、また事前に先生方への欠席の連絡など担当教員の不備がありましたこと、ここに謹んでお詫び申し上げます!