2014.6.5

実学シリーズ2014 3ゼミ連携で、神戸ファッション美術館を見学

実学シリーズ2014 3ゼミ連携で、神戸ファッション美術館を見学
流通学部 平山弘研究室×大村邦年研究室×西口真也研究室のキャリアゼミ活動

キャリアゼミとしてファッションビジネスに挑む、流通学部平山弘(ひらやまひろし)研究室と大村邦年(おおむらくにとし)研究室の合同ゼミに、2014年度から西口真也(にしぐちしんや)研究室が新たに加わり連携ゼミとなった。インサイト・フィールド・リサーチによって、ファッションを体感しながら学ぶのがこの連携ゼミの特色だ。そのスタートとなるリサーチが、2年生を対象に神戸ファッション美術館で行われた。

3ゼミ68名の2年生全員が、初のリサーチに参加。

2014年5月27日(火)、流通学部の平山研究室・大村研究室・西口研究室の連携ゼミが、神戸ファッション美術館でインサイト・フィールド・リサーチを実施した。平山ゼミ19名、大村ゼミ29名、西口ゼミ20名は一人の欠席者もなく参加。連携ゼミ初のフィールドワークとあって、総勢68名の一団は活気に満ちていた。
今回、神戸ファッション美術館での目的はふたつ。ひとつは、7月8日まで開催されている特別展示「ドキドキ・ワクワク ファッションの玉手箱 〜ベスト・セレクション123〜」の見学。もうひとつは、ファッションに関する文献や資料を収蔵したライブラリー(図書館)での閲覧。事前にレジュメが配付され、特別展示では気に入ったデザインの衣装を3点、図書館では興味を持った書籍や雑誌を2冊選んで自分なりの解説をするという課題が与えられた。

「ファッションの玉手箱」で280年の洋服の変遷を見学。

特別展示「ドキドキ・ワクワク ファッションの玉手箱 〜ベスト・セレクション123〜」は、1730年から2010年までの洋服の歴史を中心に、民族衣装や写真、映画などを展示したコレクション。サイズや顔の異なる123体のマネキンは、衣装に応じたヘアメイクが施され、本で洋服の歴史を見るだけでは伝わらないリアリティがある。神戸ファッション美術館の浜田学芸員の解説に、学生たちは真剣に耳を傾けメモを取っていた。
大村ゼミの加藤瑛美さんは「ロココ時代の18世紀までは、男性の方が衣装が豪華だったことを知り、驚きでした。また肋骨を折ってまでコルセットで細いウエストラインを作っていたのも印象に残りました。今でも女性は歩きにくいのにヒールを履きます。美しさのために無理をするのは共通なのだと思いました」と、中村千聖さんは「20世紀に入ってからは、今のファッションに通じるデザインがたくさんあると感じました。プリントされた不織布製のペーパードレスは40年以上前のものですが、今見ても斬新ですね」と、平山ゼミの山田貴弘さんは「皇帝ナポレオン1世の戴冠式をダヴィッドの絵画から復元した衣装は制作費3億円というだけに素晴らしいもので見応えがありました。コルセットを取ったところから現代ファッションが始まったという転機を知ることができたのも収穫でした」とそれぞれ感想を語ってくれた。
また、この展示で将来のキャリアへの刺激を受けたという声も。平山ゼミの吉田美咲さんは「ファッションだけでなくヘアメイクや小物まで幅広く見ることができたので、アパレルだけでなく香水やランジェリーなど生活に関わるファッション全てを視野に入れたいです」と、山本真里菜さんは「クリスチャンディオールのウエディングドレスの美しさに感動しました。ラグジュアリーホテルに就職を志望していますが、良いイメージをもらえた気がします」と、吉富吟奈さんは「アパレルショップでアルバイトをしていますが、いろんな切り口から服を見つめることができ企画部門に興味が湧きました」と、河合真由さんは「ファッション雑誌の編集をめざしたい」とそれぞれ将来の希望を語ってくれた。

ファッション業界で活躍するための土台作りを。

大村教授は、2年次最初の連携ゼミに神戸ファッション美術館でのリサーチを位置づけているのは大きな意味があると語る。「ファッションを産み出していく側は、新しいことだけを追いかけているのではダメです。歴史や変遷を知り、本物を目で確かめることで、これまでファッションの世界を築いてきた人たちの努力や創意工夫の重みを感じ、自分の土台にしてほしい。昔の服を見て“今っぽい”と感想を述べる学生がいましたが、それは現代の服を制作するデザイナーが昔の服を参考にしているからなんです」。神戸ファッション美術館は、展示だけでなくライブラリーにも数多くの資料があるので、今後は自発的に活用してほしいと述べた。

平山教授は、ファッションの歴史を理解することで時代の欲望を読み取ってほしいと語る。「ファッション業界をめざす学生には、服を売るのではなく価値を伝えるんだという点を理解してほしいですね。衣服には時代の欲望や渇望が反映されていますから、その変遷を見ると時代を読み取る力が身につきます。現代はどんな価値が求められているのかを考えるきっかけにしてもらえれば。また280年前は1%の貴族だけがファッションを楽しめましたが、社会の変化によりその比率は上がり、現代の日本ではほぼ100%の人がファッションを楽しめる。当時とは大きな環境の違いがあることも感じてほしいです」現場に足を運んで得た知識はたとえ断片的であっても記憶に定着するので、それを確実にするために、今回の見学研修では課題をその場でA4 1枚にまとめて提出を行うという形式にしたことで、彼らのライブラリーでの課題に取組む姿勢・態度にこれまで以上に進展が見られ、その経験したことを言葉にすることで可能となる情報上の価値をも吸収できる良循環構造につながることも学んでほしい、と結んだ。

西口准教授は、学外に出て学ぶ大切さと楽しさを感じてほしいと語る。「ファッションは、街で起こる現象なので本を読んでいるだけでは修得できません。私のゼミでは衣服はもちろん、雑貨・カフェ・インテリアなどもファッションのカテゴリーとして捉え、自分ならどんなショップをプロデュースするかに取り組んでもらうので、街の雰囲気を感じ取ることも大切。今回は阪南大学から少し遠い六甲アイランドの雰囲気も感じられる良い機会になったのでは」またファッションは流行を創り出すことなので、連携ゼミでより多くの学生と出会い、人を巻き込んでいける人材になってほしいと述べた。

社会人となった平山ゼミ出身者の姿も。

この日、一般の見学者として神戸ファッション美術館を訪れていた平山ゼミ出身の高野恭平さんに偶然遭遇した。高野さんは今春阪南大学を卒業し、株式会社ユナイテッドアローズに正社員として10月に入社する予定で、入社までにファッションに関する知識をさらにつけようと、神戸ファッション美術館のライブラリーに通っているという。「最近は服飾史について年代別に学んでいます。平山ゼミでは普段できない経験をたくさんすることができましたが、現場でリサーチをする際に大切なのは、自分はどう考えているのかを意識することです。自分なりの意見を持って知識を吸収すると就職にも役立つと思います」学生時代はゼミ以外にも阪南大学50周年記念ファッションショーに参加し、アパレルショップでのアルバイトもしたという高野さんは「できることは何でもやってやろうという姿勢も大切だと思います」と後輩学生たちにエールを送ってくれた。
大村・平山ゼミは、今春3月で90%の学生が就職を決め、その内の70%がファッション業界に進み、その内の半数が一部上場企業だというデータが表す通り、ファッション業界をめざす学生にとって常に志望者の多いゼミだ。その要望にさらに応えるために、西口ゼミも加わり、合同ゼミから連携ゼミへとさらにパワーアップした。今後もチャレンジングな取り組みが数多く展開されることだろう。

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