20231026()のスポーツビジネス論の授業に、明治安田生命J3リーグの奈良クラブより、長香里さんと可児壮隆選手にお越しいただきました。長さんはホームタウン担当としてクラブと地域をつなぐ役割から、マーケティングや広報・PR業務も担当しています。可児選手は2014年に国際観光学部を卒業し、奈良クラブには在籍2年目になります。今年から明治安田生命J3リーグに参戦する奈良クラブとはどのような特色を持ったクラブなのか。これまでの歩みとこれからの未来について、その現状をお話しいただきました。また可児選手には、阪南大学を経由したプロサッカー選手としてのキャリアを辿りつつ、本学OBとして現役学生にメッセージを送ってくださいました。その講義の様子をご紹介いたします。

  • 奈良クラブは昨シーズンJFL(日本フットボールリーグ)で優勝し、今年からJ3に参戦

  • 長さんより、奈良クラブの概要が説明された

  • 可児選手は練習後にもかかわらず駆けつけてくれた

学生コメント

 高月 昂希さん
 長さんの話を聞いて思ったことは、過疎化している地域や少子高齢化などの問題を抱えている地域をホームタウンにするということにびっくりしました。自分なら奈良県の栄えている地域にホームタウンを作った方が、人が沢山来ると考えてしまうからです。自分も実際三郷町に行ったことがありますが街中はとても田舎だったので、その町にホームタウンを作るということでとても応援したくなりました。
 可児さんの話を聞いて感じたことは過去の失敗から学ぶ姿勢や与えられた環境で全力を尽くすということは誰しもができることでは無いと思ったのでそのような姿勢を見習っていきたいと思いました。
 
田中 瑞唯茄さん
 奈良クラブの長さんのお話の中であった「奈良に試合の観戦だけではなく、観光してもらえるような環境を作る」というところが、その場所のことだけではなく地域のことについても考えていることがいいなと思いました。
 可児選手の「自分にしか感動を与えられない人がいる」という言葉がひびきました。生活が難しい状態になってしまったのにも関わらず自分を変えたいと思った可児選手はすごいなと思いました。
 私は将来小さいことでも、誰かの背中を押せる人になるということが目標なので、可児選手が後悔しない人生を選択しているところが、私も将来生かしたいなと思いました。
 
松本 結美さん
 スポーツから観戦と観光による潜在型、体験型の仕組みが作れることに興味を持ちました。スポーツは試合をする、観戦するだけでなく、裏にはビジネスがあるからこそ楽しめるコンテンツであることに気付きました。スポーツ観戦することで、移動し、買う、食べる、泊まる、観光、体験する、試合観戦といった循環ができる機会が与えられます。この循環から交通会社や飲食店、ホテル・宿泊業などの売り上げも上がることが分かりました。このような観光プロモーションや魅力的なコンテンツの提供、市町村セールスが行える仕組みはとても興味深く、将来何かを考える時のきっかけに生かせそうだと感じました。
 可児選手の「自分が感動を与えられる存在だ」という言葉も印象に残りました。精神や身体がしんどい時に人に相談することは改めて良いことだと感じました。その中でもサッカーを嫌いなまま辞めてほしくない、尊敬しているといった言葉を聞いてサッカーを続けたというエピソードがとても印象に残りました。それほど可児選手はその人にとって大切な存在だと思います。自分も人に大切な存在、誇れる存在だと思われるような人になりたいと感じました。
  • 講義後にはサッカー部OBの本学職員と旧交を深めた

教員コメント

 2016年から2017年にかけて、当時JFLに所属していた奈良クラブの試合を審判として担当したことを思い出しました。近鉄奈良駅前には多くの遺跡があり、そしてスタジアムもそのすぐそばにありました。改めて奈良のスポーツツーリズムの可能性を感じ、それを突き動かしているのがまさに奈良クラブだと知ることができました。マーケットの規模を悲観的にとらえるのではなく、その中でどのようにプロモーションし、またJリーグのIDを確保していくか、その工夫と可能性を知ることができました。
 可児選手はこれまでの複数回の移籍を経験し、それぞれの環境での想いをすべて語っていただきました。人は何事も先送りにして、何かあれば人のせいにしがちですが、可児選手を見習って「今やる、ここでやる、自分がやる」この3つを実践していきたいと思いました。OB選手の心の奥底に響く言葉の数々に、学生一同刺激を受けたことでしょう。
 可児選手の活躍と奈良クラブの益々の発展を願っております。ありがとうございました。