今回はドイツサッカーシリーズ第1弾として、ドイツのケルン市に留学経験のある梅村徹さんにご登壇いただきました。梅村さんは、高校、大学と全国トップレベルのサッカー競技成績を残し、プロクラブの練習にも参加してきました。怪我の影響もありクラブが決まらない中、「人と違うことをする」という信念で渡独を決意しました。
 ドイツのサッカーといえば、昨年12月に行われたカタールW杯で日本が初戦に破った相手です。ではもう日本のサッカーの方が強いのではないか・・・そう思うサッカー関係者はおそらくいないでしょう。今シーズンブンデスリーガ10連覇を達成したバイエルン・ミュンヘンをはじめとして、ドイツは今なおサッカー大国として有名です。そんな歴史あるサッカー大国ドイツで梅村さんはどんな経験をして、日本に戻って就職し、今があるのか。梅村さんのサッカー人生とドイツ留学経験を振り返りながら、学生たちが直面する就職活動と将来像について、「社会への価値提供」をテーマにその想いを語っていただきました。
  • 写真1.ドイツ時代の梅村選手

  • 写真2.ドイツと言えば、大聖堂とケルシュビール

【学生コメント】

甘利 俊介さん
梅村さんの講義を受けて心に残っているのは、自分の考えを言語化して意思を伝えることの大切さと就活や人生選択における自分にとって欠かせないものを3つほど持つということです。他にも仕事とは何かという話でお金を稼ぐということは社会に価値を提供するか、社会の課題を解決するかの二つだという話が納得できました。自分もどちらかというと社会に価値を提供するという生き方をしたいと考えているので今日の講義は興味深い話が多くて勉強になりました。
 
大崎 太陽さん
今回の講義を聞いて、就職活動の時期が来た時に周りに流されず自分のしたいことを1度立ち止まって考えてみようと思いました。就職活動をする際には、福利厚生など自分の中で譲れないものをいくつか持っていこうと思いました。意見を言うことを躊躇うのではなく、ゼミなどでも積極的に発言することでそれが社会に出た時に、自分の強みになるのだと感じました。バイトをする時にも、まず目標から逆算しどのような能力が自分には足りていないから、このバイトをしてみようかなと、目標を立てる大切さを知ることができました。
 
作田 美結菜さん
今まで講義を受けてきて、やはりみなさん言っていることは「とりあえず動いてみる」「後悔しないよう選択をする」「人脈が大切だ」とおっしゃっており、今の自分にすごく響く言葉だと感じました。私はあまり挑戦をする方ではないので自ら行動し自分の考えを持つ人こそ講義をしてくれている人のような社会人になるのかなと思いました。やりたいことに対して何かを諦めないといけなくなることもあると梅村さんがおっしゃっていましたが、全てしてから削っていけばいい、と言っていてすごく心に刺さりました。梅村さんのように進んで行動する人になりたいです。
 
藤山 のの香さん
大学卒業時の選択で、一番難しい選択だというもの(海外留学)を選ぼうと思うのが、普通の人だと1番嫌がるのに選んで本当にすごいなと思いました。自分の考えを言語化できる人という言葉がすごく印象に残りました。頭でなんとなく考えていても、言葉に表すのは難しいしその考えを言葉にして周りにどう思われるんだろうと自分だったら、気にしてしまうなと思います。でも、それは動いてみないと、言葉にしてみないと相手には自分の考えが伝わらないし、周りに助けてもらったりアドバイスを貰ったりと成長できないということがよく分かりました。怪我した時に、ネガティブになるのではなく怪我をしたからこそできることを考え、とりあえずやってみるというポジディブに考えられていてすごいと思ったし、その考え方ができたからこそ様々な経験をされているんだなと感じました。
また、今しかできないこと、一番難しいことを選択することが有意義な経験となり、自分の成長に繋がることがよく分かりました。
私はまだ2回生だけどこれから自分のキャリア選択をしていく時に、社会の課題解決をしたいのか、社会に価値を提供したいのかなど自分がしたいこと、そしてなにを譲れないかをしっかりポイントにおいていきたいと思ったし、なにからしたらいいか少しだけだが分かりました。

授業の中での印象的なエピソードを紹介します。

 当時梅村さんは、ドイツ5部リーグのチームに所属していましたが、週末の試合はメンバーに入れず、同じクラブの2軍チーム(8部リーグ)の試合に出場していた。その8部リーグの公式戦で結果を出し、トップチームの練習でも手応えを得ていたが、毎週末2軍行きの日々が続いたある日・・・
 
監督「トオル、今週も2軍の試合に行ってくれ」
梅村「・・・・・」
  「なんでおれが2軍に行かなきゃいけないんだ!!!!!」
監督「トオル、お前のその言葉を待っていた。いつもお前が本当にどうしたいのかわからなかった(君の意思を自分の言葉で伝えてほしかった!)。」
その後はコンスタントに出場し、ゴールやアシストも記録し、上位リーグのクラブから声もかかるようになっていった。

教員コメント

 これまでのキャリアの分岐点における考え方や想いを学生の目線になって語ってくださいました。上記のエピソードに紹介したように、自分の選択を言語化することはもしかしたら学生たち、いや、日本人が不得意としていることかもしれません。ぜひ学生たちには自分の意思を伝えることにチャレンジしてほしいと思います。最後に、梅村さんからのメッセージを紹介します。
* ゴール設定を明確にすること、行動すること、できないことはやめたらいい
* 言語化して意思を伝えられない人間は評価されない
* 自分の中で大切にしていること、譲れないものを発見する重要性

とおる、Viel Erfolg !!(ドイツ語で「がんばれ」の意)